ねぎぼうずとは
寒い冬が終わり春になるとねぎの頭に生えてくるねぎぼうず。畑の横をお散歩中にねぎぼうずをみつけて気分がほっこりしたりしたことはありませんか?そのまんまるのフォルムやふんわりとした雰囲気はとてもかわいらしく、まるでたんぽぽの綿毛のようで、寒い冬から春を迎えて気持ちまで暖かくなります。あまり意識をしたことがない方も多いかと思いますが、このねぎぼうずにはどのような役割があり、ネギや芽ネギのように食べられるのでしょうか?そんな少し気になる存在のねぎぼうずについてご紹介します。
ねぎぼうずの特徴
ねぎぼうずの花
ねぎぼうずは小さな6弁花が数十~数千ほど集まり球状になって咲くネギの花です。ネギは葉だけをはさみで切り、数日するとまた生えてくる丈夫な植物ですが、ねぎぼうずができるとネギの成長は止まり、葉はもうでてきません。花が咲いてから2カ月ほどするとやがて茶色く乾燥して黒い種ができます。そのままにしておくと自然と土にとびますが、収穫して保存することもできます。ネギの種はとても丈夫で3年ほど保存が可能です。
ねぎぼうずができるネギについて
ねぎぼうすができるネギの基本情報をみてみましょう。ネギはユリ科のネギ属で原産地は中国西部、中央アジアになります。日本でも各地で栽培され出荷量は1位、千葉県、2位、埼玉県3位、茨城県で関東地方の県がほぼ半数をしめています。
和名 | ネギ |
英名 | Welsh Onion |
学名 | Allium fistulosum L. |
原産地 | 中国西部、中央アジア |
分類 | ユリ科ネギ属 |
発芽地温 | 20℃前後 |
生育適温 | 20℃前後 |
地域によって異なる名称
東日本ではネギといえば、陽に当てないようにして栽培する強く太く白い根深ネギが一般的な名称で、その他の細身で緑色の部分が多いネギはワケギ、あさつき、万能ねぎねどの固有の正式名称で区別されています。一方で西日本では、陽に当てて作った細い葉ネギを青ネギと言う名称で呼び、根深ネギは白ネギ、ネブカなどの名称で呼ばれます。
芽ネギからねぎぼうずまで
ネギはそれぞれの成長段階で食べることができます。私たちになじみ深いスーパーで売られている成長したネギだけでなく、芽ネギやねぎぼうずも栄養があり、食事のアクセントにぴったりです。
芽ネギってなに?
発芽して間もない赤ちゃんネギのことを芽ネギといいますが、この芽ネギは流通量がすくなく、マイナーな食材なのでスーパーなどで見かけることはあまりありません。食べ方としては寿司ネタに使われることが多く、ほんのりした辛味と苦みが好きな方も多いかと思います。さっぱりとした味なのでお口直しにもちょうどいい寿司ネタですね。
ねぎぼうずの栄養
ねぎぼうずにはどのような栄養素があるのでしょうか?みなさんになじみのあるネギは独特の苦み、辛味、風味をもち、なべ料理や炒め物、薬味などにも大活躍の食材です。肉と一緒に煮込むと肉の臭みとりにもなります。栄養価も高く昔は病気を治す力があると信じられていたほどです。ねぎぼうずにもネギと同じ栄養素があります。主な栄養成分は5つで、その作用をみると、健康だけでなく美容にも良いことがわかります。
①アリシン
硫化アリルとも呼ばれます。ネギを切ったときに目にしみる成分が飛びますが、それがこのアリシンでネギ独特の辛味や香りのもとです。血行促進作用があるため、身体を温めて発汗が促されます。消化器官の働きがよくなり、食欲増進も増進されます。
②ビタミンC
抗酸化作用(老化の原因となる余分な活性酸素の抑制)、メラニンの抑制、コラーゲンの生成などの働きがあり、アンチエイジングの助けになります。また、鉄分の吸収を助ける働きもあり、抗ストレスとなる副腎皮質ホルモンの生成を促す効果もあります。
③カルシウム
骨や歯の健康を保ち、イライラを軽減させて精神的な安定にも作用します。骨粗しょう症、腰痛、肩こりの予防にもなります。止血や筋肉運動、神経の働きにも関係していて健康を維持するのに大切な栄養分です。
④βカロテン
Bカロテンはネギの青い部分に含まれていています。抗酸化作用に優れていてアンチエイジングに役立ちます。体内でビタミンAに代わり皮膚や髪などを健康にする作用があります。また目の疲労回復にも効果があるとされていいます。
⑤ネギオール
ネギオールはネギ特有の栄養素です。殺菌作用があり、ウィルスや菌を抑制し、発汗作用、解熱作用もあるため風邪の予防に効果的です。ウィルスから体を守り健康を保つための食材としてとりいれたいですね。
出典:写真AC