トマトの摘芯(摘心)の仕方
摘芯(摘心)とは
摘芯(摘心)は、非芯どまり系品種のトマトに欠かせない作業です。トマトは気温が10℃を下回るとうまく育たず、実つきも悪くなります。頂芽(ちょうが)にある成長点をカットして主枝の成長をとめることで、栽培適温期に効率的に実へ養分を集中させ、大きくて味のよいトマトを栽培できます。
摘芯(摘心)の理由
トマトの主枝を摘芯(摘心)する理由はいくつかあります。家庭菜園で育てるトマト栽培のシーズンは3月~10月の霜の降りない比較的暖かい時期です。秋の終わりには次の野菜を植えるためにも苗を撤去しなくてはならないことから、トマトの枝が支柱の先端を超え、誘引する場所がなくなったら摘芯するのがよいでしょう。
摘芯(摘心)のメリット
- 草勢を維持・コントロールすることで株の寿命がのびて収穫期間が長くなる
- 伸びすぎによる養分の分散を防げてよい実がなる
摘芯(摘心)のやり方の図解解説
主枝が支柱の先まで届くころ、成長をとめて実に栄養を集中させます。最後の花房の上に葉2~3枚を残しカットします。摘芯するとわき芽も出やすくなりますが、夏の強い日差しから実の日焼けを守るためには日陰をつく
る葉が必要です。トマトの摘果の仕方
摘果とは
摘果とは、未熟な実を間引くことです。家庭菜園で栽培するトマトでは必ずしなければならない作業ではありませんが、摘果することで大きさの揃った大きな実を収穫できます。また、ひと房に7つ以上実のついたときは小さな実を摘果することで成り疲れ症を防ぎます。
摘果の理由
結実したすべての実をそのまま育てると、収穫期に期待した大きさに育たないことがあります。せっかく生った実を摘みとるのはもったいないですが、大玉トマトや中玉トマトでは、大きな実を育てるために必要
な作業です。また生理障害によって発生した尻腐れ果は、症状の改善がないため早めに摘みとります。摘果のメリット
- 大きさの揃った、大きな実をつける
- 実の生らせすぎによる草勢の低下を防ぎ、収穫期間を延ばす
摘果のやり方
トマトの摘葉の仕方
摘葉とは
トマトの生育が進んでいくと、株もとの葉はしだいに傷んできます。傷んでいる葉は病気になりやすく、光合成率も悪いために摘葉しましょう。また、ひと房への養分を葉3枚分の光合成で養うトマトは、第五花房まで育てれば15枚の葉が必要ということになり、それ以外は株の成長へ養分がまわることになります。
摘葉の理由
トマトの枝や葉が伸びすぎると風通しが悪く、病害虫の被害にあいやすくなったり、健康な葉への日当たりを遮ったりして実の成長に悪い影響があることがあります。また、過繁茂防止のためにも株の成長が進んだら摘葉をしたほうがよいでしょう。
摘葉のメリット
- 日当たりと風通しがよくなり、病害虫予防になる
- 葉の光合成量を調整して過繁茂(かはんも)を防止できる
摘葉のやり方
枯れた葉は、ひっぱるとかんたんに摘みとれます。青い葉は、清潔なハサミを使って切りとります。花房の栄養は、すぐ下の3枚の葉によって得ているため、収穫の終わった実の下葉はすべて取り除いても問題ありません。
適切な剪定で美味しいトマトを収穫!
プランターでも始められるトマト栽培は、家庭菜園初心者にも人気です。トマトの剪定のやり方、伸びすぎたわき芽のとり方、摘芯(摘心)のやり方を覚えておけば、たくさんの美味しいトマトの収穫が叶うでしょう。丹念にお世話したトマトの味は格別ですよ。
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出典:筆者撮影