浄土式庭園の名所⑥~⑩
⑥浄瑠璃寺庭園(じょうるりじていえん)
浄瑠璃寺は京都府最南端にある国宝寺院で、日本庭園は国の特別名勝に指定されています。庭園の作庭は1150年にまで遡り、訪れるたびに歴史を感じさせる発見を楽しめるのが魅力です。西に本堂を置くことによって、西方極楽浄土の世界が表現されています。春分と秋分には、太陽が三重塔から昇り阿弥陀堂に沈むように設計されており、そこも見どころのひとつです。
ボタ爺
ボタニ子
浄瑠璃寺は京都にあるけど、ほぼ奈良県との県境に位置するの。奈良の東大寺や円成寺とも近いから、あわせて観光するのもおすすめ!
⑦円成寺(えんじょうじ)
円成寺は、奈良時代~平安時代に創設された寺のひとつで、国指定名勝に登録されています。ちなみに円成寺は「圓成寺」とも表現されます。門を入るとすぐに池が広がり、見上げるような高い場所にある楼門はどこか神秘的な印象です。現在はありませんがかつては中島には反橋と平橋がかけられており、橋を渡りきることで極楽浄土に辿り着くイメージになっています。
ボタ爺
池の周りには、たくさんの木々が植えられておるんじゃ。まるで森の中にいるような心地よい空間はなんとも魅力じゃよ。
ボタニ子
秋の紅葉はもちろんだけど、初夏の新緑の時期もとてもさわやかでおすすめだよ!
⑧法金剛院(ほうこんごういん)
法金剛院は平安時代に住居として創設され、日本庭園も同じ時期に作庭されました。「ハスの寺」とも呼ばれるだけあって、夏には世界から集められたさまざまなハスが咲き誇ります。州浜には大きさを揃えた石が用いられ、落ち着いた雰囲気が魅力的です。庭園奥の「青女(せいじょ)の滝」は日本最古の人工滝ともいわれ、特別名勝に指定されています。
ボタ爺
池にはハスだけでなく、周りにはイロハモミジが植わっておるんじゃ。夏は青葉、秋には紅葉も楽しめるぞ!
⑨龍泉寺庭園(りゅうせんじていえん)
京都や奈良に多く見られる浄土式庭園の中でも、唯一大阪にあるのが龍泉寺庭園です。龍泉寺は飛鳥時代に推古天皇の命で蘇我馬子が建立した寺で、庭園も鎌倉時代に作庭されたとされ、どちらも古い歴史があります。極楽浄土を思わせるハスが植えられた池には3つの中島が浮かんでおり、中央の中島にある祠(ほこら)には弁財天が祀られています。
ボタニ子
歴史や趣は深いけどコンパクトな庭園だから、回遊するには物足りなさを感じる人も多いみたい。浄土式庭園に詳しい方にぴったり!
⑩称名寺(しょうみょうじ)
称名寺は鎌倉時代に建設された北条氏ゆかりの寺で、戦火を免れたこの浄土式庭園は、特に関東で貴重なものとされています。称名寺の定番ショットともいわれるのが、中島を渡すみごとな朱塗りの反橋です。入り口にある仁王門を抜けると阿字(あじ)池と呼ばれる池があり、橋そのものと水面に映し出される橋の朱色があわさると、幻想的な世界が広がります。
ボタニ子
桜の季節に訪れると、さらに美しい景色が広がるよ!モミジやイチョウの紅葉がきれいな秋の訪問もおすすめだよ!
浄土式庭園を見に行こう!
浄土式庭園は、日本庭園の中でも回遊式庭園として親しまれおり、歴史の香りや趣に包まれたすてきな空間が魅力です。発掘や修復を繰り返すことで、平等院を始め数多くの浄土式庭園が日本各地に残されています。広い庭園をゆっくりと散歩するのは、とても気持ちがよいものです。それぞれの庭園の歴史や特徴を学び、ぜひ実際に訪れて歴史に思いを馳せてみてくださいね。
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細い石や州浜など、石を上手に使った庭園づくりが魅力なんじゃ。本堂や三重塔は国宝に指定されているから、ぜひ一緒に見てみるんじゃよ!