はじめに
身近で手に入りやすく、育てやすさとその独特のフォルムで、インテリアから本格的なガーデニングまで、幅広く楽しまれている多肉植物。その中でも、まさに多肉植物らしいプクプクとした葉、それらが重なり合った花のような形、そして初心者にも管理しやすく失敗が少ないことなどから、グラプトペタルム秋麗が人気を集めています。今回は、そんなグラプトペタルム秋麗の特徴と育て方、注意点などを紹介します。
グラプトペタルム秋麗ってどんな植物?
その名前はなかなか聞き慣れない人も多いかもしれませんが、グラプトペタルム属の多肉植物は、多くのお店や道端などでも見かけることが非常に多くなり、実はとても身近でポピュラーな植物なのです。では、その葉や花の色や形には、どんな特徴があるのでしょうか?
グラプトペタルム秋麗の基本情報
秋麗(しゅうれい)は、ベンケイソウ科、グラプトペタルム属の品種のひとつです。特徴的な肉厚の葉に水分を蓄えており、丈夫で初心者にも育てやすい多肉植物です。そのたくましさは、屋外に出しておいたらいつの間にか大きく成長していた、なんて言う声も聞こえてくるほど。葉は細長く伸び、通常は淡い緑色をしていますが、秋〜冬はほんのりピンク色に紅葉します。
グラプトペタルム秋麗の特徴
秋麗の葉の特徴は、やはりその肉厚さです。さらにその葉をよく見ると、うっすらと白い粉をまとっており、大きく重なるように成長するたくましい葉を、美しく飾っています。また、ニョキニョキと花芽を伸ばして、小さくて黄色い、可愛らしい花を咲かせます。寄せ植えするときにも、存在感があってとても人気がある多肉植物のひとつとなっています。
成長の季節
主な成長期は、多くの多肉植物と同じで春や秋となっておりますが、特に成長スピードが早いのが特徴です。背丈が縦に伸びたり葉が大きくなったり、わかりやすくその成長を感じられます。ただし、夏の強い日照りや、冬の凍ってしまうほどの寒さにだけは注意が必要です。
グラプトペタルム秋麗の仲間
グラプトペタルム属の多肉植物は、秋麗以外にもたくさんの種類があります。例えば、朧月やブロンズ姫、ペンタンドルムなど、よく見かけるものからレアなものまでさまざまです。姿形は少しずつ違うものの、その葉に注目して見てみると、どれも秋麗の仲間たちであることがわかります。
グラプトペタルム秋麗の育て方
適した環境
管理場所
秋麗は、日当たりの良い場所を好みます。屋外でしっかり日光に当てて育てると、丈夫に大きく育ちやすいでしょう。また、日光が不足してしまうと徒長しやすいとも言われているため、管理するうえで、日当たりは大切な生育条件です。基本的には1年中屋外で育てられますが、日差しが強すぎる真夏の時期は、直射日光が当たりすぎないよう、半日陰に置くのもおすすめです。
管理場所における注意点
日当たりが悪い環境や、風通しの悪い場所に置いていると、根腐れや病気、虫がつく原因になってしまいます。多肉植物用の土でなくても育てることはできますが、なるべく水はけのよい土に植え、鉢植えの底は穴が開いているものを使用して蒸れを防ぎ、雨などでも水浸しにならないよう注意しましょう。
水やり
土がしっかりと乾いてから、1ヶ月に1〜2回を目安に水をあげるとよいでしょう。常に土が湿っている状態では、根腐れしやすくなってしまうため、水のあげすぎには注意が必要です。肉厚の葉に水分を溜めているため、乾燥してからの水やりでじゅうぶんです。また、成長しやすい春や秋と比べ、夏と冬は成長しにくい時期になるため、水やりは特に控えめにしましょう。
グラプトペタルム秋麗の増やし方
増やし方は、種類によって異なりますが、多肉植物の大きな魅力のひとつは、「葉っぱ1枚から新たな命が芽吹く」ということではないでしょうか。花や観葉植物ともまたひと味違った、独特な魅力ですよね。では実際に、秋麗はどのようにして増やすのでしょうか?詳しく増やし方をみていきましょう。
葉挿し
秋麗は非常に増やしやすい多肉植物です。その方法は、葉を土の表面に挿す、葉挿しという増やし方が一般的となります。植え替えのときにポロっと落ちた秋麗の葉から、いつの間にか発芽していた、なんてこともあるくらいたくましく増えていきます。
葉挿しでの注意点
葉をなるべくきれいに切ったあと、すぐに土に挿さないようにしましょう。切った部分(切り口)を数日間乾かしてから土に挿すことが、葉挿しを成功させるポイントです。また、そのあとは根が出てくるまで、水をあげないようにしましょう。増やす時期は植え替えと同様に、春や秋が植物に負担がかかりにくいため、おすすめです。
まとめ
グラプトペタルム秋麗の特徴と育て方について、紹介しました。なにかと忙しい時でも、ひっそりとたくましく育っていてくれる多肉植物には、癒しや元気をもらっている人も多いのではないでしょうか。さらに、日々愛情を持って育ててきた秋麗が、秋には紅葉して、春には花を咲かせてくれたら、仕事で疲れた心もホッと幸せな気分になりますね。ちょっとだけコツをおさえて、ぜひ気軽に育ててみてはいかがでしょうか。