らっきょうとは
中国が原産とされるネギ科の植物で、5月から7月の初夏の時期に収穫されます。日本には平安時代に伝わり、当時は薬として使われていました。現在でも漢方薬として使用されていますが、一般的にはカレーの付け合わせなど、膨らんだ白い鱗茎(りんけい)部を食用とするほうが主です。
基本情報
分類 | ヒガンバナ科 ネギ属 |
学名 | Allium chinense |
別名 | オオニラ サトニラ |
原産 | 中国 ヒマラヤ地方 |
生活 | 多年草 |
花色 | 紫色 |
収穫期 | 5~7月 |
精進料理の禁葷食(きんくんしょく)
らっきょうは精進料理で禁じられている食材の一つです。仏教では「葷(くん)」と呼ばれる臭いの強い食材を禁じており、臭いの強い食材を食べると淫欲・憤怒が起こることが理由とされています。禁じられている食材を五葷といい、ほかにニンニク、ニラ、ヒル、ネギのことを指します。
特産地
鳥取県鳥取砂丘の「砂丘らっきょう」が有名ですが、鹿児島県吹上砂丘で採れる「砂丘らっきょう」、福井県三里浜の「花らっきょう」、徳島県の「鳴門らっきょう」が有名です。特に鹿児島県は鳥取県と収穫量で1位、2位を競うほどの収穫を誇っています。
沖縄県の島らっきょう
島らっきょうとは沖縄県独自の品種で、糸満市や沖縄北部の離島などが主生産地とされています。一般的ならっきょうと比べると、小ぶりで香りが強く、人気の品種ですが、一般的ならっきょうが甘酢漬けされるのに対し、島らっきょうは辛味が強いため、天ぷらなどに利用されます。
エシャロット
エシャロットは、らっきょうの別名です。らっきょうの収穫時期より早く収穫されたもので、軟白栽培したものを言います。味はらっきょうと同じですが、香りやクセが無いのが特徴で、こちらも人気の食材です。
らっきょうの選び方
初夏の時期に出回り始めたら、らっきょうの鱗茎(りんけい)がふっくらとし、芽の部分が伸びていないもの、それぞれの粒が揃っているものを選びましょう。らっきょうはすぐに鮮度が落ちやすく、鮮度が落ちると身が痩せてしまいます。身が痩せると食感が悪くなりますので、購入後はできるだけ早く加工しましょう。
洗いらっきょうと根付きらっきょう
洗いらっきょうとは、あらかじめ根を切り取り、塩水で芽の成長を止めたものです。下処理が施されているのですぐに加工できます。根付きらっきょうは、収穫後に少し根と芽を残して出荷されたものです。根付きらっきょうの方が、購入後に根や芽を切り取る手間はありますが、身がしまって美味しいです。
ボタ爺
次のページからは、いよいよらっきょうの漬け方を紹介するぞ。