カボチャについて
かぼちゃはもともとアメリカ大陸原産の野菜で、日本には16世紀にポルトガルから伝わりました。当時はカンボジアから伝わったとされていたので、「カンボジア」が訛って「カボチャ」と名付けられたといわれます。近年では品種改良によりさまざまな新品種が登場し栽培、販売されています。
3つの品種グループ
カボチャの種類は、「日本カボチャ」「西洋カボチャ」「ペポカボチャ」の大きく3つのグループに分けられます。それぞれグループごとに特徴があり、食感や味によって向いている料理も異なっています。
日本カボチャ
日本カボチャは中央アメリカ原産で、16世紀半ばころにポルトガルから伝わりました。皮の表面が凸凹としていて、ねっとりとした食感が特徴です。水分が多くあっさりとした味の種類が多く、日本料理に適しています。そのため、煮物や揚げ物に利用されることが多いです。
西洋カボチャ
西洋カボチャは南アメリカ原産で、19世紀にアメリカから伝わりました。日本カボチャと比べると凹凸が少なく、ツルッとしています。また甘味が強く、ホクホクとした食感で、炒め物や揚げ物、スープなどによく利用されます。もともとは流通が少なかったですが、洋食化によって現在では主流になりました。
ペポカボチャ
ペポカボチャは北米原産の種類の総称で、さまざまな種類があり、日本では流通が少なく珍しいものも多いです。そうめんカボチャやズッキーニなど食べられる種類はもちろんのこと、ハロウィンで飾るおもちゃカボチャなども含まれています。食べられる種類は、たんぱくな味のものが多く、肉料理に利用されることが多いです。
カボチャの品種図鑑・日本カボチャ
日本カボチャの品種①小菊カボチャ
小菊カボチャは名前のとおり、上から見た形が菊の花に似ていることから名づけられたとされています。直径15~20cm、重さ500~700gほどで、手のひらに収まる大きさです。能登野菜のひとつとされ、石川県や福井県など北陸地方での生産が盛んです。煮崩れしにくく、味が染み込みやすいので、古くから煮物などに利用されています。
日本カボチャの品種②黒皮カボチャ
黒皮カボチャは名前のとおり、黒い皮の日本カボチャです。宮崎県の伝統野菜で、日本料理で使用される高級食材のひとつとされています。直径20cm前後、重さ500~1,000gとそれほど大きくなりません。煮崩れしにくく、果肉が粘質なので煮物に利用されることが多いです。
日本カボチャの品種③バターナッツカボチャ
バターナッツカボチャはひょうたん型で、ナッツのような香りがするカボチャです。もともとはアメリカ大陸原産ですが、分類学上は日本カボチャに分けられます。ひょうたん型の上部は果肉のみで、下部にカボチャの種が詰まっています。ほかの日本カボチャと比べて水分が多いので、煮物にはあまり向きません。フライやポタージュ、プリンで食べるのがおすすめです。
日本カボチャの品種④鶴首カボチャ
鶴首カボチャは、鶴の首のように細長いひょうたん型をしたカボチャです。愛知県では古くから栽培されている伝統野菜ですが、近年では西洋カボチャの人気が高く、生産量が減った珍しい種類です。鶴首カボチャは、ひょうたん型の上下で質感が異なるため食べ方も変わってきます。上部は水分が多いのでフライやポタージュに、下部は水分が少ないので煮物に向いています。
日本カボチャの品種⑤島カボチャ
島かぼちゃは、沖縄で古くから栽培されているカボチャ全般を指します。カボチャが沖縄に伝わった後、各農家が代々自家採種を繰り返し栽培しているので、変異や交配によって、地域ごとに丸い形やひょうたん型などさまざまな見た目です。果肉は粘質なものがほとんどで、煮物に適しています。