抽水性の水生植物の育て方
抽水性は株元まで水中に沈めて葉や茎を水上に出して育てる、水場に自生する水生植物です。性質はさまざまで、屋外のビオトープやベランダの睡蓮鉢、室内の明るいところでも育てられます。
抽水性の水生植物
- ウォーターバコパ
- ウォータークローバー
- ウォーターコイン、ウォーターマッシュルーム
- ミズオジギソウ
- フトイ など
抽水性の用土と肥料
抽水性植物を育てるには、水生植物の土が適しています。荒木田土や硬質赤玉の中粒〜小粒でも育てられます。肥料はほとんど必要ありませんが、ウォーターバコパなどの花を咲かせるには、水生植物専用の固形肥料を土に埋め込んで与えましょう。
抽水性の植え付け方
抽水性の植物は直接土に植え付けても、鉢ごと水に沈めても育てられます。葉の根元まで水が浸かるように、水位を調整しましょう。抽水性植物は二重鉢にして、室内の明るいところで育てるのもおすすめです。
抽水性の育て方のポイント
半日以上日が当たる明るく暖かい場所に置いて、抽水性のきれいな葉色を保つのが育てるうえでのポイントです。横に広がって成長するタイプは、メダカの隠れ家にもなります。伸びすぎたらスペースにあわせて、剪定して整えるのがコツです。
湿地性の水生植物の育て方
湿地性は根の一部を水に浸けて葉や茎を地上で育てる、湿原や水際に自生する水生植物です。性質は高山性から温帯性までさまざまで、屋外のビオトープやベランダの睡蓮鉢・鉢植えにしても育てられます。
湿地性の水生植物
- サラセニア
- シペラス
- ラセンイ
- ウォーターミント
- カラー(湿地性)
- カンナ
- セキショウ
- ワタスゲ など
湿地性の用土と肥料
湿地性は品種が多彩なため、用土は植物にあわせて選びましょう。水分を含みやすく崩れにくい硬質赤玉土や硬質鹿沼土に、ピートモスや腐葉土などをブレンドしても作れます。肥料や堆肥などの有機物が多いと水が腐りやすくなるため、根腐れ防止剤を入れるのもおすすめです。
湿地性(湿性)の植え付け方
鉢植えで湿地性植物を育てる場合は、通常の草花と同じように植え付けて、二重鉢にするか深めの受け皿に水を張って育てます。ビオトープや睡蓮鉢では根の一部が水に浸かるところに植え付けましょう。カンナやカラーなどは、水持ちのよい土質で庭植えも可能です。花の肥料は植物によって、必要に応じて与えます。
湿地性の育て方のポイント
湿地性は根が水に当たる場所で育てますが、真夏は水温が高くなると水が腐りやすくなります。半日陰や明るい日陰で、風通しのよい場所を選んで育てるのがポイントです。シペラスやラセンイは苔玉に仕立てて、室内で育てるのもおすすめですよ。
水生植物の水質維持のコツ
多孔質のソイルで環境を整える
麦飯石などの多孔質の石やソイルを使うメリットは、バクテリアなど微生物の働きで水質を維持できることです。ただし真夏は水温が高くなりすぎると、バクテリアが死滅して逆に水質が悪くなってしまいます。よしずや遮光ネットで日当たりと熱を遮り、水温をほどよく管理しましょう。
エサを少なくして濁りをなくす
メダカや金魚などの水生生物を一緒に育てている場合は、水が濁りやすくなるため餌を控えめにすると水質が保てます。スイレンなどの花を咲かせる植物以外は、肥料を少なくすることも水質管理のコツです。水の入れ替えは少量ずつこまめにするほうが、植物と生物のためにはメリットが多いでしょう。
コケ掃除におすすめの水生生物を利用
日当たりがよいと藻や苔が発生して、水槽や鉢の見た目が悪くなってしまいますね。水生生物は水質の管理にも役立つのでおすすめです。
役立つ水生生物
- ボウフラ退治には、メダカや金魚
- 苔や食べ残した餌の掃除には、エビの仲間
- 苔や藻の掃除には、タニシなど貝の仲間
- 餌や腐った水草の掃除には、ドジョウの仲間
水生植物を元気に育てる管理方法
日光またはLED照明で明るく
水中でも水上でも、植物の成長には日光やLEDライトの日当たりが欠かせません。植物の性質にあわせて水温を管理することも、大切なポイントです。
空気の流れを作って蒸れを防ぐ
ベランダでは、睡蓮鉢はコンクリートに直接置かず、熱を伝えにくい木製のスタンドや台に乗せます。高温多湿な夏場は水生生物にとっても、水生植物にとっても過酷な環境です。風通しをよくして、蒸れを防ぎ植物を元気に育てましょう。
まとめ
小さな睡蓮鉢に水生植物をレイアウトして、小さな癒しのスペースがつくれます。ベランダや室内におすすめの植物もありますよ。特に夏は、水生植物を育てて涼を感じてみるのも楽しいでしょう。
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出典:Unsplash