はじめに
皆さんは、緋牡丹(ヒボタン)というサボテンをご存知でしょうか?サボテンの上に、まるでパッと大きくて華やかな花が咲いたような、赤やピンク色をした緋牡丹。その名前は知らないという人も、どこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、その緋牡丹の特徴や基本的な手入れの仕方、育て方のちょっとしたコツについて紹介します。
緋牡丹の上手な育て方①緋牡丹を知ろう
近年人気の緋牡丹は、園芸店のみならず、おしゃれなカフェや雑貨さん、幅広い場所で購入できるようになりました。価格には差がありますが、比較的安価に手に入れることもできる、非常に身近な植物と言えます。ではいったい、緋牡丹とはどんな植物なのでしょうか。その特徴について見てみましょう。
緋牡丹の基本情報
パラグアイが原産地、日本で改良された品種
緋牡丹(ヒボタン)とは、サボテン科のギムノカリキウム属という植物のひとつです。パラグアイ原産ですが、日本で改良された品種なのです。三角柱など緑色のサボテンの上に接木されている、赤色のカラフルなサボテンの部分が緋牡丹です。原産地の気候からも想像できるように、乾燥に強い品種であり、毎日の水やりは必要ありません。また、特別な肥料を使用しなくても大きく育てやすい植物です。
淡いピンク色の花が咲く
緋牡丹はそれ自体が花のように美しい色をしていますが、淡いピンク色の花を咲かせることがあるのです。何年ほどで咲くのかがさまざまなため、見られずに緋牡丹や台木が枯れてしまうこともありますが、運がよいと大きく立派な花を見ることができます。いつ咲くかわからないからこそ希少価値が高く、出会えたら幸せな気分になれますね。
緋牡丹の特徴
別名はキャンドルサボテン
別名キャンドルサボテンとも呼ばれています。その名前のとおり、サボテンの先に火が灯っているような、真っ赤な色をしています。また、通常接木されている三角柱の寿命は、長くても数年の場合が多く、そのはかない美しさからも「キャンドルの炎」を連想することができるかもしれません。
緑色のサボテンを台木にして、接木される
緋牡丹は、通常の緑色のサボテンを台木にして、接木されて育つ植物です。台木になっている種類のサボテンは三角柱が多く、その台木の種類によっても価格が変わります。三角柱は、残念ながら耐久性が乏しく寿命はあまり長くないため、子株ができても株分けで増えるというよりは、観賞用として楽しまれることが多いのです。
緋牡丹の人気の秘密
その人気の秘密は、何といってもその華やかさではないでしょうか。花のようにパッと一瞬で目を引く、赤やピンク、黄色やオレンジ色をした緋牡丹は、それだけで部屋や庭を明るく彩ってくれます。主役級の存在感を持ちながらも、寄せ植えの中で彩りを添えることができる、万能サボテンなのです。
カラフルで存在感抜群!毎日の水やりや肥料も必要なく、その場を明るく彩ってくれるところが人気!
緋牡丹の上手な育て方②日当たりと水やり
緋牡丹の育て方って、難しい?
街中で見かけることは増えたけれど、実際に育てることは難しいのでしょうか?特別な土の作り方や肥料は必要なのでしょうか?どんなことに気をつけたらよいか、時期によっての水やりの違いなど、その手入れ方法には注意することがいくつかあるのです。では、実際に緋牡丹の育て方について、見ていきましょう。
育て方チェックポイント
- 風通しと日当たりが大切
- 水やりの量と頻度は、気温や時期によって調節する
- 真夏の日差しと、真冬の低温時は室内がおすすめ
- 梅雨の時期は、根が腐ることがあるので要注意
適した環境
風通しと日当たりを好む
基本的には他のサボテンと同様に、風通しと日当たりのよい場所で管理すると成長しやすく、三角柱共々健康状態を保ちやすいでしょう。また、水やり以外に大変な手入れをしなくても育ちやすいことも特徴です。特別な土の作り方もする必要もなく、肥料を使用しなくても、台木にしているサボテンの養分と土の栄養があれば大丈夫です。
水やりは時期によって調節する
乾燥気味の環境で成長しやすいサボテンです。春や秋には土の表面がしっかりと乾いてから、水をあげるようにしてください。冬場は成長がゆっくりになるので、控えめのほうがよいですが、枯れきってしまわない程度に土を湿らせることが必要です。冬場の水やりの目安は月に1回ほどで、よく観察して行いましょう。また土を湿らせる時間は、気温が低いと凍ってしまう可能性があるため、午前中から昼間のうちに済ませられると安心です。
害虫
多肉植物につきやすいと言われている、カイガラムシが発生することがあります。とても小さいけれど、サボテンたちにとっては天敵です。成長の妨げになるため、発見したら早めに薬を使用して駆除するなど、ていねいに手入れをすることが大切です。できる限り、いとしの植物にカイガラムシがついてしまう前に防げるよう、管理場所の風通しなどに留意したいものですね。
育て方の注意点
真夏の強烈な日差しを避ける
緋牡丹が日当たりを好む植物とはいえ、やはり強烈な真夏の日差しでは日に焼けてしまったり、多湿の環境では根腐れなどで株を痛めてしまい、大きく育つことができません。昨今の強い日差しは、人間だけではなく緋牡丹にとっても強烈です。暑すぎる時期には、半日陰のように直射日光をやわらげられる所で管理し、風通しもよい場所で手入れをしましょう。
梅雨の雨と冬の気温に気をつける
梅雨の時期に雨に当たりすぎてしまうことも、根が腐る原因になったり寿命を縮めてしまう原因にもなりかねません。また、土が凍ってしまいそうなほど低い真冬の気温も、得意ではなく成長を妨げてしまいがちです。そんな時期は、室内の窓辺で日当たりよく育てるようにしましょう。
サボテン全体ではなく、上部のカラフルな部分だけが緋牡丹。葉緑素を持たない緋牡丹は、単体では育つことができないのです。