アロエとは
「医者いらず」の別名を持つアロエ。実は、非常に多くの種類があり、丈夫で育てやすいため園芸好きの方に人気があります。形や葉模様がさまざまで、美しい種類も多くコレクション性も高い植物です。まずは、そんなアロエの特徴やおすすめの種類を紹介していきます。
アロエの基本情報
科名 | ツルボラン科 |
属名 | アロエ属 |
原産地 | 南アフリカ、アラビア半島 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
生育期 | 春~秋(真夏を除く) |
アロエの仲間
アロエは、南アフリカやアラビア半島、マダガスカルを中心に約500種類以上が存在します。葉を横に広げるような種類から、高さ10m以上に育つ木立ち性のタイプまで実に種類が豊富です。その中でも、おすすめの5種類をご紹介します。
キダチアロエ
キダチアロエは、多くの方がイメージする、古くから玄関先などで栽培されている非常に丈夫なアロエです。生育も旺盛な種類で、初心者でも安心して栽培できます。関東以西では屋外で冬越しができ、地植えも可能です。状態がよいと大きくなりすぎることもあるため、こまめに剪定しましょう。
千代田錦
古くから栽培されているアロエで、葉っぱの濃い緑と、白い模様のコントラストが美しい品種です。その見た目から、英名では「タイガーアロエ」と呼ばれています。あまり大きくなりすぎず、室内でも育てやすいです。春になると、オレンジ色の花を咲かせます。
ポリュフィルラ
ポリュフィルラは、「スパイラルアロエ」の別名を持ち、大きく成長するとらせん状に渦巻くのが特徴です。高山性で暑さが苦手のため、一昔前までは、育てるのが難しい種類とされていたのです。しかし、近年は栽培技術も進歩しました。風通しをよくし、日当たりのよい場所で栽培すれば通年屋外で育てられることがわかってきたのです。
プリカチリス
扇状に広がる多肉質の葉が特徴的な大型の種類で、「乙女の舞扇」の名前でも流通しています。成長が遅く、1年でわずか2cmほどしか大きくなりません。しかし、幹立ちした姿は独特の雰囲気を醸し出すため、ファンが多い品種です。春になるとオレンジ色の花を楽しめます。
クリスマスキャロル
アメリカで作出された交配種で、赤みを帯びた紫色の葉っぱが特徴的なアロエです。秋になると全体が真っ赤に染まり、非常に美しい姿で目を楽しませてくれます。日当たりが悪いと、赤い発色がくすんでしまうため、日当たりのよい場所で育てるのがポイントです。
アロエの育て方
アロエの育て方①用土
多湿な環境が苦手なアロエは、水はけのよい用土が適しています。初心者は、市販の多肉植物用や観葉植物用の用土を使用するのが一番手軽でおすすめです。ご自身で配合する場合は、赤玉土、鹿沼土、軽石を2:2:1で配合した用土をベースに、栽培環境やスタイルに合わせて、比率を調整してください。
アロエの育て方②鉢
アロエはそれほど鉢にこだわらなくても育てられますが、特におすすめなのはプラスチック鉢です。プラスチック鉢は見栄えは美しいと言い難いですが、内部の温度が上がりやすく、アロエの成長を促してくれます。また、見た目を重視するのであれば、陶器の鉢もおすすめです。お気に入りの鉢でアロエを育てれば、愛着もひとしおでしょう。
種類によっては地植えも可能
キダチアロエやアロエベラなど丈夫で耐寒性が強い種類は、地植えも可能です。地植えにすると成長が早く、鉢植えより早く大きくなります。大きく迫力のある姿は、鉢植えのアロエとはまた一味違った魅力があります。スペースがあれば、ぜひ地植えも楽しんでみてください。
アロエの育て方③植え替え
植え替えの時期
アロエの植え替え時期は、生育期の前半に当たる4~5月、9月頃が適しています。特に秋の生育期は、植え替えの時期が遅くなってしまうと、十分に根っこが活着する前に冬の休眠期を迎えてしまいます。枯れる原因となってしまうことがあるため、注意してください。
植え替えのタイミング
アロエは成長がそれほど早くないため、他の草花の鉢植えや、観葉植物のように毎年植え替えをする必要はありません。しかし、植え替えを怠ると根詰まりをして枯れやすくなるため、2~3年に1度は植え替えましょう。また、鉢に対してアロエが大きくなりすぎた場合は早めの植え替えをしてください。
アロエの育て方④植え方
まず、鉢に鉢底石を入れ、用土を1/3程度入れます。その上に粒状肥料を入れ、さらに用土を足します。アロエが中心になるように手で支えながら用土を足して植えます。肥料に直接根が触れないように注意しましょう。最後に割りばしなどを用土に挿し、土と根をなじませたら完成です。
植え替え後の手入れ
植え替え後は、明るい日陰で1~2週間ほど管理し、その後通常の場所へと移動して水やりを再開しましょう。植え替え後のダメージがある段階でいきなり直射日光に当てたり、水やりをしたりすると弱ってしまうことがあるため、注意してください。
地植えの植え方
地植えの場合も、基本的には鉢植えの植え方と同じです。まず、植え付ける場所に、根の長さより深い穴を掘ります。穴の底に粒状肥料をまき、少し用土を被せた上にアロエを支えながら用土を足していきましょう。
アロエの育て方⑤肥料
真夏を避けた4~11月の生育期に、10日に1回程度の頻度で液体肥料を与えましょう。もしくは、緩効性の粒状肥料を、生育期の始め頃に土の上に転がしておきます。粒状肥料はアロエに直接触れないように注意してください。液体肥料の場合は水やりを兼ねられますが、あまり定期的に手入れをできない場合は、粒状肥料を使用すると手間がかかりません。
アロエの育て方⑥置き場所
春~秋の置き場所
生育期であるこの季節は、日がしっかりと当たり、風通しのよい場所に置きましょう。しかし、真夏に高温になりすぎてしまう場所は注意が必要です。直射日光が当たり、高温になりすぎる場合は空調の効いた室内に取り込むと安心できます。また、普段は雨に当ててもよいですが、梅雨の時期は雨の当たらない場所に移動させましょう。
冬の置き場所
アロエは耐寒性が強い種類が多く、凍結しない環境であれば屋外でも越冬が可能です。しかし、霜があたると葉が傷むことがあるため、日がしっかり当たり、霜が避けられる軒下などがおすすめです。万が一葉の縁が傷んできたら、室内に取り込みましょう。室内に置く場合は、日当たりのよい南向きの部屋が最適です。
アロエの育て方⑦水やり
乾燥に強く、水やりが多少不足しても枯れることはありませんが、その反面、高温多湿には弱いため、水やりのし過ぎには注意しましょう。春~秋の時期は1週間に1度程度を目安に、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。たっぷり水やりをして、鉢内の老廃物を流しましょう。
冬はほぼ断水する
気温が5℃を下回る時期は、アロエは休眠状態となり、ほとんど活動しません。水やりをしてもアロエが吸い取らず、ずっと鉢の中が湿った状態になってしまいます。そのため1カ月に1度程度、軽く土が湿る程度で充分です。大きな個体であれば、一冬中断水しても大丈夫です。
出典:写真AC