紫・ピンクの野菜の特徴
近年、身近なスーパーでも紫やピンク色の野菜の品揃えが増えつつあります。紫やピンク色の野菜を料理に使うと、ひときわ鮮やかな一品に仕上がります。また栄養価も高いので、上手に取り入れることで見た目とともに栄養バランスもよくなります。
アントシアニンの力
紫、ピンクの野菜の色は、アントシアニン(アントシアン)といわれる色素によるものです。アントシアニンは高い抗酸化作用をもち、視力の改善や、メタボリックシンドロームや花粉症の予防などさまざまな効果があるとされています。健康のためにも、積極的に取り入れたい食べ物といえるでしょう。
- アントシアニンの健康効果
- ◎視覚機能を改善する効果
◎眼病予防効果
◎メタボリックシンドロームを予防する効果
◎花粉症を予防する効果
調理時の注意
アントシアニンは加熱に弱い成分です。そのため、栄養素を無駄なく取り入れるには生のままで食べるのが適しています。加熱が必要な種類の場合は、高温でサッと炒めるか、しゃぶしゃぶのように短時間茹でるだけにしましょう。また、茹でると煮汁に色が移ることが多いので、料理によっては避けたほうがよいですね。
紫・ピンクの野菜①~⑥
紫・ピンクの野菜①キンジソウ
基本情報
科・属 | キク科キク属 |
旬の時期 | 7~9月頃 |
調理方法 | 生・茹でる・焼く・揚げる |
キンジソウの特徴
キンジソウは、スイゼンジナやハンダマなどとも呼ばれ、沖縄県や熊本県の伝統的な野菜です。春菊に似た香りと、独特のヌメリ、そしてワカメのような食感があります。シンプルにサラダで食べても美味しく、おひたしや天ぷらもおすすめです。アントシアニンとともにカロテンが豊富に含まれています。
紫・ピンクの野菜②紫カリフラワー
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 11~3月頃 |
調理方法 | 生・茹でる・焼く・揚げる |
紫カリフラワーの特徴
紫カリフラワーは、名前のとおり紫色に改良されたカリフラワーです。種類によって茹でると紫が残るものと抜けるものがあり、紫が残るものはレモンや酢をかけると赤紫色になります。また紫が抜けるものは、緑になってもお酢やマヨネーズをかけるとピンク色に戻るので、品種にあわせていろいろな調理を試してみてください。食卓で色を変化させるのも楽しみ方のひとつです。
紫・ピンクの野菜③紫ミズナ
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 12~3月頃 |
調理方法 | 生・炒める・茹でる |
紫ミズナの特徴
紫ミズナは昔から京都で栽培されている京野菜のひとつです。一般的なミズナより柔らかくシャキシャキとした食感で、色味を活かしてサラダなどの生食がおすすめです。火を通す場合は短時間であればうっすらと色味が残るので、サッと炒めものにするか、しゃぶしゃぶなどで食べてみてください。
紫・ピンクの野菜④コウサイタイ
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 2~4月 |
調理方法 | 茹でる・焼く・揚げる |
コウサイタイの特徴
コウサイタイはアブラナ科の中国野菜で、菜の花の仲間です。茎の紫色と、咲き始めた黄色い花のコントラストが目を引きます。中国野菜なので、特に中華料理との相性がよい食べ物ですが、普通の炒め物やスープにしても美味しいです。いずれにしても、火を通しすぎると色が飛んでしまうので注意してください。花の部分には少し苦みがありますが、料理のよいアクセントになります。
紫・ピンクの野菜⑤あやめ雪
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 3~5月 |
調理方法 | 生・焼く |
あやめ雪の特徴
あやめ雪は、白と紫のツートンカラーが美しい小かぶの仲間です。柔らかくてシャキシャキとした食感なので、サラダなどの生食に向いています。酢漬けにすると全体的にピンク色に染まり、きれいな一品に仕上がります。熱を加えすぎると、紫色が黒っぽくなってしまうので、注意してください。葉っぱも、小松菜などの葉物と同じように使用できます。
紫・ピンクの野菜⑥ゴルゴ(ビーツ)
