プランターで野菜を栽培する際の基本
本格的に地植えで家庭菜園にチャレンジしなくても、庭の一角やベランダでもプランターを使えば簡単に野菜作りができます。プランター栽培は育てやすいので初めてでも失敗しにくいですが、美味しい野菜を作るには、プランター栽培の特徴や野菜作りの基本を押さえておく必要があります。
①栽培に適したサイズ選び
家庭菜園の野菜作りでは定番の野菜から珍しい種類の野菜まで幅広くチャレンジできますが、野菜作りをプランターで行う場合、プランターの大きさによって栽培できる野菜の種類が変わります。例えば根を地中に広げる野菜は深さのあるプランターがよいですし、ツルを伸ばす横に長いプランターでなければうまく育ちません。
育て方をチェックする
プランターで栽培したい野菜が決まっている場合は、野菜の育て方をチェックしてからプランターを選ぶのがおすすめです。例えば、育て方が簡単なことから初心者にも人気のトマトやナスなどは、最低でも深さが30cm以上あるプランターでないと栽培できません。
②プランターの材質をチェック
収穫目的の野菜作りなら、プランターの素材選びも大切!
観賞用に野菜をプランター栽培するのであれば素材も見た目で選んで問題ありませんが、収穫目的で野菜作りをするのであれば、プランターの素材にもこだわる必要があります。特に育て方の注意書きに「通気性のよい土で育てる」とある野菜は、湿気がこもりやすい化粧鉢よりも通気性のある素焼き素材のほうが管理が簡単です。
マンションのベランダは特に注意
マンションのような集合住宅のベランダ栽培は、特にプランターの素材選びに注意が必要です。マンションのベランダは熱がこもりやすいコンクリートなので、プランターを直置きすると土の温度が急激に上がってしまいます。そのため熱がこもりにくい素材のプランターを選ばないと、水枯れの原因になります。
③プランターの置き場を確認
野菜の育て方の基本は「日当たりのよい場所で育てる」です。これは本格的な家庭菜園や庭の地植えに限らず、ベランダでのプランター栽培にも同じことがいえます。日照不足は野菜の生育をにぶくするだけでなく、収穫した野菜の質も低下します。よい野菜作りに必要といわれる日照時間は、1日6時間以上が目安です。
夏場の西日は日照時間に含めず計算
太陽が出ている時間が長い夏場は日当たりの悪いベランダでも長く日に当てることができますが、夏場の西日を日照時間に含めて計算するのはNGです。西日を長く当てても、野菜の光合成は活性化しません。ですので、西日以外の時間で1日6時間以上の日照時間が確保できる置き場を選ぶようにしましょう。
④栽培に必要なアイテムの準備
コンパクトなスペースで野菜作りができるプランターですが、美味しい野菜を育てるには栽培に必要なアイテムの準備も必要です。例えば支柱は風よけとして使うこともできますし、追肥に必要な肥料も野菜作りには欠かせません。さらにツルを伸ばす野菜の場合は、ツルを誘引するネットも栽培に必要なアイテムの1つです。
置き場によっては遮熱アイテムも必要
「日当たりのよい置き場」は野菜作りの基本ですが、夏場など日差しが強い時期に長時間直射日光に当てると、葉焼けや水枯れの原因になります。そのため直接日が野菜にあたる場所で栽培する場合は、遮熱ネットやすだれなどを使って日除け・温度管理をすると育てやすいのでおすすめです。
⑤害虫対策
初心者が育てやすい野菜にも、野菜の生長に影響を与える害虫のリスクはあります。野菜の害虫は「土に寄生する」「外からやってきて葉や茎に寄生する」の2種類あるため、家庭菜園や地植えでの野菜作りだけでなくベランダでプランター栽培する場合も起こります。そのためプランターの野菜作りにも害虫対策は必要です。
害虫対策は予防が重要
初心者向けの野菜は比較的害虫がつきにくいため「育てやすい野菜」といわれますが、害虫が発生しないというわけではありません。しかも害虫の完全駆除は上級者でも難しいため、容易ではありません。だからこそ初心者の野菜作りでは「早めの害虫予防」が重要であり、予防こそが最も効果が高い害虫対策なのです。
プランター栽培におすすめの鉢
初心者の家庭菜園には地植えよりも育てやすいプランター栽培がおすすめですが、プランターは素材によって特長が違うため、選び方も野菜作りに大きく影響します。そこで、街のホームセンターで簡単に手に入る家庭菜園用プランターの特徴と、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
①プラスチック鉢
値段が安くサイズやカラーのバリエーションが豊富な万能鉢!
