マツブサとは?
マツブサは主に日本や中国の山林や丘陵地に自生しているアジア固有のつる性の樹木の一種です。
マツブサの基本情報
学名 | Schisandra repanda(シサンドラ・レパンダ) |
和名 | マツブサ |
科名/属名 | マツブサ科/マツブサ属 |
分布地 | 北海道から九州、中国や韓国の一部地域(済州島など) |
開花時期 | 6~7月 |
マツブサの名前の由来
マツブサは別名ウシブドウとも呼ばれることもあります。名前の由来は、果実が葡萄の房のような形をしてつるから垂れ下がるように黒い熟した実をつける姿から、ウシブドウと名づけられました。また漢方では葉っぱや茎の部分を生薬名で松藤(ショウトウ)と呼ばれています。
マツブサの特徴
マツブサは高さ約5m程のつる性の落葉樹木で、主に山林や丘陵地帯に自生しています。初夏には淡い黄色の花を咲かせ、秋には葡萄に似たような果実が実ります。
葉
葉の表面の色は濃い緑をしており、裏側は薄い緑色です。葉のサイズは、約2~6cm程で葉幅が3~5cmの長楕円の形状をしています。葉の側脈は4~6対で脈が表面部分は平らです。
樹皮
マツブサは縦にひびの入った松の樹木に酷似した樹皮が特徴的です。樹皮は比較的頑丈なコルク質で全体が覆われています。つるは左巻きで樹皮を傷つけると、ほのかに松脂の香りが漂ってきます。
花
マツブサは6~7月に開花時期を迎え淡い黄色の可憐な花が枝から垂れ下がるように咲きます。花は大きさは直径約1cmと小ぶりです。
果実
マツブサは9~10月頃になると黒紫の葡萄にそっくりな外見の液果の果実が実ります。大きさは約7~10cm程で花床が伸びて房状となり、そこに実がいくつも付けて1つの集合果となるのが特徴的です。
マツブサの薬効
マツブサは古くから漢方薬の原料としても活用されてきました。他にも信州の箕輪町のようにマツブサを使ってワインやジャムなどに加工して特産品として販売している所もあります。
マツブサの成分
マツブサの中には、ベータピネン、ボルネオール、セスキテルペン、カジーネンなどの健康成分が含まれており滋養強壮の薬としても重宝されてきました。
マツブサの健康効果
マツブサは漢方薬としてもポピュラーな植物で、松藤(ショウトウ)などとも呼ばれ入浴剤やお茶などにして利用されています。
マツブサの温熱効果
マツブサの乾燥させた茎葉の部分は鎮痛作用や皮膚を刺激して血行を促す作用があり、神経痛、冷え性などの改善に効果的です。乾燥した茎は布袋などに適量を入れて1回煮沸してからお風呂に入れると身体の芯までよく温まります。
マツブサの抗酸化力
マツブサの熟した果実には豊富なアントシアニンの含まれており眼精疲労に効果的です。また高い抗酸化力もあるため、活性酸素の生成を抑制する働きがあるといわれています。ワインや35度ホワイトリカーに3~6か月ほど漬けて、熟成させると 酸味や樹脂香のあるさわやかな辛口の美味しい自家製の果実酒を味わえます。
まとめ
マツブサの紹介は以上ですが、いかがでしたでしょうか。天然に自生するマツブサの樹木を見る機会は少ないかもしれませんが、食用や漢方では、意外と身近な存在の植物です。もし登山やトレッキングに行くことがあれば、ぜひ探してみてください。