オクラはネバネバとした食感が特徴で、栄養素がたっぷりと含まれている食用果実です。7月〜9月にかけて淡い黄色をした大輪の花を咲かせ、花後1週間〜10日ほどでオクラが収穫できます。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高 | 1m〜1.5m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
オクラは東北アフリカが原産の植物です。現地では「多年草」として扱われていますが、日本の気候では冬越しが難しいため「一年草」に分類されています。開花時期になるとハイビスカスのような見た目の花を咲かせますが、花の命が短く朝咲いて夕方には枯れてしまうのが特徴です。オクラの花は食べられるので、開花してすぐに摘み取ると料理に利用できます。
名前の由来は?
オクラは英名の「okra」を日本語読みして、そのまま「オクラ」と名付けられました。もともとは「西アフリカの現地語が語源である」という説もあります。オクラの歴史は古く、2000
花言葉は?
オクラには「恋の病」「恋で身が細る」という花言葉がついています。オクラは開花時期になると、華やかで立派なまん丸の花を咲かせるのが特徴です。しかし、花後の実は細くてとがったような形をしているため「恋で身が細る」という花言葉がつけられました。
オクラ エメラルド
参考価格: 1,500円
エメラルドは、スーパーなどではあまり見かけられない「丸オクラ」の代表品種です。鮮やかなグリーンの実が特徴で、皮までやわらかく和え物やぬか漬けにもよくあいます。
種類 | 丸オクラ |
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実の大きさ | 約13cm |
オクラ 島の唄
参考価格: 385円
島の唄は、沖縄地方では「ネリ」という別名でも親しまれている島オクラです。オクラの品種の中でも実付きがよいため、家庭菜園で育てると7月〜10月にかけてたくさん収穫できます。
種類 | 島オクラ |
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実の大きさ | 約10cm |
種まきの時期 | 5月 |
植え付け時期 | 5月〜6月 |
花が咲く時期・開花時期 | 7月〜9月 |
剪定時期 | 7月〜8月 |
実がなる時期 | 7月〜10月 |
収穫時期 | 7月〜10月 |
栽培適期は?
オクラは耐寒性が弱いため、暖かくなってきた5月に種まきをして、秋に入る前には収穫が終わるように栽培しましょう。耐暑性が強く、夏の訪れと共に大きな黄色い花を咲かせるのも魅力です。日本では一年草に分類されているため、収穫が終わった株は抜き取って処分しても構いません。
オクラは地植えでも鉢植えでも育てられます。広いスペースを確保できる場合は、あらかじめ畝を立てておくのがおすすめです。プランターで栽培する場合は、株間を20cm〜30cm程度あけて植え付けましょう。植木鉢の場合は、1つの鉢に1株ずつ植え付けてください。
水耕栽培できる?
オクラはペットボトルの空き容器などを使用すれば、室内やベランダで気軽に水耕栽培ができます。オクラの発芽適温は25℃~30℃で、温度管理ができればいつでも種まきをして育てられるのが特徴です。日光不足では花付きが悪くなるため、日当たりのよい置き場所で管理してください。
オクラは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。日光をたっぷりと浴びて育てると、粘りが強くておいしいオクラに育ちます。葉が密に茂るため、風通しのよい場所で育てて病害虫被害を予防してください。耐陰性がやや弱いので、室内で育てる場合は日光が差し込む窓辺で管理しましょう。
オクラは連作障害が起きにくいといわれていますが、毎回同じ場所で育てると収穫量が減ったり病気や害虫被害を受けやすくなったりします。そのため、基本的には同じ場所での連作を避け、2年〜3年程度期間をあけてから栽培しましょう。
オクラは多湿の環境が苦手なため、畝を立ててから種をまいていきましょう。オクラを植え替えると株が弱ったり枯れたりする恐れがあるので、種から育てる場合は畑に直まきします。畝の高さは10cm〜15cm、畝の幅は50cm〜60cm程度がおすすめです。広いスペースを確保できる場合は、畝間を20cmほどあけてください。
畑の排水性が悪い場合は?
