ネバネバ野菜の特徴
特徴①ねばりがある
ねばりのある野菜のネバネバの秘密は食物繊維です。ヤマイモなどのトロロをつくる種類の芋やモロヘイヤ、オクラなど独自の食感をもつ野菜には、食物繊維が豊富に含まれます。
ネバネバ成分①ムチン
ネバネバ野菜のねばりの成分の1つがムチンです。ムチンはヒトの体内にもある物質で、胃や腸の壁をおおって保護する働きがあります。ムチンは水にとける性質をもつ水溶性の食物繊維で、大和芋などのヤマイモの品種、モロヘイヤ、オクラに含まれます。
ネバネバ成分②ペクチン
ペクチンもムチンと同じ水溶性食物繊維で、ネバネバした性質をもちます。ペクチンは主に植物の細胞の中に含まれる成分です。ペクチンを含む代表的なネバネバ野菜は、オクラや里芋です。
ネバネバ成分③ガラクタン
ガラクタンもネバネバ野菜に含まれる食物繊維の1つです。オクラや里芋にはネバネバ成分のガラクタンが含まれています。寒天にも多く含まれる食物繊維です。
特徴②健康効果が高い
ねばりのある野菜のネバネバ成分には、多くの健康効果があります。体力をつける、胃腸を保護する、夏バテ対策などにもネバネバ成分を含む種類の野菜がおすすめです。
特徴④加熱で食感がかわる
ヤマノイモ系の品種は加熱によって食感が変わります。加熱すると主成分であるデンプンが変化し、ホクホクした食感になります。里芋系の品種は加熱によってねっとりした食感に変化するのが特徴です。
特徴④かゆみがでるものもある
ねばりをもつ芋類を触ると手がかゆくなる、食べた後に口の周りがかゆくなるなどの問題がおきることがあります。これは芋の皮の付近に含まれるシュウ酸カルシウムが原因です。シュウ酸カルシウムは針状の結晶の集まりで、皮をむくことで針状の結晶がバラバラになって肌を刺激します。
かゆくなったときの対処法
ねばりのある芋によっておこるかゆみには、レモン汁や酢などの酸を利用しましょう。水で薄めたレモン汁や酢で手を洗うとかゆみが早くおさまるといわれます。また、皮をむいた芋を酢水につけるとかゆみの軽減だけでなく変色やアクぬきにもなります。
アレルギーでかゆくなることも
アレルギーによってネバネバの芋類でかゆみを感じることがあります。アレルギーによってかゆくなる場合は、シュウ酸カルシウムによる刺激とは異なり、酢やレモン汁では対応できません。
ネバネバ野菜10選
ネバネバ野菜①ナガイモ
ナガイモは長い棒状で水分が多くキメが粗い芋で、ヤマノイモとしてはもっとも一般的に流通する品種です。ナガイモは、ヤマノイモ系の芋の中ではねばりが弱いのが特徴です。デンプン分解酵素アミラーゼを含むため生で食べられます。
ネバネバ野菜②ツクネ芋(大和芋)
ツクネ芋は、関西では大和芋(ヤマトイモ)とも呼ばれるヤマノイモの仲間です。人間の拳状の形をしているツクネ芋は、ねばりがとても強く日持ちがよいのが特徴です。薯蕷(ジョウヨ)まんじゅうにはこのツクネ芋が使われます。
ネバネバ野菜③自然薯
ヤマノイモの野生種が自然薯(ジネンジョ)です。日本に自生し、長さは60cm~1m程度、うま味が濃く、ねばりが非常に強いのが特徴です。天然の自然薯はたいへん高価ですが、最近では栽培された自然薯もあります。
ネバネバ野菜④銀杏芋(イチョウイモ)
扁平でイチョウの葉のような形の銀杏芋(イチョウイモ)は、関東では大和芋とも呼ばれます。ねばりが強いのが特徴です。
ネバネバ野菜⑤ムカゴ
ムカゴは、ナガイモや自然薯の葉のつけ根につく小さな芋です。生ではカリカリとした、加熱するとねっとりした食感を楽しめます。おすすめの使い方はムカゴご飯やみそ汁の具などです。
ネバネバ野菜⑥里芋
山でとれるヤマイモに対して、里芋は人によって栽培される種類の芋を指します。里芋は生では食べませんが、皮をむくときに、かゆみがおこることがあります。かゆみが気になる場合は皮ごと熱湯で3分ほどゆでて冷水にとり、指で外皮を取り除く方法がおすすめです。
