エシャロットの特徴
エシャロットとは、以前は若採りの辣韭(らっきょう)のことをいいました。ですが、フランス料理やイタリア料理が広まってくると、同じく「エシャロット」と呼ばれる、見た目などの全く違った野菜が流通しはじめます。英語圏では「シャロット」と呼ばれるこの香味野菜こそが、上の写真の「エシャロット」です。
エシャロットとは
玉ねぎのように鱗茎(りんけい)部分を食用としているエシャロットは、紫玉ねぎのように表面は紫色をしています。直径わずか3cm~5cmほどの小さな野菜です。国産のものはごくわずかだけで、流通しているほとんどのものが、主にオランダ、ベルギーから輸入しています。
ベルギーエシャロットと呼ばれることも
エシャロットは、フランスなどのヨーロッパや中東では、料理によく使われている人気の野菜で、名前もよく知られています。日本でも少しずつ見かけられるようになってきましたが、似た名前の「エシャレット」とよばれる若採りのらっきょうと区別するために、「ベルギーエシャロット」と表記されていることもあります。
エシャロットの基本情報
学名 | Allium cepa L. var. aggregatum |
科名 | ヒガンバナ科 |
属名 | ネギ属 |
原産地 | 中央アジア・南西アジア |
フランス語 | Échalote |
英語 | shallot |
エシャロットの栄養成分
エシャロットにはどのような栄養が含まれているのでしょうか。生のエシャロットに含まれる、100gあたりの主な栄養成分表にまとめてみました。
栄養成分 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
葉酸 | 34ug |
カリウム | 334mg |
カルシウム | 37mg |
マグネシウム | 21mg |
リン | 60mg |
エシャロットの効能
エシャロットには、上の栄養成分の他にもアリシンという成分も含まれています。アリシンはエシャロットの他にも、にんにくやねぎなどの香りの強い野菜に多く含まれています。アリシンについて、ご紹介していきましょう。
アリシンとは
エシャロットやにんにくなどの野菜には、においの成分である「アイリン」という物質が含まれています。このアイリンは、切ったりすりおろしたりという調理過程で細胞が壊されることより、強い香りを発生させます。これは「アリイン」という物質が分解されて、アリシンが発生するためです。
アイリンとは、イオウ成分を含むアミノ酸の一種です。
アリシンの効能
エシャロットを食べてアリシンを摂取することにより、体に期待できる効能をご紹介します。体によさそうといっても、食べすぎたりしないように気をつけましょうね。
- 生活習慣病を予防し、健康的な体を維持
- 健康的な血管を維持し、血液の循環を保つ
- 健康な体のサポート
アリシンは、血液中のコレステロール値の上昇を抑えて、生活習慣病を予防する効果があります。
アリシンの注意点
アリシンはとても効能が多い野菜ですが、とても強い抗菌作用もあります。アリシンを含むエシャロットやにんにくを、生の状態で過剰に摂取すると、胃腸内にいるビフィズス菌などの腸内細菌までも死滅させることもあります。胃腸障害の原因にもなりかねないので、生での摂取は気をつけましょう。
次は、エシャレットについて紹介しますね。
エシャレットとは
以前日本でエシャロットと呼んでいた若採りの辣韭と、玉ねぎに似たエシャロットを区別するため、現在では若採りの辣韭のことを「エシャレット」または「エシャ」と呼ぶようになりました。少し名前が紛らわしいですね。
本当に紛らわしい名前ね。次のページから「エシャレット」の特徴について紹介するわね。
鱗茎とは、養分をたくわえて厚くなった葉が、茎のまわりに何枚にも重なって球状になったものをいいます。