ハクサンイチゲとは?高山植物としての特徴や開花時期・花言葉を紹介!

ハクサンイチゲとは?高山植物としての特徴や開花時期・花言葉を紹介!

ハクサンイチゲ(白山一花)は中部~東北地方に分布する日本固有の高山植物で、透明感のある白い花が魅力です。今回はハクサンイチゲの開花時期、花、葉、実の特徴や開花時期、花言葉について解説します。エゾノハクサンイチゲ、シコクイチゲなどの近縁種もチェックしましょう。

記事の目次

  1. 1.ハクサンイチゲとは
  2. 2.ハクサンイチゲの特徴
  3. 3.ハクサンイチゲの近縁種
  4. 4.ハクサンイチゲの開花時期
  5. 5.ハクサンイチゲの花言葉
  6. 6.まとめ

ハクサンイチゲとは

Photo by maijou2501

白い花が清楚な印象のハクサンイチゲをご存じですか。ハクサンイチゲは日本固有の植物で、中部地方から東北地方の高山に分布しています。登山やトレッキングをする人のあいだでは、おなじみの花かもしれません。初夏~夏の時期にかけて山肌に群生する光景も見られ、それはまさに白いお花畑です。

ハクサンイチゲの基本情報

名称 ハクサンイチゲ(白山一花)
学名 Anemone narcissiflora var. nipponica
原産地 日本
分類 キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草
生育地 高山、亜高山
分布 中部地方~東北地方
開花時期 初夏~夏(6月~8月頃)※栽培では春
草丈 ~50cmくらい

ハクサンイチゲは高山植物

出典:写真AC ​​​​​​

高山植物とは、森林限界線より標高が高い山の上に育つ植物のことをいいますが、ハクサンイチゲはその代表格です。石川県と岐阜県にまたがる白山で最初に見つけられたことから、ハクサンイチゲの名前がつけられました。白山に限らず、乗鞍岳、北岳など多くの山で見られる植物です。

イチゲ(一花)という名前について

そもそも「イチゲ」とはどのような意味なのでしょうか。イチゲ(一花)とは、一般に1株に1つ咲く花のことをいいますが、ハクサンイチゲは実際には1つの花ではなく、集散状に複数の花をつけます。

ハクサンイチゲの特徴

出典:写真AC

ハクサンイチゲは高山植物のため、残念なことに日常生活のなかでは目にすることがほとんどなく、観察する機会もありません。高地以外での栽培は少々難易度が高く、限られた愛好家が栽培している程度です。そんなハクサンイチゲの花、葉、実(種)にはどのような特徴があるのでしょうか。細部の特徴を解説します。

花の特徴

ハクサンイチゲの花の最大の特徴は、花びらがないということです。5~7枚の白い花びらのように見えるものは、萼片(がくへん)とされています。実はキンポウゲ科にはこのような構造の花が多いのです。直径3cm程度の白い花(萼)の中心に薄い緑色を帯びた雌しべがあり、その周りを黄色い雄しべが囲んでいます。襟巻きのように茎を巻く最上部の葉の付け根から散形に数個の花を咲かせます。

葉の特徴

ハクサンイチゲの葉は、根本のほうで大きく3つに裂け、さらに先のほうが細かく分裂し、葉先は尖っています。身近な植物に例えると、シュンギクの葉に似た見た目といえるでしょう。また特徴的なのは、花茎を襟巻きのように巻き、花の台座のような形をしている最上部の小さい葉です。

実の特徴

ハクサンイチゲは多年草ですが、花が終わると小さく硬い黒い実を結びます。雌しべの部分にできたたくさんの実は痩果(そうか)という形で、1つの実のなかに種が1つ入っているのが特徴です。高山を棲み家とするライチョウはハクサンイチゲの葉むらを歩き回り、この実をついばむようです。

ハクサンイチゲの近縁種

ハクサンイチゲには変種や近縁種があり、小型で1つの茎に1つだけ花をつけるヒメハクサンイチゲ、花の色が緑色を帯びているミドリハクサンイチゲなどが確認されています。また、地域に特化し分布している種類は、北海道で見られるエゾノハクサンイチゲ、四国地方で見られるシコクイチゲなどです。これらのなかから、エゾノハクサンイチゲとシコクイチゲを見てみましょう。

エゾノハクサンイチゲ

エゾノハクサンイチゲ(蝦夷のハクサンイチゲ)は、名前が示すとおり、蝦夷すなわち北海道の高山に自生する品種です。見分けるポイントとなるハクサンイチゲとの相違点は、草丈が低く花もやや小型だということです。また、葉の切れ込みが少なく、葉先もあまり尖らず、丸みがあります。そのことから、全体的に少しずんぐりしている印象があります。

シコクイチゲ

シコクイチゲは、やはり名前のとおり四国地方の愛媛県の固有種で、石鎚山、赤石山などに自生しています。環境省や愛媛県の絶滅危惧種に指定されている希少な種類でもあります。ハクサンイチゲとの大きな違いは花のつき方です。ハクサンイチゲが散形になった複数の花茎に1輪ずつ咲くのに対し、シコクイチゲは散形になった先がさらに分かれ、複数の花を咲かせます。

ハクサンイチゲの開花時期

出典:写真AC

ハクサンイチゲは6月~8月頃が開花時期です。山ではちょうど雪解けの時期に咲きはじめる花として、初夏を告げるシンボルになっているのではないでしょうか。また、ハクサンイチゲは野草の専門店で愛好家向けに苗が販売されていることもあります。難易度は少し高いですが、栽培用のものは春先に開花するそうです。

ハクサンイチゲの花言葉

ハクサンイチゲには花言葉があり、主なものは「清潔」と「幸せを招く花」です。透き通るように白い清楚な花の姿には、まさに「清潔」という言葉がぴったりではないでしょうか。また「幸せを招く花」という花言葉を知っていれば、ハクサンイチゲに出会ったときに、とても幸運なうれしい気持ちになれそうですね。

まとめ

出典:写真AC

真っ白で可憐なハクサンイチゲは、雪解けと夏の到来を象徴する高山の花です。ハクサンイチゲは高原の植物園で見られることもあります。登山をしない方も、夏の旅行の際にのぞいてみるとよいかもしれません。幸せを招くかわいらしい花に、ぜひ出会ってみてください。

koke_dama
ライター

koke_dama

見る人の心を癒やす植物の力。偉大ですね!

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