9月に植える・植えられる野菜の注意点
①植え付け適期を逃さない
春に植える野菜は、植え付け後に徐々に暖かくなるため、植え付ける時期が多少遅れても挽回できます。しかし9月に植える野菜の多くは、秋の涼しい時期に成長し、寒くなるにつれて徐々に成長スピードが落ちてしまいます。植え付けの適期を逃すと十分に成長せずに冬を迎えてしまうため、植え付け適期を逃さないでください。
②害虫対策をする
9月は害虫の被害が減ってきますが、まだまだ活動する時期です。特にアブラナ科の野菜を育てる場合は、防虫ネットをかけるなどの対策をしましょう。害虫は寒くなるにつれて徐々に減ってくるため、最初にしっかりと対策をしておけば被害を防げます。
➂秋雨対策をする
9~10月ごろは、秋雨前線による長雨が降る可能性があります。雨が長く降り続くと、土中が常に湿って病気の発生や、害虫被害も多くなります。そのため排水がよくなるように畝を立てたり、マルチを張ったりして雨対策を施しましょう。
9月に植える・植えられる野菜①ブロッコリー
ブロッコリーはアブラナ科の野菜で、花蕾とよばれる部分を食用とします。スーパーでよく見かけられるのは先端の頂花蕾とよばれる部分ですが、家庭菜園では頂花蕾を収穫した後も栽培しつづけ、脇芽が伸びた側花蕾も収穫するのがおすすめです。種をまくのは7~8月で、9月ごろに苗を植え付け、10月の終わりから収獲が始まります。
基本情報
科目 | アブラナ科 |
連作障害 | あり(1~2年あける) |
発芽適温 | 20~25℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
適正土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
植え付けの間隔 | 45cm |
育て方のコツや注意点
品種選び
ブロッコリーには大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目は側花蕾が出にくいタイプで頂花蕾が大きく成長しますが、その後の側花蕾の収穫は楽しめません。もう1つは側花蕾が出やすいタイプで頂花蕾がやや小ぶりですが、その後側花蕾がどんどんと出てきて冬中収穫できます。好みにあわせて品種を選んでください。
防虫ネットを張る
ブロッコリーはアオムシやヨトウムシの被害にあいやすいため、育苗中から収穫まで防虫ネットを張って対策しましょう。また、チョウが嫌がるレタスを混植すると忌避効果でアオムシの被害を防げます。
プランターでの簡単な育て方
ブロッコリーをプランター栽培する場合は、縦横ともに30cm以上の大きなプランターを用意しましょう。育苗は必要なく、プランターに直接種をまいてそのまま育てられるため、初心者の方にもおすすめです。種をまいたら収穫まで防虫ネットを張ってしまえば、害虫の被害はほとんどありません。
9月に植える・植えられる野菜②キャベツ
キャベツは冷涼な気候を好む野菜で、秋が育てやすい時期です。7~8月に種をまいて9月ごろに苗の植え付けをして育てましょう。栽培は比較的簡単なので、家庭菜園初心者の方にもおすすめです。サラダや付け合わせはもちろん、スープや炒め物などさまざまな料理に利用できます。
基本情報
科目 | アブラナ科 |
連作障害 | あり(1~2年あける) |
発芽適温 | 15~30℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
適正土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
植え付けの間隔 | 35~60cm |
育て方のコツや注意点
株間の調整
キャベツの苗の植え付け間隔は50cmが一般的ですが、品種や好みにあわせて調整しましょう。株間を狭くすると小さな球に、広くすれば大きな球になります。株間を広げて大玉に育てるのもよいですが、小さな球のほうが一度で食べきりやすい場合もあるため調整してみてください。
こまめな追肥
キャベツは収穫までの期間が長く、肥料の要求度が高い野菜です。元肥はやや多めに施し、追肥も生育にあわせて3回施しましょう。具体的には本葉が10枚くらいのころに1回目、それから約20日後に2回目、結球し始めたころに3回目の追肥をします。肥料が不足すると、結球せずに育ってしまうため注意しましょう。
プランターでの簡単な育て方
キャベツをプランターで育てる場合は育苗をせず、直接種まきして育てましょう。キャベツの天敵であるアオムシも、プランターごと防虫ネットでおおってしまえば簡単に防げます。また、プランターでは育てられる数が限られるため、ミニ品種を選ぶとひとつのプランターで多く育てられておすすめです。
9月に植える・植えられる野菜③ほうれん草
ほうれん草は、家庭菜園で育てられる葉物野菜の代表格です。近年では品種改良がおこなわれ1年中育てられますが、一番おいしいのは秋にまいて冬に収穫するほうれん草です。秋に種をまくと、冬の寒さにさらされとても甘いほうれん草に育ちます。プランターでも手軽に育てられるので、家庭菜園初心者の方にもおすすめです。
基本情報
科目 | アカザ科 |
連作障害 | あり(1年あける) |
発芽適温 | 15~20℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
適正土壌酸度 | pH6.3~7.1 |
種まきの間隔 | 2~3cm |
育て方のコツや注意点
土壌調整をしっかりと
ほうれん草は酸性の土壌を嫌い、ほかの野菜よりも土壌調整が重要です。可能であれば畑の土壌の酸度を計測し、pHにあわせて石灰をまいて酸度調整しましょう。酸度調整さえしっかりとできていれば、家庭菜園の中でも特に容易に育てられます。
寒さ対策をする
ほうれん草は寒さに当たることで甘味が増しますが、厳冬期にそのまま育てると葉先に冷害が起きることがあります。そのため、不織布をべたがけするかビニールトンネルをかけて寒さ対策をするとよいでしょう。収穫の数日前から防寒資材を外して寒さに当てると、甘味が増しておいしいほうれん草が収穫できます。
プランターでの簡単な育て方
ほうれん草は小さなプランターでも育てられるので、ベランダなど省スペースの場所でも栽培可能です。一度に種をまいてしまうと一気に収穫期がきてしまうので、複数のプランターを用意して、時期を少しずつずらして種をまくのがおすすめです。防寒対策として、不織布やビニールトンネルをかけてもいいですが、寒い日だけ室内に取り込む方法もあります。
出典:写真AC