大和プラスチック 鉢カバー ツリー 8号 φ350×H310 サンドホワイト
参考価格: 2,244円
サイズのバリエーションが豊富で、価格もお手頃なものが多いです。本体の重量が軽いので、土を入れた状態でも持ち運びがしやすくおすすめです。
おすすめ度 | ★★★★ |
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サイズバリエーション | 豊富 |
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価格 | お手頃 |
②スリット鉢
ダイコンやゴボウなど土の中で成長する野菜におすすめ!
兼弥スリット鉢 24cm 8号 モスグリーン プランター
参考価格: 295円
プラスチック素材の鉢で、深さがある鉢がメインなのが特徴です。底の部分にスリットがあるため深さがあっても水はけがよいのがメリットですが、水やりのたびに土が少しずつ流れ出ることがあります。
おすすめ度 | ★★★ |
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サイズバリエーション | 深めが多い |
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価格 | お手頃 |
スリット鉢はプラスチックを素材の鉢で、配水用のスリット(切り込み)がついているのが特徴にあります。深さのある鉢が多いため根を大きく広げる植物や土の中で成長する野菜の栽培に適していますが、スリットから土がこぼれやすいうえに容量が大きいので移動するのが大変です。
③素焼き鉢
野菜だけでなく花や観葉植物にも使える定番タイプ!
素焼き鉢の性質として、高温で焼くことで小さな空気の層ができるので、水はけがよく初心者でも土の管理がしやすくなります。手ごろな値段と豊富なサイズバリエーションがメリットですが、うわぐすりをかけずに焼いているので割れやすいのがデメリットです。
植木鉢 おしゃれ 和風 素焼き 駄温鉢 8L< 31.4cm 10号 底穴あり 赤 茶 褐色 普通鉢 標準鉢 スタンダード 常滑焼 国産 日本製 陶器鉢 テラコッタ プランター 鉢 ガーデニング 室内 植え替え 鉢植え 園芸 観葉植物 多肉植物 塊根植物 サボテン 苔 DIY 人気 人工観葉植物 花 >
参考価格: 1,645円
素焼き鉢は「水はけのよい土」「通気性のよい土」で育てる野菜におすすめです。家庭菜園だけでなくラン栽培など園芸用としても人気があります。
おすすめ度 | ★★★★ |
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サイズバリエーション | 豊富 |
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価格 | お手頃 |
④テラコッタ鉢
おしゃれなベランダ家庭菜園を目指す人におすすめ!
テラコッタ鉢は素焼き鉢の1種で、初心者でも育てやすいため人気があります。水はけのよさと外気温が伝わりにくくおしゃれなタイプが多いのがメリットですが、割れやすくサイズが大きくなるほど重たくなる点がデメリットです。
植木鉢 イタリアンテラコッタ シリンドロ アリーナ M 8号
参考価格: 1,500円
「通気性のある土」「水はけのよい土」で栽培する野菜におすすめです。ナチュラルな雰囲気がインテリアにもなるので、観葉植物の鉢としても人気があります。
おすすめ度 | ★★★ |
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サイズバリエーション | 豊富 |
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価格 | やや高め |
⑤化粧鉢
おしゃれなインテリアになる室内のハーブ栽培にぴったり!
素焼き鉢・テラコッタ鉢と同じく、化粧鉢も土を焼いて作られています。うわぐすりをつけているので多少の衝撃でも割れにくくおしゃれなものが多いのですが、空気の穴がうわぐすりでふさがっているため通気性はあまりよくありません。あまり水やりを必要としない観葉植物の鉢にはおすすめです。
種まきから栽培するときは細かくチェックがポイント!