夏に植える野菜を楽しもう
夏は家庭菜園がにぎやかになる季節です。「庭がないから家庭菜園は無理」という方も、野菜づくりをあきらめる必要はありません。ベランダでプランターを使って簡単に栽培できる野菜は数多くあります。春に種まきした種が成長して苗になったら、家庭菜園やプランターに植え付けて収穫まで楽しみましょう。
夏に植える野菜の注意点
ホームセンターでも苗を買えますが、自分で種まきして育てた苗はやはり特別です。家庭菜園やプランターに植え付ける際に、時期によって注意することはあるのでしょうか?苗の植え付け時に注意するポイントを見ていきます。
6月に植える野菜の場合
6月は全国的に梅雨に入ります。そのため苗を育てるには、いつも以上に注意が必要です。湿度が高いので苗が病気にかかりやすくなったり、ほかの月より日照時間も短かかったりと、全ての種類の野菜にとって厳しい条件が重なります。苗を植え付けるタイミングに注意し、多湿対策もしっかりとりましょう。
7月に植える野菜の場合
7月は梅雨明けとともに一気に気温が上がってくる季節です。植え付ける苗の種類も耐暑性に注意が必要になります。晴れの日が続き害虫の動きも活発になる時期だけに、苗が食害されていないか注意しましょう。防虫ネットなどの対策も必要です。
8月に植える野菜の場合
近年、8月は猛暑になりやすく、植え付ける野菜は耐暑性のある種類を選ぶことが欠かせません。土も乾きやすくなり、タイミングを計りながら適切に水やりする必要があります。8月のように暑いときにこそ注意したい病害虫もあるため、苗に異常がないか常に観察して防ぎましょう。
夏に植える野菜10選【①~⑤】
①水菜
関東では京菜(きょうな)、関西では水菜と呼ばれますが、関東でも水菜の名前が浸透している野菜です。茎の細い品種はサラダでも大人気の野菜で、多くの方がスーパーなどで購入しているのではないでしょうか?水菜は自宅でも簡単に育てられるため、栽培に挑戦してみましょう。
基本情報
分類 | アブラナ科 |
発芽地温 | 20~30℃ |
生育適温 | 15~25℃ |
土壌酸度 | 弱酸性 |
種まき適期 | 3月中旬~10月 |
特徴
水菜は基本的に冷涼な気温を好むものの、コツさえつかめば一年中育てられて耐暑性もある野菜です。名前は「水と土があれば育つ」ということに由来していて、水やりを欠かさなければ丈夫に育ちます。家庭菜園初心者から、ベランダでのプランター栽培専門という方までにおすすめの野菜です。種まきから収穫まで野菜づくりを長く楽しめます。
②さつまいも
秋に収穫できる野菜の中でも人気の高い野菜がさつまいもです。さつまいもも6月に植え付けできる野菜の1つで、家庭菜園初心者でも簡単に育てられます。芋掘りは秋の家族用ツアーでも人気があります。そんな特別な体験をぜひ自宅で味わってみてください。
基本情報
分類 | ヒルガオ科 |
発芽適温 | 20~30℃ |
生育適温 | 25~30℃ |
土壌酸度 | 弱酸性 |
種まき適期 | 芽差しのみ(5月上旬~6月下旬) |
特徴
さつまいもの栽培は、家庭菜園の中でも広い敷地が必要と思われているかもしれません。しかし、ベランダでのプランター栽培もできる野菜で、マンション暮らしでも収穫を楽しめます。病害虫にも強いことから、野菜づくりが初めてという方にもピッタリです。収穫後も貯蔵性が高いため、採れ過ぎて困ることがないのもこの野菜の特徴といえるでしょう。
③ゴーヤ
近年グリーンカーテンとしても人気のゴーヤも、6月に植えられる野菜の1つです。グリーンカーテンとして使いながら収穫もできるゴーヤは、まさに一石二鳥の野菜といえるでしょう。ゴーヤのカーテンで涼みながら、食卓にも彩りを加えてみませんか?
基本情報
分類 | ウリ科 |
発芽地温 | 25~30℃ |
生育適温 | 20~30℃ |
土壌酸度 | 弱酸性~中性 |
種まき適期 | 3~6月 |
特徴
ゴーヤはとにかく耐暑性が高く、暑くなるほど生い茂り、雌花も多く付ける特徴があります。実付きが良いだけでなく高温・多日照で実がより大きくなることから、まさにグリーンカーテンに適した野菜です。プランター栽培にも向くことからベランダ菜園にもおすすめです。
④トウモロコシ
トウモロコシは一見難易度が高そうに見えますが、家庭菜園初心者でも簡単に育てられます。日当たりさえよければベランダのプランターでも簡単に育つため、採れたてのトウモロコシを味わえます。トウモロコシがお好きな方におすすめです。
基本情報
分類 | イネ科 |
発芽地温 | 25~30℃ |
生育適温 | 20~30℃ |
土壌酸度 | 中酸性~弱アルカリ性 |
種まき適期 | 3月下旬~7月下旬 |
特徴
トウモロコシは日当たりを確保するだけで、ベランダでのプランター栽培も可能です。特に鮮度が落ちやすい野菜のため、自家栽培したトウモロコシは売っているものとは味がまったく違います。肥料を好み、特に地植えにする場合は元肥が欠かせません。風媒花の特性から、多品種の混植は味の低下の原因になるため避けます。野菜づくりの楽しさを実感できる野菜です。
⑤人参
毎日のように使う野菜の1つである人参も夏に植える野菜です。人参は大きさからも分かるように、ベランダでのプランター栽培にも向いています。品種も豊富でサイズや形はもちろん、人参特有のにおいが薄い品種や黄色い品種、サラダ向きの品種などさまざまです。興味のわいた品種をいくつか育てて食べ比べてみてはいかがでしょうか?
基本情報
分類 | セリ科 |
発芽地温 | 15~25℃ |
生育適温 | 20℃前後 |
土壌酸度 | 中酸性~中性 |
種まき適期 | 3月~5月中旬・7月中旬~9月中旬 |
特徴
人参は春まきと夏まきと2回種まきの時期がある野菜です。人参は「発芽させれば成功」といわれるほど、種の発芽率が悪いとされます。コツさえつかめば発芽率を上げられるため、挑戦する価値は十分あります。人参は冷涼な気候を好むものの、苗の時期は耐暑性があって害虫被害も少ないです。家庭菜園では夏まきのほうが失敗しにくくおすすめといえます。
出典:写真AC