無臭にんにくとは
無臭にんにくはにんにくを臭わないように改良した品種ではなく、にんにくではない別の種類の野菜です。にんにくはネギ属のにんにく種で、無臭にんにくはネギ属のリーキ種に属しています。ジャンボリーキやエレファントガーリックと呼ばれる西洋ネギの仲間です。
無臭にんにくの基本情報
分類 | ヒガンバナ科ネギ属リーキ種 |
学名 | Allium ampeloprasum、 Var.ampeloorasum |
英名 | Elephant garlic |
和名 | 無臭にんにく |
別名 | ジャンボリーキ、エレファントガーリック |
学類 | 被子植物、単子葉類 |
収穫時期 | 6月~7月 |
産地 | 鹿児島県、香川県などの西日本 |
にんにくとの見分け方
無臭にんにくとにんにくの見分け方は、大きさに着目することです。無臭にんにくは一般的なにんにくと比較すると約8倍~10倍の大きさをしています。ほかの見分け方として、味や臭いを確認するということも挙げられます。無臭にんにくは本当に無臭です。カットすればかすかににんにくのような香りがしますが、強い刺激臭はありません。味もにんにくの特徴的な辛みがなく、少しの苦みと甘みがあります。
にんにくの芽の見分け方
にんにくの芽はにんにくの茎部分のことで、とう(花芽)が出る時期に花を咲かせないために取り除く部分です。炒めて食べればシャキシャキとした食感、にんにくの味や香りを味わえます。無臭にんにくの芽の見分け方は、太さと長さに着目することです。一般的なにんにくの芽と比較すると、茎の直径が1cm~1.5cmほど太めで長ネギのようです。長さも10~15cmほど長めで食べ応えがあります。味は太い茎に水分をたっぷりと含み、柔らかくまろやかで甘みがあります。
ボタ爺
無臭にんにくの特徴
無臭にんにくはにんにくではない別の種類の野菜のため、味や臭いなど特徴に大きな違いがあります。形や色もにんにくと違い、いびつな形や緑がかった色合いをしています。
特徴①味
無臭にんにくは辛みがほとんどありません。新たまねぎのような甘みがあり、あっさりと食べられる味です。口当たりがよく刺激も弱いため生でも食べやすく、新鮮な無臭にんにくはサラダやパスタのトッピングなどにも適しています。日光に当てすぎたり日がたちすぎたりすると、生で食べたときに苦みや辛みが出るため気をつけましょう。
無臭にんにくに適した保存方法は?
無臭にんにくを常温保存する場合、よく乾燥させてから直射日光が当たらない風通しのよい場所に置きましょう。湿度が高すぎれば腐りやすくなり、日光に当てすぎると芽が伸び苦みが増します。乾燥していない無臭にんにくは冷蔵保存が適しています。傷みやすいため早めに食べきりましょう。
特徴②臭い
無臭にんにくは本当に無臭で、にんにくのツンとした刺激的で濃厚な臭いがしません。外皮のある状態は無臭で、皮を剥いて切るとたまねぎのような甘みを含んだ臭いと少量のにんにくのような臭いがします。
特徴③形
にんにくは鱗片の一つ一つが大きいため、房の状態では丸く整った形をしています。無臭にんにくはにんにくと違い、鱗片が小さめでたくさんできるため、房の状態はいびつな形です。一部分が大きく膨らんでいたり、小さい鱗片部分はへこんでいます。
特徴④色
無臭にんにくは、外皮の色はにんにくと同じで白い色です。しかし新鮮な無臭にんにくは房から茎に向かっていく部分が薄い緑色の場合があります。皮をむいた鱗片部分はにんにくと同じく、やや黄色みを帯びた白い色です。
無臭にんにくの栄養成分
にんにくと違い無臭にんにくには栄養成分のサポニンが含まれており、アルコールの吸収を抑えたり、免疫力をアップしたりする効果が期待できます。ほかにも肝機能の改善や動脈硬化の予防などの効果も期待できるといわれています。加えてビタミンKやビタミンB、葉酸やカリウムなどの栄養成分も含まれており、さまざまな栄養が豊富につまった野菜です。
ボタ爺
サポニンは生薬や漢方などにも使われている薬効成分で、生で食べると苦みがあるのが特徴じゃ。
ボタニ子
コーヒーや抹茶の苦みもサポニンの苦み成分がはいっているためなんですよ。
アリインは少なめ
にんにくにはアミノ酸の一種である栄養成分のアリインが含まれており、酸化するとアリシンに変化し、にんにく特有の臭いが発生します。無臭にんにくにはアリインがにんにくの1/60ほどしかないため、強い刺激臭がなく本当に無臭です。しかし、アリインはスタミナ成分でもあるため、無臭にんにくにはスタミナ増強効果が少ないといえます。
自宅で無臭にんにくを栽培するなら茎の部分もぜひ味わってみてください。