サンショウモとは?特徴・育て方をご紹介!オオサンショウモとの違いは?

サンショウモとは?特徴・育て方をご紹介!オオサンショウモとの違いは?

浮き草タイプの水草として人気があるサンショウモは、水面に漂う様子や葉の形がかわいいため栽培する人も多い植物です。そこでサンショウモの魅力である特徴や育て方・管理のコツ、さらによく似た植物として知られているオオサンショウモとの違いなどをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.サンショウモとは?
  2. 2.サンショウモの特徴
  3. 3.サンショウモの育て方
  4. 4.サンショウモの増やし方
  5. 5.サンショウモの冬越し
  6. 6.サンショウモとオオサンショウモの違い
  7. 7.まとめ

サンショウモの冬越し

Photo byrihaij

サンショウモの栽培レベルが中級以上である理由の1つに、冬越しの難しさがあります。日本で栽培されているサンショウモは本来一年草なので、冬になると葉や茎は枯れてしまいます。ただしサンショウモのある部分だけは冬越しします。そこでサンショウモを冬越しさせるためのポイントを紹介します。

冬越しするのは胞子のみ

根のように見える葉を水中に長く伸ばして成長するサンショウモですが、残念ながらサンショウモの葉や茎は冬越ししません。冬越しができるのはサンショウモの胞子のみですが、冬越しした胞子がすべて発芽するのではなく、胞子のうの中にある8個の大胞子の中の1つだけが発芽します。

植物としてのサンショウモは冬になると枯れる

Photo by shaunstreeper

植物の冬越しというと葉や茎などが枯れることなく越冬することを意味しますが、サンショウモは冬になると葉や茎などは枯れてしまいます。もちろん胞子のうは冬越しするので、冬越しに成功すれば枯れても春には発芽しますが、冬のサンショウモを見て「枯れずに冬越しした」「冬越しせず枯れた」の判断をするのは難しいです。

発芽する胞子は水底で冬越し

サンショウモの胞子のうには「大胞子のう」「小胞子のう」の2種類あり、冬越しして春に発芽する胞子を含んでいるのは大胞子のうです。なお冬になり葉や茎が完全に枯れると、発芽予定の胞子を含んだ大胞子のうは水の底に沈み、少胞子のうは水面に浮かびます。

サンショウモとオオサンショウモの違い

Photo byds_30

なかなか手に入らないサンショウモによく似た特徴を持つのが「オオサンショウモ」です。見た目はどちらもよく似ているので観賞用として人気がありますが、サンショウモとオオサンショウモには特徴や栽培レベルなどに大きな違いがあります。

在来種と外来種

Photo byjossuetrejo_oficial

サンショウモとオオサンショウモの決定的な違いは、「サンショウモ=在来種」「オオサンショウモ=外来種」という点です。オオサンショウモは熱帯アメリカが原産の外来種で、観賞用として日本に輸入されましたが、在来種のサンショウモを駆逐する危険があるため問題になっています。

成長した葉の形がまったく違う

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

成長した葉の形も、サンショウモとオオサンショウモでは違います。サンショウモの葉は成長しても平たいままですが、オオサンショウモの葉は縦に折れ立体的に変形します。またオオサンショウモは温度管理をすれば葉が緑化したまま冬越ししますが、サンショウモの葉は冬越しせずに枯れるので、この点も葉の違いの1つです。

表面の模様も違う

サンショウモの代用品として人気があるオオサンショウモですが、葉の形だけでなく表面の模様もサンショウモと違います。サンショウモの表面は斑点模様が無数にありますが、オオサンショウモの表面にはサンショウモのような斑点模様は見られません。

栽培レベルが違う

Photo byPhotowill

一年草のサンショウモは育て方・水質・光量の管理にコツがいるため栽培が難しいのですが、オオサンショウモはもともと観賞用として輸入された水草なので、成長速度も速く扱いも簡単です。そのためサンショウモの栽培レベルは中級以上ですが、オオサンショウモは初心者でも栽培できます。

まとめ

Photo by niconico0

サンショウモは「育て方にコツがいる」「株分けでの増やし方ができない」など栽培が難しい水草です。ただし株分けをしなくても正しく管理して発芽すれば、毎日の間引きが必要になるほど葉を増やしますし、メダカと一緒に育てれば観賞用としても楽しめるので、初めての人もぜひ栽培にチャレンジしてみてください。

