キツネノボタンの特徴
キツネノボタンとは?
キツネノボタンは、キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草で、春先から7月頃まで愛らしい黄色い小さな花を咲かせます。湿った土地を好み、田んぼのあぜ道や川のほとりなど、湿り気のある道端に咲きます。
キツネノボタン(狐の牡丹)の基本情報
名前 | キツネノボタン、狐の牡丹、金平糖草 |
学名 | Ranunculus silerifoliu |
分類 | キンポウゲ科キンポウゲ属 |
分布 | 日本、韓国 |
花期 | 3月~7月 |
在来種、多年草 |
キツネノボタンやキンポウゲ属の仲間の英名はbuttercupで、キツネノボタンの英名は、Jejudo buttercupです。生育地のひとつ、韓国の済州島の名が付けられています。なお、韓国名は왜젓가락나물です。
湿った場所を好む
キツネノボタン(狐の牡丹)は、日本列島や朝鮮半島南部(韓国)に生育する植物です。学名Ranunculusのラナはラテン語でカエルの意味です。カエルがいるような湿地に自生することから付けられました。茎全体は20センチから70センチ前後になります。
花期は3月から7月
キツネノボタン(狐の牡丹)の花期は早春から7月頃です。
花びらは艶のある五弁
キツネノボタンは、1センチほどの大きさの黄色い五弁花で、花びらには光沢があります。花びらのクチクラ(表皮の膜、キューティクル)がデンプンを含んでいて、光に反射して光ります。
葉の形状は三出複葉
キツネノボタンの葉は、三出複葉です。一枚の葉っぱが三つの小さな葉に分かれた形になっています。縁が鋸のような形になっています。不規則なギザギザですね。上の写真の左側、小さい方がキツネノボタンの葉で、右側は三つ葉です。
実は集合果
キツネノボタンの実は、種が集まっている集合果です。金平糖に似た形が特徴です。一つ一つの果実「痩果(そうか)」は扁平で、端が反り返っています。薄い果皮が種を包んでいます。
茎が枯れて冬越し
キツネノボタンは、太い数本の根を張ります。冬には茎部が枯れ、地から直接出た下葉がロゼット状(放射状にべったり広がる状態)になって冬を越すのが一般的です。地域によっては、ほとんど休眠状態になることもあるようです。
有毒成分に注意
茎からでる液でかぶれる
キツネノボタンの茎や葉っぱの折れ口から出る汁液は、ラヌンクリンという成分です。ラヌンクリン(ranunculin)は葉や茎を折った時に分解されて、プロトアネモニンという物質を作ります。有毒です。皮膚や口中の粘膜に触れると腫れあがることがあります。
胃腸炎をおこすこともある!
キツネノボタンの仲間(キンポウゲ属)から出る汁は有毒成分ですので、絶対に口にしないことです。下痢や腹痛をひき起こすことがあります。山菜取りの際に紛れてしまわないよう、注意が必要ですね。特に葉の似ているセリと間違わないように要注意です。
ボタニ子
気をつけなきゃね!
キツネノボタンの名の由来
ボタン|葉っぱ由来
キツネノボタンの「ボタン」は、葉っぱが牡丹の葉に似ていることに由来します。上にキツネノボタンの写真、下に牡丹の写真があります。牡丹の葉の先端の3つに分かれている部分が、キツネノボタンの葉に少し似ていると言えば似ていますね。
キツネ|生育地由来説
キツネノボタンの「キツネ」の名の由来は諸説あり、一つは生育地由来です。キツネノボタンは、湿り気のある田や川の周辺に生えます。きつねが出そうな場所だということからキツネノボタンと呼ばれるようになったという説です。
キツネ|有毒成分由来説
キツネノボタンの「キツネ」の名の由来もう一つは、キツネノボタンに有毒成分が含まれていることから名づけられた説です。黄色い可愛い花に有毒があるのは、きつねに化かされたようなものだと名付けられたという説です。見た目などで違和感をもつ植物にきつねの名前を付ける例は、キツネアザミなど、他にもありますね。
また、毒成分がキツいことから、「キツ」いがキツネという言葉に転じた説もあります。
ボタニ子
ふ~ん。きつねさんもびっくりだね!
金平糖草
キツネノボタンには、コンペイトウグサという名前もあります。こちらの名の由来は、果実です。実が金平糖の形に似ているので、「金平糖草」と呼ばれるようになりました。
ボタニ子
似てる、似てる!
ボタニ子
次のページでは、キツネノボタンの仲間や花言葉をご紹介!
出典:写真AC