緑色の野菜とは
緑の野菜と一口にいっても、薄い緑、濃い緑などさまざまです。なかには緑黄色野菜と呼ばれる栄養価が高い野菜もあります。
緑黄色野菜
緑黄色野菜とは可食部100g当たりにカロテンが600μg以上の野菜のことです。緑色の野菜だから、緑黄色野菜というわけではありません。緑黄色野菜と呼ばれるものには、トマトや小松菜などがあります。キュウリは間違えられやすいですが、緑黄色野菜ではありません。
緑黄色野菜の見分け方
緑黄色野菜を見た目で見分ける方法は、野菜を切ったときに中身まで色がついているかどうかです。ニンジンやトマトは中までオレンジや赤いですが、ナスは表面だけが黒や紫です。キュウリも同じで、周りは緑色ですが中身は白っぽい色をしています。この見分け方は一部例外もあります。
ボタニ子
緑の野菜<キク科>3選
キク科の野菜には食べたときに苦みを感じるものが多いです。この苦みは野菜を切ったときに出てくる白い液体に由来しています。
①レタス
学名 | Lactuca sativa |
分類 | キク科アキノノゲシ属 |
種類 | 一年草・二年草 |
原産地 | 地中海沿岸・西アジア |
食べ方 | サラダなど |
レタスは、葉っぱが緑色の葉物野菜です。一般的なレタスは丸く結球しますが、なかには結球しないリーフレタスなどもあります。水分が多く、とても食感が瑞々しいため、生のままサラダに利用されることが多いです。
②フキ
学名 | Petasites japonicus |
分類 | キク科フキ属 |
種類 | 多年草 |
原産地 | 日本 |
食べ方 | 煮物など |
フキは日本原産の多年草で、山野などに自生しています。フキは緑色の葉っぱをしており、早春にでてくる花茎をフキノトウと呼びます。雌雄異株であり、葉っぱが大きいのが特徴です。
③シュンギク
学名 | Glebionis coronaria |
分類 | キク科シュンギク属 |
種類 | 一年草・二年草 |
原産地 | 地中海沿岸 |
食べ方 | 和え物など |
シュンギクはキクによく似た葉っぱが特徴です。葉っぱを食用に使う緑黄色野菜でもあります。種類によって葉っぱに切れ込みの少ないものなどがあるのが特徴です。花は黄色で舌状花に白い輪が入るものもあります。
緑の野菜<アブラナ科>5選
アブラナ科の野菜は栄養価を豊富に含んでいます。栄養価の高さから「台所のドクター」ともいわれ、生活習慣病の予防に効果的です。
①キャベツ
学名 | Brassica oleracea L. var. capitata |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
種類 | 多年草・一年草 |
原産地 | 西ヨーロッパ |
食べ方 | サラダ、炒め物など |
キャベツは緑色の葉をした葉物野菜です。冬キャベツと春キャベツがあり、アブラナ科特有の黄色い花を咲かせます。春キャベツと冬キャベツでは葉っぱの柔らかさに違いがあり、春キャベツの方が柔らかいです。
②小松菜
学名 | Brassica rapa var. perviridis |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
種類 | 一年草 |
原産地 | 東京都江戸川区 |
食べ方 | お浸しなど |
小松菜は、アブラナ科に属する緑黄色野菜です。丸い緑色の葉っぱを持ち、ホウレンソウに似た姿をしています。原産地は東京都江戸川区で、中国から入ってきた野菜を品種改良してできたものだとされます。アクが少なく食べやすい野菜です。
③チンゲンサイ
学名 | Brassica rapa var. chinensis |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
種類 | 中国野菜 |
原産地 | 中国 |
食べ方 | 炒め物など |
チンゲンサイは、中国原産のアブラナ科の野菜です。チンゲンサイの茎には厚みがあり、緑色のものと白色のものが存在しています。白色のものを「パクチョイ」と呼ぶことがありますが、どちらも葉っぱは丸みのある緑色です。
④ミズナ
学名 | Brassica rapa var. laciniifolia |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
種類 | 越年草 |
原産地 | 日本(京都) |
食べ方 | 漬物、煮物など |
ミズナは、緑色のキザキザした葉が特徴的な野菜です。京都府原産の野菜でもあり、「キョウナ」という名前でも知られています。ミズナの葉はヒイラギに似ているので、「柊葉」という別名もあります。関西地方ではメジャーですが、関東では2000年代に知られるようになった比較的新しい野菜です。
⑤ブロッコリー
学名 | Brassica oleracea var. italica |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
種類 | 一年草 |
原産地 | 地中海沿岸のヨーロッパ |
食べ方 | サラダなど |
ブロッコリーは、葉っぱではなくつぼみを食べる緑色の野菜です。花を食用とするキャベツが品種改良され、ブロッコリーになったといわれています。珍しい野菜ではありませんが、ブロッコリーは新しく日本に入ってきた野菜です。
緑の野菜<マメ科>3選
マメ科の野菜は種類が多く、栄養も豊富です。根に根粒菌(こんりゅうきん)を持ちます。そのため、栽培する際は肥料を少なめにするのがポイントです。
①エンドウマメ
学名 | Pisum sativum |
分類 | マメ科エンドウ属 |
種類 | 一年草・二年草 |
原産地 | 古代オリエント地方、地中海地方 |
食べ方 | 炒め物、サラダなど |
エンドウマメは、マメ科つる性の野菜です。一般的には緑色の豆ですが、なかには珍しい紫色や黄金色のエンドウマメもあります。サヤエンドウ・グリーンピースとエンドウマメは同じ野菜です。両種の違いは、収穫時期や食べる個所にあります。サヤエンドウはエンドウマメの若いさやを食べるもので、グリーンピースはエンドウマメの未熟な種子を食べるものとして区別されています。
②インゲンマメ
学名 | Phaseolus vulgaris |
分類 | マメ科インゲンマメ属 |
種類 | 一年草 |
原産地 | 中南米 |
食べ方 | 炒め物など |
インゲンマメは、長いやさをつけるマメ科の野菜です。つるなしとつるありの2種類の品種があります。つるあり品種の方がつるなし品種に比べて収穫期間が長いです。まだ熟していないさやを食べる「サヤインゲン」としても知られています。
③ソラマメ
学名 | Vicia faba |
分類 | マメ科ソラマメ属 |
種類 | 一年草・越年草 |
原産地 | 地中海・西南アジア |
食べ方 | スープ、塩ゆで |
ソラマメは、さやが空を向くことからソラマメという名前がつけられた野菜です。このやさは、マメが熟してくると下を向いたり地面と平行になったりします。ソラマメはとても古い野菜でもあり、世界最古の野菜だともいわれています。ソラマメをさやから出すと、つめの部分に黒いお歯黒と呼ばれる部分があるのが特徴です。
ボタニ子
まだまだ続きます。次のページはアオイ科から紹介します!
オクラは、表面は緑色で切ると中は白いですが、緑黄色野菜の一種です。このように緑黄色野菜には、中身に色がついていないものもあります。