ツチアケビとは
アケビに似ているためその名をつけられたツチアケビですが、実はアケビとは似ても似つきません。ツチアケビがどのような植物なのか紹介します。
ツチアケビの基本情報
分類 | ラン科ツチアケビ属 |
形態 | 多年草 |
分布地 | 日本全土(日本固有種) |
草丈 | 50cm~100cm |
開花時期 | 6月頃(初夏) |
花色 | 黄色 |
別名 | ヤマノシャクジョウ |
ツチアケビは光合成をしない腐生植物の一種で、ナラタケと共生しており、日陰に生えます。茎は太く直径1cm~2cmほどもあります。日本全土で自生していますが、めずらしい植物のため、なかなか目にすることは少ないでしょう。
ナラタケについて
ナラタケは春から秋に収穫することができるキノコです。傘の大きさは1cm~15cmで、柄は大きいものでは12cmほどもあります。湿気のある環境で育つ場合は、ヌメリを発生させます。ナラタケは生きている樹々の根に寄生し、樹木を枯らすこともあるので一般的に人工栽培はされません。味は良いだしが出るので人気があります。コレラダケという毒キノコに似ているので、採取する際は注意が必要です。
ツチアケビの名前の由来
ツチアケビは実の形がアケビに似ていること、そして実が直接土から生えていることからツチアケビと名づけられました。別名のヤマノシャクジョウは、修験者が用いる錫杖(しゃくじょう)に似ていることから由来します。他にも実が唐辛子に似ていることから”ヤマトウガラシ”とも呼ばれています。
ツチアケビの分布
ツチアケビは日本の固有の種で北海道南部、本州、四国、九州に自生しています。国外で自生がみられるのは朝鮮半島です。ツチアケビ属に属す種類は他に5種あり、その種は熱帯から温帯アジアやニューギニア島に存在しています。
絶滅危惧種に指定されている
ツチアケビは「レッドデータブック」と呼ばれる、絶滅の危機に瀕している野生植物の名前を掲載した報告書に掲載されています。ツチアケビは絶滅の恐れがある「絶滅危惧Ⅰ類」、絶滅する危険が増大しているという「絶滅危惧Ⅱ類」というカテゴリに分類されています。
「絶滅危惧Ⅰ類」に指定されている地域は、北から秋田県、山梨県、長崎県です。絶滅危惧Ⅱ類に指定されているのが北から岩手県、長野県、鹿児島県です。他にも準絶滅危惧種を含め、18の地域が記載されています。なかなか見たことがないのは、絶滅危惧種であることも理由なのですね。
ボタニ子
つぎはツチアケビの特徴について解説します!