アサザとは?浮葉植物と呼ばれる水草の生育環境や越冬方法などを紹介!のイメージ
アサザとは?浮葉植物と呼ばれる水草の生育環境や越冬方法などを紹介!
水草の一種である浮葉植物のアサザは、初夏から夏頃に黄色い花を咲かせます。そんなアサザがどんな植物か、アサザの植え方や栽培方法、増やし方、花言葉などを説明します。また、育て方が簡単で繁殖力も強い反面、絶滅が危惧されています。その状況も紹介します。
オオカナダモ(アナカリス)とは?繁殖力の強い水草の概要をご紹介!のイメージ
オオカナダモ(アナカリス)とは?繁殖力の強い水草の概要をご紹介!
オオカナダモ(アナカリス)とはどんな植物なんでしょう?メダカを飼っている人の間では「アナカリス」の名前で知れ渡っていますが、知っているようでよく知らないのが水草という植物です。今回はオオカナダモ(アナカリス)の帰化した経緯や概要についてご紹介します。
ホテイアオイとは?メダカの飼育にも役立つ水草の特徴や育て方を紹介!のイメージ
ホテイアオイとは?メダカの飼育にも役立つ水草の特徴や育て方を紹介!
水面に漂う水草の一種、ホテイアオイは浮遊性の水生植物です。「ウォーターヒヤシンス」とも呼ばれ、夏にはかわいい花を咲かせます。ホテイアオイの詳しい特徴と育て方、葉が枯れる原因について解説していきます。あわせて、メダカの飼育におすすめの水草もチェックしましょう。
マツモ(水草)の増やし方!上手な植え方や増えない場合の対処法を解説!のイメージ
マツモ(水草)の増やし方!上手な植え方や増えない場合の対処法を解説!
マツモは小魚の隠れ場所や、水槽の水質をきれいに保ってくれる水草です。そんなマツモの、上手な植え方、増やし方、カット方法について解説します。水槽をよくしてくれるマツモは、アクアリウム好きなら育てない手はありません。ぜひ植え方や増やし方を覚えて育ててみましょう。
ガガブタとは?水草としての特徴や冬越しの方法などの育て方をご紹介!のイメージ
ガガブタとは?水草としての特徴や冬越しの方法などの育て方をご紹介!
夏の暑い時期に、愛らしく可憐な白い花を咲かせるガガブタをご存知でしょうか。はじめて名前を聞いたという方もいらっしゃると思います。水中で成長し、丈夫で増やしやすい植物です。今回はガガブタの特徴や育て方、冬越しの方法、鉢植えの方法などを紹介します。
チドメグサの利用法!水槽の水草に最適って本当?水質浄化の効果は?のイメージ
チドメグサの利用法!水槽の水草に最適って本当?水質浄化の効果は?
アクアリウムで人気の水草チドメグサ(血止草)にはさまざまな利用方法があります。利用法を知って、チドメグサを生活に取り入れてみませんか。この記事では、チドメグサの特徴や薬効成分や効能、繁殖力を活かすチドメグサの利用法などを解説します。
ルドウィジアとは?どんな水草?赤い葉の特徴・種類や育て方をご紹介!のイメージ
ルドウィジアとは?どんな水草?赤い葉の特徴・種類や育て方をご紹介!
ルドウィジアはとても人気で有名な水草で手に入れやすいです。今回はルドウィジアの特徴や育て方、増やし方などをご紹介いたします。ルドウィジアは初心者の方でも育てやすい水草なので、これを機に育ててみてはいかがでしょうか。ルドウィジアの赤みが水槽内を彩ります。
ウォーターマッシュルームとは?水草としての育て方や管理のコツをご紹介!のイメージ
ウォーターマッシュルームとは?水草としての育て方や管理のコツをご紹介!
ぷくぷくとした丸い葉が特徴的なウォーターマッシュルームは、キノコに似ていることが名前の由来です。熱帯魚用の水草として輸入されたため、水槽やビオトープなどで育てるのに適しています。ウォーターマッシュルームを育てるときのコツや、増やし方などをご紹介します。
Akemi
ライター

Akemi

自然や植物と楽しく暮らすヒントを、わかりやすく紹介していきます。

関連記事

Article Ranking