ニラとは
餃子やニラ玉、レバニラ炒めなど中華料理などのレシピに欠かせないのが「ニラ」ではないでしょうか。サラダやなべ物にも使える便利なニラですが、実は意外と簡単に栽培できるおすすめの野菜です。今回はそんなニラの栽培方法についてご紹介します。
ニラの特徴
にらの独特の香りは、アリシン(硫化アリル)というものです。アリシンはビタミンB1の吸収を助けるといわれています。とても個性的なニラがどんな植物なのか基本情報を最初にお伝えします。
基本情報
原産地 | 中国 |
分類 | 多年草ネギ属の野菜 |
食用部分 | 葉と花茎 |
栄養素 | βカロチン・ビタミンA・ビタミンC・リン・鉄・カルシウム |
収穫期 | 7月~11月 |
効能 | 疲労回復 整腸作用など |
ニラの種類
購入するときにあまり気に留めていないかもしれませんが、にらの品種と種類はおよそ25種類あります。おもなものをいくつか取り上げてみます。
名前 | 育成元 | 特徴 |
タフボーイ | 八江農芸株式会社 | 耐寒性有 収穫量多 柔らかく厚い |
なかみどり | 栃木農業試験場 | 葉は硬め 甘み多い |
海南 | 渡辺採種場 | 低い温度でも成長 葉の幅が広い |
グリーンロード | サカタのタネ | 成長が早い 再生早く収穫多い |
ニコニコ太郎 | カネコ種苗株式会社 | 葉の幅広い 肉厚 甘み強い |
キングベルト | 高知前川種苗 | 葉に幅、厚み有 繊維が少ない |
ニラの栽培方法:地植え
にらは多年草です。多年草は同じ株からまた葉を伸ばすので、畑に植えておくと長い期間収穫して楽しむことができます。にらは寒さにも強く越冬し、何年も収穫できます。どんな土壌でも育つので畑仕事初心者の方でも育てやすい野菜です。さっそくにらを畑で栽培するための土作りや種まきの時期や方法をご紹介します。
栽培手順①苗床の準備
にらの種をまく3週間前に、たい肥と肥料を撒いて苗床の準備をしておきます。表面は平らにしておきます。少しの量を栽培するのであれば、プランターや育苗箱に培養土をいれて苗を育てる方がお手軽に栽培できます。
栽培手順②種まきと育苗
畑で種まきする方法
- 深さ1cmのまき溝をつくります。まき溝とまき溝の間は10cm~15cm開けます。
- まき溝に2cm間隔でにらの種を並べていきます。
- にらの種の上に5mmくらい土をかぶせます。
- しっかり水をかけます。
- もみ殻などで乾燥を防ぎます。
3月に種まき
種まきの時期は春です。3月~4月の暖かくなった時期にまきます。発芽に適した温度は15~20℃くらいです。にらの種をまいてから10日~14日で芽が出ます。芽が出たら、株間が1cm~2cmになるように間引きします。さらに30日ごとに追肥をしておきます。しっかり育苗してから植え替えます。
育苗ポットやセルトレイに種まきする方法
- 種まき用の土を入れる
- 容器の真ん中に1cmくらいの穴を空けて10~15粒、セルトレイのときは区切りごとに4~5粒まく。
- 種の上に土をかぶせて水をたっぷりまく。発芽まで土が乾燥しないように定期的に水やりする。
- 草丈5cmくらいで間引きする。
- 草丈20cmくらいで植える。
栽培手順③土づくり
植え付けの遅くても3週間前までに、たい肥などを混ぜて土作りをしておきます。にらは酸性が嫌いです。なので畑の土を深さ20cmほど耕したら、1㎡あたり100~150gの苦土石灰をよく混ぜます。そのあとたい肥や野菜用の肥料を混ぜて幅60~80cm、高さ15cmの畝を作っておきます。
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定植してからは定期的に肥料を与えます。化成肥料や有機肥料は2週間ごとに液体肥料の場合は1週間ごとに与えます。収穫をしたときも液体肥料か化成肥料を株ごとに与えます。冬の時期は株元にたい肥をかけて越冬します。
栽培手順④植え付け
植え付けの時期は6月ころです。種をまいて90日ほど経つとにらの草丈は20cmくらいになります。いよいよ畑に定植します。にらの株を植え付けるためにたい肥などを混ぜて土作りをしておいた畝に植えていきます。
畑での定植の仕方
- にらの根を傷つけないように掘り起こす。
- にらの株と株の間が20cmくらいになるように植穴を掘る。
- 茎の下の方がうまるように土をかける。
- 最後に水をたっぷりとかける。
栽培方法その⑤土寄せ
にらの苗がしっかりと根付いてきたのを確認したら、土寄せをします。ニラの株元を見て根の部分が地上に出ないようにしっかり土寄せをしておきます。
ニラの花
にらの花は7月~8月ころ夏の時期に白い花を咲かせます。花を咲かせてしまうと葉が硬くなって食べれなくなってしまいますが、種まき用の種とりと鑑賞のため株を取り分けて咲かせても楽しいかもしれませんね。
花芽は摘む
夏の時期になると花が咲きますが、花を咲かせると株が疲れてしまいます。収穫を楽しみたいのであれば、つぼみのうちに摘んでしまいます。この時期に追肥もしておきます。
ニラの栽培方法:プランター
基本的には畑でもプランター栽培でも育て方は同じです。水はけをよくするなど気を付ければプランター栽培でもたくさん収穫を楽しむことができます。ベランダでも栽培できるのでお手軽です。
プランターでの種まきの方法
- プランターに鉢底石を入れる。(水はけをよくしておく)
- 培養土をプランターの上から3cmほどのところまで入れる。
- 12cmくらいの間隔でまき穴をあけ一つの穴に5~10粒ほどまく。
- まいたら種に土をかけて水をたっぷりかける。
長くたくさん収穫するために
- 芽が出たら1つのまき穴から7株くらいになるように手で抜いて間引きする。
- 1年めは株の成長を促すために収穫しない。収穫したい時は初夏の時期に1回だけにする。
- 寒くなったら枯れてくるので、枯れた葉を切り取り越冬する。
- 春になったら掘り起こして株分けをする。5~7本ずつにして植えかえる。
- 収穫→追肥→越冬→株分けを繰り返すと5年以上収穫できる。
出典:写真AC