ネバネバ野菜⑦ツルムラサキ
夏が旬のネバネバの葉野菜の代表がツルムラサキです。栄養価が高く、免疫力を高めてくれるといわれます。熱に弱いビタミンCが豊富なので、加熱、調理時間は短くすることがポイントです。
ネバネバ野菜⑧モロヘイヤ
モロヘイヤは葉をさっとゆでて、包丁でたたくとねばりがでます。エジプトでは5000年前から栽培され、日本には1980年代に輸入されました。栄養価が高く、スープや炒め物など使い方も幅広いので人気のネバネバ葉野菜です。
ネバネバ野菜⑨オクラ
オクラも夏が旬の人気のネバネバ野菜です。アフリカ大陸原産で2000年以上前からエジプトで栽培されていたと記され、加熱によってネバネバが強くなります。ネバネバ食感と同時に楽しめる種のプチプチした歯ざわりもオクラの魅力です。
ネバネバ野菜⑩明日葉
明日葉は日本の温暖な海岸に自生する薬効のある山野草です。明日葉の名前は、若葉を摘むと明日には新しい新芽がのびるという生命力の強さに由来します。明日葉はセリに似た香りをもち、ビタミンとミネラルが豊富な健康野菜です。
ネバネバ野菜のおいしいレシピ
レシピ①ネバネバサラダ
材料(4人分)
- ヤマイモ:約6cm
- オクラ:4~5本
- キュウリ:1本
- タコ:50~100g
- タクアン:約30g
- 納豆:1パック
<ドレッシング>
- しょうゆ:小さじ1
- 酢:小さじ1
- ゴマ油:小さじ1
- 白ゴマ:適量
作り方
- 納豆以外の材料をすべて1cm角に切る
- 材料をすべて混ぜ合わせる
- ドレッシングの材料をすべて混ぜ合わせる
- 野菜をドレッシングであえる
レシピ②ネバネバおひたし
材料(4人分)
- ナガイモ:約10cm
- オクラ:8本
- モロヘイヤ:1/2束
- ミョウガ:1本
- ショウガ:ひとかけ
- シソ:3枚
- かつお節:適量
- しょうゆ:適量
作り方
- オクラとモロヘイヤはゆでて細かく切る
- ミョウガ、ネギ、シソも細かく切る
- ショウガとナガイモはすりおろす
- 4のナガイモに1をまぜ、2も加える
- かつお節に3のショウガとしょうゆを混ぜてあえる
ネバネバ野菜の効能
効能①疲労回復
多くのネバネバ野菜に含まれる成分ムチンには、多くの効能があります。ムチンがもつといわれる効能は疲労回復、ドライアイの予防、肝臓や腎臓の働きを高める、胃炎を防ぐなどです。
効能②体力アップ
ヤマイモの根茎の皮をむいて蒸し、乾燥させるとサンヤクという生薬になります。サンヤクには滋養強壮や止瀉(ししゃ)を目的に漢方薬に配合れます。明日葉、ツルムラサキ、モロヘイヤなども古くから体力をアップするために食べられてきたネバネバ野菜です。
効能③コレステロールの低下
ネバネバ野菜に含まれるペクチンには、血糖値やコレステロール値を降下する効能があるといわれます。また、里芋に含まれるねばり成分ガラクタンにも、コレステロールを低下させる働きが認められています。
効能④おなかの調子を整える
ねばり成分のペクチンには胃腸の調子を整える働きが認められています。ペクチンが胃を保護しながら、胃腸の働きを整えます。ヤマノイモの根茎を蒸して乾燥したサンヤクは消化促進効果が認められている生薬です。
効能⑤うるおいをキープする
ネバネバの成分は水分をキープする力が強く、うるおいを長く保ちます。ビタミンやミネラル豊富なネバネバ野菜は抗老化や皮膚・粘膜を健康な状態に保つスキンケア効果も期待できます。
まとめ
健康にうれしい栄養や効能がいっぱいのネバネバ野菜の種類は数多くあります。ネバネバ野菜同士の組み合せや使い方は無限大なので、楽しみながら体がよろこぶレシピを楽しんでみてはいかがでしょうか。