セッコクの育て方
セッコクは着生植物で、バルブに栄養を溜めていたり根から水分を吸収することが少なかったりと、他の植物と違う仕組みがあります。したがって、違いに気をつけながら育てなければいけません。この章では、セッコクの育て方について詳しく紹介します。
セッコクの育て方①植え付け
セッコクは、種まきして苗まで育てられず、また、販売されている苗は庭に地植えできません。販売されている苗をヘゴや木に付着させるか、底穴の大きい素焼きの鉢に鉢植えします。植え付け時期は、生育期前の2~4月か休眠期に入る前の9~10月が最適です。開花が終わり生育期の最中の5~8月の植え付けは、株を傷めやすいので避けましょう。
用土は水はけのよいものを
セッコクは根腐れを起こしやすく、植え付ける用土は水はけのよいものをおすすめします。大粒の鹿沼土や、ラン専用の培養土を利用する方が多いです。どの用土を使うにしても、根の周りを水苔で覆うのを忘れないでくださいね。用土を使わず、水苔だけで栽培する方法もあります。
セッコクの育て方②水やり
根腐れを起こしやすいセッコクは、水を与えすぎないことが大切です。セッコクの周りに置いている水苔が乾いているのが水やりのサインです。成長期である春や気温が高く水苔が乾燥しやすい夏は多めの水分が必要ですが、成長が止まっている冬は控えめにしましょう。
セッコクの育て方③肥料管理
セッコクに栄養分を与え過ぎると、根腐れの原因となります。元肥としては、植え付けや植え替えのときに、緩効性肥料の粒を水苔の周囲に数粒入れます。追肥は、開花期後や成長期に2週間に1度液体肥料を追加する程度で十分です。
セッコクの育て方④病気と害虫
ウイルス病と黒斑病に注意を
セッコクのかかりやすい病気にウイルス病と黒斑病があります。どちらも予防的に散布する薬剤はなく、葉色にむらが出たり、黒い斑点が出たりすると病気にかかっている可能性が高いです。治療も難しく、他の株にうつらないように隔離して、株の元気がなくなってきたら処分することをおすすめします。
ハダニとナメクジは大敵です
注意が必要な害虫として、ハダニとナメクジがあげられます。ハダニが付くと、葉が白っぽく変色してセッコクの成長に影響を与えます。葉を乾燥させるとハダニが付きやすくなるため、葉裏に霧吹きなどで散水して予防しましょう。ナメクジはセッコクの新芽をかじり、次の年の株の生育や花付きが悪くなります。見つけ次第捕獲し、多く見かける場合は薬剤を散布して駆除します。
次のページでは、セッコクの植え替え、増やし方について、ご紹介します。
出典:写真AC