デンドロビュームの株分けの仕方
生育が良く新芽が鉢の壁から出てしまう場合や、バルブが増えすぎてしまった場合は株分けが必要になります。また株を増やしてすぐにたくさん花も見たい場合は株分けが最適な増やし方です。株分けに適した時期や必要なものは植え替えの時と同じですが、手順が少し増えますので説明します。
株分けの手順
1.鉢から出し根を整理する
鉢からの出し方や水ゴケや根の整理の仕方は植え替えと同じです。株分けの度合いによって鉢の大きさや数も変わるので、様々な大きさで複数用意しておくと作業がしやすいです。
2.株を切り分ける
1株に新芽とそれにバルブが最低3本はつくようにハサミで切り、それに合わせて根鉢にもハサミを入れて株分けます。病原菌の侵入を防ぐためにもハサミは必ず消毒したものを使用します。手で簡単に分かれそうならば無理にハサミを使う必要はありません。
3.新しい鉢に植え付ける
水ゴケの巻き方や植え付けの仕方は植え替えと同じです。株分けして切り口から病原菌が入りやすくなるため、ベンレート水和剤やエムダイファー水和剤など殺菌剤をつけてから植えるとなお良いでしょう。
デンドロビュームの増やし方
デンドロビュームは株分け以外にもいくつか増やし方があります。初心者の方でも簡単に出来る方法をご紹介します。
̝高芽を利用した増やし方
バルブの節から花芽ではなく、葉芽が出てしまったものを高芽と呼びます。生育を考慮して取り除くことが多いのですが、これを利用するのが誰でも簡単に出来る増やし方です。春から秋に葉が3枚以上になり、根も数本出ているものは親株から取り鉢に植え付けます。
茎さしでの増やし方
茎さしは花が付かなかった古いバルブを利用した増やし方になります。葉がなくなってしまっていても問題ありません。
茎さしの手順
- 1.清潔なハサミでバルブを2、3節ずつにする
- 2.素焼き鉢に湿らせた水ゴケを詰めておく
- 3.その上に切ったバルブを横に寝かせて並べ、半分ほど埋まるよう軽く押し込む(茎伏せ)
- 4.もしくは切ったバルブを縦に半分ほど差し込む(茎さし)
茎さし後の管理
半日陰に置いて水ゴケを乾かしすぎないように注意しながら管理します。春にさした場合は秋ごろまでには根や新芽がでます。そのまま育てて翌春に素焼き鉢に植えこみます。
デンドロビュームに花芽をつけるには?
デンドロビュームを育てていてもなかなか花芽がつかないということはありませんか?ノビル系は秋の温度管理と肥料の与え方が花を咲かせるのにとても重要になってきます。
温度管理と水やり
ノビル系は秋の低温に当たらなければ花芽を作りません。バルブが生育が完成する9月末~11月頃に最低気温が10℃以下になる日が30~40日以上になるように管理します。低温に当てている期間は水やりも控え10日~2週間に1回を目安にします。
肥料
7月の中旬以降に窒素分の多い肥料を与えると、バルブの生長が続いてしまい花芽が付きづらくなります。固形肥料は6月までに留め、それ以降は窒素分が残らないように注意します。
デンドロビュームの花が終わった後の管理
きれいな花が見れたら満足と花が終わった後の管理を怠らないようにしましょう。そのままにしてしまうと次の生育に影響することもあります。また来年きれいな花を咲かせる作業は花が終わった後から始まっているのです。
花がらはどうしたら?
花が終わった後、しおれてきた花がらはそのままにせずなるべく早く摘み取りましょう。バルブから伸びている花茎の根元で切ります。早く摘み取ると次の生長へ養分を回すことができるので大事な作業です。その後は春になって新芽が動き出すまでは前述した育て方で管理します。
バルブはどうしたら?
花が終わった後のバルブはもう花が付くことはないので、必要はないのではと思う方もいるのではないでしょうか?しかしこのバルブは次の新芽が生長するための養分と水分の貯蔵タンクなので開花後1年間は切り落とさないように注意します。2~3年たちしわしわになり、根元も黄色く枯れ始めたものは植え替えの際に落としてもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?正しい育て方を身に着ければお店で買った時のような見事な花をみることも可能ですよ。次は自分で花を咲かせる喜びをぜひとも味わってみてくださいね。
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