ルリタマアザミは見た目のインパクトに特徴がある草花で、花壇のメインフラワーにもなりますし寄せ植えにするのもおすすめです。アレンジメントの花材にも人気ですが、そのままでもドライフラワーとして使えるので、花後も長く楽しめます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 丸い |
樹高・草丈 | 50~150cm |
花の色 | 紫、青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや強い |
特性・用途 | 鉢植え、庭植え |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ルリタマアザミの特徴は、インパクトのある見た目にあります。花はアザミのようなトゲがありつつ丸い玉のような形をしています。ルリタマアザミの花の色は瑠璃色または紫色、葉や茎は白緑色なので神秘的かつインパクトのある見た目が人気です。
名前の由来は、和名と西洋名にそれぞれあります。和名の「ルリタマアザミ」は、アザミのようなトゲと瑠璃色の丸い花を咲かせることが由来です。西洋名の「エキノプス(Echinops)」は、ギリシャ語でハリネズミの意味を持つ「エキノス」に由来します。
エキノプスは、「エキノプス・リトロ種」から作られたルリタマアザミの園芸種です。美しい紫の花を咲かせるのが特徴で、路地栽培だと草丈が1m以上になることがあります。生育環境が整っていれば育てやすいですが、中級以上の栽培レベルが望ましいです。
バナティクス・バター・フラストは、花の色が白いのが特徴の園芸種です。草丈は大きいものでも80cm前後なので、鉢植えでも栽培しやすいです。花は夏のアレンジメントに人気がありますがやや栽培レベルが高いので、初心者よりも中級レベル以上におすすめです。
ルリタマアザミは、成長カレンダーに従って栽培作業を進めていくのがポイントです。非常に耐寒性が強いの、冬越しで失敗することはほとんどありません。高温多湿の夏に開花時期を迎えますが、高温多湿が苦手なため夏の時期に枯らしやすいです。そのため初心者は、栽培カレンダーを目安に手入れを進めるようにしましょう。
植え付け時期 | 春、秋 |
春植えの時期 | 5月初旬~6月中旬 |
秋植えの時期 | 9月中旬~9月下旬 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月初旬~9月中旬頃 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
● | ● | ○ | ○ | ||||||||
開花期間 | ● | ● | ○ | |||||||||
肥料 | ○ | ● | ○ | ○ | ||||||||
成長期 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | |||||
休眠期 | ● | ● | ○ | ○ | ● | ● |
ルリタマアザミは日当たりのよい場所を好むので、栽培適期は日照時間の長い春~夏です。ただしルリタマアザミは高温多湿は苦手なので、夏に高温となる地域では夏枯れすることもあります。このような地域では秋に種蒔きし、冬越しをさせて翌年の春に発芽させるほうがよいです。
ルリタマアザミの育て方のポイントは、栽培環境を整えることです。初心者でも比較的失敗せずに栽培できる植物ですが、栽培用土や育てる場所を正しく選ばないと病害虫の被害を受け、「花が咲かない」「夏枯れする」などが起こりやすいです。
ルリタマアザミの栽培方法は、鉢植え・庭植えのどちらでもOKです。生育環境が整っていれば草丈が1m以上になるので、庭に地植えすれば夏のメインフラワーとして楽しめます。鉢植えの場合はプランター・植木鉢のどちらでも構いませんが、冬に10℃以下まで気温が下がる地域では、管理がしやすい植木鉢がおすすめです。
ルリタマアザミを育てる場所は、屋内・屋外ともに日当たりのよい場所を選びます。耐寒性が強いので屋外で育てても問題ありませんが、耐暑性はやや弱く夏の高温多湿が苦手です。そのため夏に高温多湿になりやすい地域では鉢植えにし、環境の変化にあわせて育てる場所を変えると夏枯れを防げます。
ルリタマアザミは湿度の高い土では夏枯れを起こしてしまうため、用土は鉢植え・地植えともに通気性のよい用土を準備します。地植えの用土は腐葉土と中粒のパーライトを混ぜると、根が張りやすい用土ができます。鉢植えの場合は、基本用土に苦度石灰を全体の1割程度加えるのがおすすめです。
春に植え付け・種まきをし夏に開花時期を迎えるルリタマアザミは、生育期間中の管理の基本ができていれば初心者でも栽培できます。ルリタマアザミの管理は水やり・肥料・病害虫対策の3点がポイントで、これらがきちんとできていれば初心者でも失敗しません。
ルリタマアザミの水やりは、植え付け後と高温期でポイントが違います。植え付けからある程度成長するまでの水やりは、「土の表面が乾燥したらたっぷり水やり」が基本です。ただし高温期にたっぷり水やりをすると湿度の高い土になるため、水やりのし過ぎに注意しましょう。
ルリタマアザミの肥料は有機肥料でもよいですが、緩効性の化学肥料のほうが使いやすいです。肥料を施すタイミングは植え付け前・生育期・花後の3回ですが、いずれの場合も肥料は苗から少し離れた場所に施します。ルリタマアザミは土の成分の変化に敏感な植物なので、根元に肥料を施すと枯れる原因になります。
ルリタマアザミは、害虫の被害を受けやすい植物です。主な害虫にはアブラムシ、アザミウマ、カメムシ、エカキムシなどがいますが、高温多湿の状態が続くとカタツムリ、コナジラミ、ナメクジ、ヨトウムシなどが大量発生することもあります。
高温多湿の夏に生育期を迎えるルリタマアザミは、カビ菌が原因となる病気が発生しやすいです。発生しやすい病気はうどん粉病、立枯病、灰色かび病、斑点病で、発症した部分を剪定せず放置すると全体に広がってしまいます。そのため症状が見つかった場合は早めに剪定し、病気の早期治療を行いましょう。
ルリタマアザミは用土と高温多湿に注意すれば、基本的に初心者でも栽培ができます。ただし種まきのタイミングや冬越し中のお手入れ、増やし方についてはルリタマアザミならではの特徴があるため、特徴にあった栽培方法を意識することが失敗しないコツです。
ルリタマアザミは苗を植える方法が一般的ですが、種まきで育てることもできます。種まきのタイミングは春・秋の2回ですが、20℃以下では発芽しないため気温に注意しましょう。育苗は日当たりのよい場所を選びますが、雨が多いと土が多湿気味になります。そのため屋外で育苗する場合は、雨よけできる場所がおすすめです。
ルリタマアザミを屋内で栽培するなら、初心者でも秋の種まきがおすすめです。植え付けまでは育苗ポットを使いますが、ヒーター付きの育苗セットを準備すれば発芽適温である20℃をキープできます。エアコンなどの暖房器具で室温を発芽適温に上げる場合は、土が乾燥しないように注意しましょう。
多年性のルリタマアザミは、冬越しして翌年に再び生育期を迎えます。耐寒性が強いので雪が降る地域でも-10℃までなら地植えで問題ありませんが、冬に寒さを体験させたほうが翌年の花つきがよくなるためできるだけ屋外で冬越しさせましょう。
ルリタマアザミは「種まきでの増やし方」「株分けでの増やし方」があります。中でも初心者が失敗しにくいのが、株分けでの増やし方です。株分けは植え替えの際に行うのがおすすめで、親株を2~3株に分けて行います。なお植え替えは3~5月に行うと、根がつきやすいです。