畝の高さは10cm〜15cmが基本ですが、畑の排水性が悪い場合は20cm〜25cmほどの高畝にします。オクラは、排水性が悪いと根腐れを起こして枯れる恐れがあるため、腐葉土や川砂をたっぷりとすき込み、水はけをよくしておきましょう。
オクラは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てましょう。市販されている「野菜用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
オクラを地植え栽培する場合は、種まきの3週間ほど前に堆肥を混ぜ込み、用土がふかふかになるまで耕してください。オクラは酸性の土壌が苦手なため、用土作りをしっかりと行わないと株が育たなかったり枯れたりします。そのため、石灰を加えて酸性濃度をpH6.0〜pH6.5程度に調整しておくのがポイントです。
オクラの種まきは5月に行いましょう。種をまく場所にあらかじめ指で1cmほどの穴を掘っておき、種を2粒〜3粒ほどパラパラとまいていきます。株間は20cm〜25cmほどあけてください。用土を少しかぶせたら、たっぷりと水やりをします。発芽するまでは水切れを起こさないように、毎日水を与えましょう。
オクラの種まき後は、湿度が保てるようにマルチングをしておくと安心です。オクラはアブラムシの被害を受けて枯れやすいので、シルバーラインの入ったマルチシートを選ぶと、アブラムシが発生するのも予防できます。オクラの発芽適温は、25℃〜30℃以上のため、寒冷地の場合は温度に注意しながら管理しましょう。
発芽させるコツは?
オクラの種はとても硬く、水分が足りないと上手に発芽しない恐れがあります。種まきをする前日に種を水に浸して、やわらかくしておくのが上手に発芽させるコツです。植え替えを嫌いますが、寒冷地で地植えでの発芽が難しい場合は、一旦育苗ポットに種まきして、室内で発芽させてから植え替えても構いません。
オクラの発芽後、本葉が2枚〜3枚になったら間引きしましょう。健康で丈夫に育っている株を残し、ほかを間引いて1本立ちにします。間引きに使用するハサミはしっかりと消毒し、清潔な状態にしてから間引いてください。間引きをすると、栄養分が分散せず健康なオクラが収穫できます。
育苗ポットに種まきをした場合は、本葉が2枚〜3枚程度になったら定植します。根を傷つけると株が弱ったり枯れたりするため、ポットから形を崩さずに取り出して土ごと植え付けましょう。株間を30cmほどあけて、植え穴を掘ってから丁寧に植え付けてください。
ポット苗の状態で購入した場合は?
オクラはポット苗の状態でも販売されています。ポット苗の場合でも、根を崩さないように優しく取り出して植え付けましょう。葉が濃い緑色をしており、花芽のたくさんついている苗を購入するのがおすすめです。花後に実をつけるため、花芽の多い苗は収穫量も多くなります。
オクラは、植え付け前にしっかりと元肥を混ぜ込んでおくのがポイントです。地植えの場合も鉢植えの場合も、種まきや植え付けの2週間ほど前に緩効性の化成肥料を加え、用土によく馴染ませておきましょう。
オクラを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。夏は用土が乾きやすくなるため、朝と夕方の2回に分けて水やりをしても構いません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから水やりをします。花後の実がつく時期は水分をよく吸うため、収穫が終わるまでは毎日たっぷりと水やりをしましょう。
オクラは根が張りにくく、株が風や雨などで倒れる恐れがあります。そのため、株が20cm〜30cmほどの高さになったら、株元に支柱を立てておくと安心です。支柱を立てるときに、茎や根を傷つけないように注意してください。支柱と茎を麻紐などで固定して、上にまっすぐ伸びるように誘引しましょう。
上手に支柱を立てるコツは?
