ミョウガ(茗荷)の特徴
ミョウガ(茗荷)は、青じそやショウガなどと一緒に、ソーメンやソバの薬味にしたり天ぷらにしたりして食べられています。身近な植物の一つです。ここではミョウガの家庭菜園での栽培の仕方や、収穫のタイミングはいつか、収穫の季節や期間や日数、収穫の方法などを解説します。まずは、ミョウガの基本情報について見ていきましょう。
ミョウガの基本情報
基本情報
学名 | Zingiber mioga |
目 | ショウガ目 |
科 | ショウガ科 |
属 | ショウガ属 |
種 | ミョウガ |
和名 | ミョウガ |
英名 | Myoga |
原産地 | アジア大陸 |
ミョウガの種類
ミョウガには夏ミョウガと秋ミョウガがあります。収穫の時期の目安はいつ頃かというと、植えつけてから2年目頃です。このタイミングでたくさん収穫できるようになります。このうち、夏ミョウガは7月~8月頃までの期間収穫できるもの、秋ミョウガは9月~10月頃までの期間収穫できるものとされています。
ミョウガとミョウガたけ
ミョウガたけは、ミョウガの新しくできたばかりの花蕾に、土をかぶせたり細長い容器などで遮光したりして影を作り育てます。なかなかお店で見かけませんし、家庭菜園ならではのものですね。縦に細く長く伸びて30cm位になったものを食します。ほぼ真っ白に育つため収穫のちょっと前に囲いをはずし、日光に当てて表面が少々赤味を帯びたら収穫して食べるとよいでしょう。しかし、実際は全体的に緑になってしまったり、赤味がつかなかったりするなど栽培が難しいようです。
ミョウガの好む生育環境
ミョウガが好む季節は初夏から秋で、湿度がありやや明るい日陰で元気に育ちます。家庭菜園など自宅で栽培する場合は、明るい日陰になる場所を選んで植え、栽培するとよいでしょう。発芽する気温は最低気温が15℃くらい、最高気温が20℃くらいです。
ミョウガの香りの成分
ミョウガの香りの成分は、揮発性の芳香性があります。ミョウガを包丁などで切ったときにふわりと香る、すっきりとしたものです。しかし、揮発性がある匂いの成分のため、薬味など生で高い香りを楽しみたいなら食す直前などに調理することをおすすめします。
アルファピネンの効果
ミョウガの香り成分であるアルファピネン類には、発汗促進、生理不順や更年期障害の緩和、リラックス、生理痛の緩和、鎮静作用、咽頭炎や口内炎の緩和などの効果があるといわれています。健康を気にかける現代人にとって、嬉しい効果が期待できそうです。
ミョウガの主な栄養価
ミョウガは可食部100gに対して、95g以上が水分でできており、次いで食物繊維が約2g程含まれています。さらに、わずかですが、炭水化物、たんぱく質、灰分という順で栄養分を含有しています。また、ミネラルではカリウムが200mg以上含まれ、デトックスの作用も期待できます。
ミョウガの成長過程
早春(2月~3月頃)
この時期はミョウガの地下茎が少しずつ横に伸びていき、葉っぱの新芽が芽吹きの準備をしています。暖かな季節に入ると新芽を出します。地下茎の状態で植えつけをするならこの時期がよいでしょう。
初夏(5月~6月頃)
この時期は葉っぱの新芽が伸びていき、やがて土の表面に青々とした葉っぱが生えてきます。この時期は葉っぱが茂って栄養を吸収し、ミョウガの花蕾が生やる準備をしています。市販のミョウガのポットの苗などを植えつけるならこの頃がよいでしょう。
盛夏から秋(7月~10月頃)
葉っぱの根元の近くにやがて花蕾が生えてきます。これが食卓で食べられているミョウガです。ミョウガの1つの花蕾から、花が1つ咲いては1つしおれと、咲いたりしおれたりするのを繰り返します。花ミョウガは、1日で咲いて枯れてを花蕾の数(1つの花蕾に13個くらいついています)ほど繰り返し、いつの間にか開花期間が終了します。この花が咲くタイミングは、まだ花蕾が小さいうちからいつも見ておくと見逃さずにすむでしょう。
冬の様子
冬はミョウガの葉っぱは白っぽく枯れてしまいます。しかし、地下の根茎は生きています。やがて春が来て暖かくなると再び小さい芽を出します。
収穫できる年月
根茎や苗を1度植えると1年目なら9月頃に収穫でき、2年目からはたくさん収穫できるようになります。植えたままでも3~4年は植え替えをしなくても収穫できます。その後は根っこごと引き抜き、少し大きめの株の状態で根茎を切り分け苦土石灰などの土壌改良剤をまき、可能なら植えつけ場所を変えて植え替えてください。そうすることで再び収穫できるでしょう。
家庭菜園での育て方
ミョウガは夏の季節から家庭菜園でも簡単に収穫できます。育て方も比較的簡単で、初心者でもチャレンジできます。正しい育て方のポイントを押さえ、ぜひ挑戦してみてください。
地植えでの栽培と育て方
用意するもの
- 苦土石灰
- 野菜用培養土
- 元肥
- ミョウガの根茎(または苗)
- スコップ
育て方
地植えの場合は、まず、購入した根茎を地植えする1~2週間前頃に、苦土石灰などの土壌改良剤を適量まき、よく耕して畑の土を整えておきます。次に、元肥と野菜用培養土を混ぜてから、根茎の株の大きさよりも5cm程深めに穴を掘ります。根茎を入れて芽を上むきにし、株と株の間隔を20~30cm位あけて植えつけ、水をたっぷりかけてください。その後、時々追肥をします。土が乾いていたらたっぷり水やりをするとよいでしょう。
プランターでの育て方
用意するもの
- プランター
- 鉢底石(ゴロ石)
- 野菜用培養土
- 元肥
- スコップ
- 藁
育て方
プランターでも栽培できます。まず、深さ30cm位のプランターにゴロ石を2~3cmくらいに敷き培養土を少し入れます。ミョウガの根茎を入れ、その根茎の上に数cmくらいの深さに土をかぶせてください。ミョウガは根茎か苗の状態のポットを購入し根茎なら2月~3月頃、苗なら5月~6月頃植えつけます。苗で植えるならあまり深く植えないようにしましょう。
植えつけ後の手入れ
植えつけ後は乾燥から守るため、水やりをこまめに行う必要があります。また根元に藁や腐葉土を敷き詰め乾燥から守ってあげましょう。
その他の手入れ
根茎から芽を出し葉っぱがどんどん広がっていくと株間が密集してきます。少し剪定して空気の通りをよくしてあげましょう。まれに過湿で病気が出ます。あまりにも密集しているときは、剪定するとよいですね。
出典:写真AC