ビックリグミとは
ビックリグミとは、ナツグミの変種、トウグミの一種です。グミの中でも大粒の実がなるトウグミの、さらに大きな品種のことを指します。また、ダイオウグミという別名があります。甘くて大きく、赤い実がなるのが特徴です。葉と実には産毛のような細かい毛が生えています。
ビックリグミの基本情報
ビックリグミの植物学的な位置など、おもな特徴を下にまとめました。
科 | グミ科 |
属 | グミ属 |
木の種類 | 落葉低木 |
樹高 | 3m程度 |
花色 | 淡黄褐色 |
耐寒性 | あり |
ビックリグミの成長
ビックリグミは成長が早く、丈夫で育てやすい植物です。花はたくさんつきますが、果実は付きにくく、苗木から育てるときには、植えつけてから収穫までに3~4年かかります。また、場合によってはさらに年月を要することもあります。
ビックリグミの花言葉
ビックリグミの花言葉は「心の純潔」「用心深い」「野性美」です。
ボタニ子
グミって外国からきたのかな?日本語じゃないよね。
いいや、勘違いされがちだけど、グミという名前は大和言葉、つまり昔の日本語だよ。お菓子のグミとは無関係さ!
ビックリグミの葉
ビックリグミやトウグミと、ナツグミの葉の外観はよく似ています。では、どうやってナツグミと見分けたらいいのでしょうか。実は見分け方は簡単で、ナツグミの葉には鱗状毛という構造があり、これに対してトウグミやビックリグミの葉には、星状毛があります。
ビックリグミの開花時期
ビックリグミの開花時期は、3月~4月です。淡黄褐色の可愛らしい小さな花を咲かせます。開花時期に上手く受粉すると、夏には美味しい実を収穫することができます。
ビックリグミの花
ビックリグミの花は密集して、たくさん付くのが特徴です。しかしながら、開花したのに結実したものが少ない場合は、上手く受粉できていない可能性があります。
ビックリグミの受粉
ビックリグミは自家不結実性です。このため、1本だけ植えても、同じ株の花粉から受粉することができません。もし自身の花粉が付いたとしても、果実として熟す前に自然落下してしまいます。この対策として、2株を植える際にも、同じ品種を植えた場合は同じ現象がおきます。受粉させるためには受粉樹が必要です。ナツグミやアキグミなどの別品種を受粉樹として一緒に植えましょう。
鉢植えなどで1本だけ植える場合
苗木を1本しか植えないけど、実は食べたい、というときは通常は人工受粉をするところですが、ビックリグミは自家不和合のため、同じ株からとった花粉では上手くいきません。そういったときは、ジベレリン処理をすると実がつくことがあります。
ビックリグミの実
ビックリグミの実は大粒で柔らかく、甘くてトロリとした食感が特徴です。しかしながら、柔らかすぎて掴むときに少し力を入れすぎると、つぶれてしまいます。また実の中には、虫が入り込んでいるものもあるので、食べるときには気をつけましょう。
完熟していない実には渋みがある
ビックリグミの実には、タンニンという成分が含まれているため、未熟なときには渋みが強くて食べることはできません。ただし、完熟すれば渋みは消え、自然と甘くなります。
ビックリグミの収穫時期は
ビックリグミの収穫時期は6月~7月頃です。グミの中でも甘くて大粒の美味しい実を収穫できます。苗の成長は早くて枝はよく伸びますが、結実しにくい品種です。しかし、上手く実をつけることができれば、果実はそのまま食べることもできますし、ジャムやグミ酒に加工することもできます。
ビックリグミとレモンでジャムにもできる
材料 | 分量 |
ビックリグミ | 600~700g |
砂糖 | 200g程度 |
レモン | 大さじ1 |
水 | 適量 |
ジャムの作り方
- グミの実をきれいに洗う
- 鍋にたっぷりの水を沸かす。
- 沸騰したらグミの実をいれ、1分半~2分程度茹でる
- 水を捨て、グミの実をザルにあげる。
- 木ベラなどでグミの実をつぶして種とわけ、鍋に実だけを取り出す。
- 鍋で弱火でかき混ぜながら煮て、砂糖を少しずつ入れる。味を見ながら甘味が足りない場合は砂糖を追加する。
- 粘り気がでてきたら完成。最後に火を止めて、レモン果汁を加える。
レモン果汁の効果
ジャムにレモン果汁を加えることにより、ほどよい酸味を加えることができます。ただし、レモンはさっと絞るだけにしましょう。あまり絞りすぎると、皮の苦みまで出てしまいます。
まとめ
ビックリグミは成長が早く、耐寒性があり乾燥にも強いため、植物をあまり育てたことのない初心者にも適した植物です。果実は痛みやすく、ほとんど市場には流通していませんが、苗はホームセンターなどで購入できます。ぜひ苗から育てて、大型の実を味わって見てくださいね。
出典:写真AC