オクラは成長すると1.5mほどまで大きくなるため、支柱は長さのあるものを使用するのがポイントです。風にあおられて倒れないように用土に深く刺して固定してください。細い支柱だとオクラの株を支えきれずに折れる可能性があるため、太めの支柱を使用するのがおすすめです。
オクラの種を地面に直接まく場合は、黒マルチを張ってから種まきしましょう。オクラの発芽適温は25℃〜30℃とやや高めのため、マルチングをしておくと発芽率が上がります。オクラは一年草に分類されており、冬越しさせる必要がありません。そのため、保温や害虫予防、雑草防除や用土の水分保持のためにマルチングをします。
オクラは、収穫時期にあたる7月〜10月にかけて追肥します。1株につき、50g〜60g程度の緩効性の化成肥料を施しましょう。穴のあいたマルチを使用している場合は、株に直接肥料が当たると枯れる恐れがあるため、注意しながら肥料を与えてください。マルチングをしていない場合は、除草もかねて株元に土寄せしながら追肥します。
オクラは開花時期が終わると、花後に実をつけるのが特徴です。実がつき始めると同時に、わき枝が多く伸びるため、こまめに剪定をしながら管理しましょう。わき枝に栄養分が分散されるのを防ぐために、余分な枝を剪定してください。株元の葉が茂っている部分を剪定して風通しをよくしておくと、病害虫被害を予防できます。
オクラの実が曲がっている「曲がり果」や、実の表面にポツポツした突起が現れる「いぼ果」は、栄養分が足りないのが原因です。オクラは「肥料食い」といわれるほど、肥料を好みます。そのため、オクラの成長にあわせて適度に追肥を行い、栄養分をしっかりと与えながら管理してください。
オクラの実を食べてもネバネバしない場合は、収穫するのが早すぎた恐れがあります。オクラの収穫に適したタイミングは、花後4日〜5日経過したときです。実の部分を手で優しく握ってみて、少しへこむ程度にやわらかくなってから収穫しましょう。
オクラは収穫時期を逃すと実が硬くなり、料理に使用してもおいしく食べられなくなります。オクラの品種にもよりますが、実の大きさが7cm〜10cm程度に育ったら収穫適期です。花後は実をよく観察しながら管理し、やわらかくなっていたら早めに収穫を終わらせましょう。
オクラの葉が黄色く変色する場合は、日照不足を疑います。オクラの株全体に、しっかりと日光が当たっているかを確認してください。鉢植えの場合は、日当たりのよい場所に移動させましょう。また、日光がたっぷりと当たっていても葉が黄色い場合は、水やりのしすぎが原因です。水やりの回数を減らし、やや乾燥気味に管理してください。
うどんこ病は、梅雨時期などの雨が続いてジメジメとした季節に発生しやすい病気です。感染した部分が、うどん粉をまぶしたように白色の粉をふくため「うどん粉病」と呼ばれています。葉の光合成が妨げられて、オクラが弱ったり枯れたりする病気です。感染した部分は薬剤を散布しても治せないので、早めに切り取って処分してください。
立ち枯れ病は、土の中にある菌糸が原因で発生する病気です。オクラの収穫後でも、土の中に菌が残っているとそのまま冬越しして、春にまた繁殖をはじめて菌が広がっていく恐れがあります。感染すると株元から枯れはじめ、茎が細くくびれて萎れてしまうので注意しましょう。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。オクラの栄養分を吸汁しながら成長するため、発見が遅れると株が弱ったり枯れたりします。数が少ない場合はガムテープに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布してください。光る物が苦手な性質を利用して、シルバーラインの入った黒マルチを使用すると、アブラムシの発生を予防できます。
ハダニは梅雨明け〜夏の時期に発生しやすい害虫で、葉の裏側などの見つけにくい場所に発生するのが特徴です。集団で寄生する場合が多く、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。ハダニは水が苦手なため、定期的に葉水を行い発生を予防しましょう。また、適度に剪定をして、風通しをよくしておくのも効果的です。
出典:写真AC