日本ではあまり見かけられないスグリですが、ヨーロッパでは収穫時期になると市場に出回ります。日本へは冷凍されたものが、フランスなどヨーロッパから輸入されます。フレッシュなスグリはアメリカ、カナダ産のものが夏場、チリやニュージーランドなど南半球からは冬場に輸入されます。
保存方法
スグリを保存する場合には、実が乾燥しないよう容器や袋にいれて冷蔵庫で保存します。長期間の保存なら冷凍保存もできますが、解凍するときに果汁がしみ出すため凍ったままの状態でソースなどに加工することをおすすめします。
スグリのおいしい食べ方
「酸塊」と書いてスグリと読むように、スグリの味の特徴は酸っぱいということです。特に赤い果実の赤スグリは特に酸っぱいことで知られ、生食は難しいかもしれません。白スグリには若干の甘みが感じられるため、そのままでも食べられるでしょう。小さくてかわいらしい姿で、ケーキやパフェ、肉料理などのアクセントとして添えられます。
栄養
スグリに含まれる栄養素で特徴的なのは、豊富なビタミンCです。ビタミンCは、疲労回復や肌荒れ予防など多方面に働くといわれる健康に欠かせない栄養素です。強い酸味はクエン酸によるもので、疲れがたまっている、風邪っぽいというときに取り入れてみてはいかがでしょうか。
食べ方①ジャム
酸っぱいスグリは、砂糖と一緒に煮てジャムにすることでおいしく食べられます。長期間の保存が可能で、スグリが大量に手に入ったらジャムにしておきましょう。ペクチンが豊富で固まりやすく、よく似詰めるとグミのようになります。ジャムにするなら、少しとろみがついたら火からおろすのがポイントです。
材料
- 赤スグリ:1kg
- 砂糖 :500g
- 水 :約50cc
作り方
- ザルに赤スグリをいれてつぶさないようにやさしく洗う
- 鍋にスグリと水少々を加えてやわらかくなるまで煮る
- ザルなどでスグリを裏ごしし、軸と種を取り除く
- 砂糖を2回に分けて加える
- 弱火で煮詰め、とろみがついたら火からおろす
- 消毒した保存瓶の注ぎ、冷えて固まるまでおく
食べ方②スグリ酒
スグリの実をジンやラムなどのお酒に漬け込み、フルーティーで甘酸っぱいスグリの果実酒を作りましょう。お酒の種類を変えるとひと味ちがう果実酒を味わえます。オレンジの皮やシナモンなどを加えることでアレンジも楽しめますよ。
材料
- 赤スグリ:約500g
- 蒸留酒 :約400mL
- 氷砂糖:200g
作り方
- 赤スグリを水洗いし、枝やヘタを取り除いて乾かす
- 消毒したビンに赤スグリと氷砂糖(好みで量を調整)を交互にいれ、蒸留酒を注ぐ
- 約3カ月置いて果実を取り除く
- 6カ月目くらいからが飲みごろ
食べ方⑤料理に添えて
ジャム、ゼリー、果実酒、シロップなどスグリを料理に添えて楽しむのもおすすめです。スグリの甘酸っぱい味が肉料理のクセをやわらげ、よりおいしく食べられますよ。
スグリの育て方
果実を国内で探すことは簡単ではありませんが、家庭菜園のための苗は一般的に流通しているため、栽培できます。耐寒性にはすぐれますが暑さには弱く、寒冷な地域が栽培には適しています。挿し木で簡単に増やせますが、繁殖力が強いため環境に配慮して鉢植えで育てるのがおすすめです。
育て方①日当たり
スグリは日照が少なすぎると結実しないため、日当たりは必要です。しかし、暑すぎると弱ってしまういます。午前中は日がよく当たり、午後は半日陰になるような場所を選びましょう。蒸れには弱いため、風通しのよい場所を確保してください。
次のページでは、スグリの育て方を解説します。