基本情報
科・属 | ヒユ科フダンソウ属 |
旬の時期 | 6~7月頃・11~12月頃 |
調理方法 | 生・茹でる |
ゴルゴの特徴
ビーツのゴルゴという品種は、輪切りにすると渦巻き模様をしています。ピンクと白色のコントラストが美しく、見た目を活かすためにスライスして利用するのがおすすめです。加熱すると模様が薄れてしまうので、そのままサラダにしたり酢漬けにしたりして生で食べましょう。加熱する場合は、塩と酢を少し入れた湯でサッと茹でるのが色を保つコツです。
紫・ピンクの野菜⑦~⑫
紫・ピンクの野菜⑦スイスチャード
基本情報
科・属 | ヒユ科フダンソウ属 |
旬の時期 | 5~10月頃 |
調理方法 | 生・茹でる・焼く・煮る |
スイスチャードの特徴
スイスチャードは別名フダンソウとも呼ばれる、ほうれん草に近い葉物野菜です。茎と葉脈がカラフルに色づき、ピンク以外にも黄色や紫、赤色のものがあります。若い葉は柔らかく、サラダに混ぜるとカラフルに仕上がります。成長した葉は少し硬くなるので、火を通して食べてください。その際は茎と葉を分けて、硬い茎を先に火をかけるのがコツです。
紫・ピンクの野菜⑧紫白菜
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 11~2月 |
調理方法 | 生 |
紫白菜の特徴
紫白菜は外葉が緑ですが、内側が紫色で、芯は黄色とカラフルな白菜です。一般的な白菜と違い、葉の表面に産毛が生えていないので、生で食べられます。サラダはもちろん、酢漬けや浅漬けにすると一層色鮮やかになるのでおすすめです。白菜は鍋に入れるのが定番ですが、紫白菜は色素が溶け出してほかの食材も紫色になってしまうので、鍋に入れる場合は注意してください。
紫・ピンクの野菜⑨紫キャベツ
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 12~1月 |
調理方法 | 生・焼く |
紫キャベツの特徴
紫キャベツは別名レッドキャベツともよばれ、濃い紫色から赤色をしています。一般的なキャベツより少し小ぶりで、葉の断面は白色です。茹でると色素が煮汁に溶け出しすので、生や炒めて食べるのがおすすめです。そのままサラダにしてもよいですが、酢につけるとより赤みが強く鮮やかになります。
紫・ピンクの野菜⑩トレビス
基本情報
科・属 | キク科キクニガナ属 |
旬の時期 | 11~3月 |
調理方法 | 生・焼く・煮る |
トレビスの特徴
トレビスは紫キャベツに似ていますが、レタスに近いチコリの仲間です。イタリアではとてもポピュラーな食べ物で、さまざまな料理に使用されています。トレビスは紫キャベツとは違い、葉先の部分だけ紫色で軸は白色です。少し苦みがあるので、レタスをメインにしたサラダに混ぜると、味にアクセントが出ますよ。
紫・ピンクの野菜⑪コールラビ
基本情報
科・属 | アブラナ科アブラナ属 |
旬の時期 | 6月、11月 |
調理方法 | 生・茹でる・焼く・煮る |
コールラビの特徴
コールラビはアブラナ科の野菜で、キャベツに近い野菜です。紫色のものと黄緑色の種類がありますが、皮をむくとどちらも白っぽい色をしています。シャキシャキとして、キャベツとリンゴの味を足したフルーツのような味と表現されることが多いです。生だけでなく、炒め物から汁物までさまざまな料理に使用できて、使い勝手のよい野菜です。
紫・ピンクの野菜⑫ゼブラナス
基本方法
科・属 | ナス科ナス属 |
旬の時期 | 7~9月 |
調理方法 | 焼く・揚げる |
ゼブラナスの特徴
ゼブラナスは、紫と白色のゼブラ模様がきれいなナスです。イタリアの伝統的な種類で、一般的なナスより一回り小ぶりで、皮が少し硬めです。皮が硬く、生では苦みがあるので漬物などには向かず、ステーキや素揚げなど加熱調理が向いています。加熱することで独特の苦みがなくなり、甘くジューシーな果肉を楽しめます。
紫・ピンクの野菜を取り入れよう
紫やピンクの野菜は、食材として少し取り入れるだけで、簡単にカラフルな料理に仕上がります。また彩りがよくなるだけでなく、栄養価も高くなるので、積極的に取り入れるのがおすすめです。スーパーで見かけたら、ぜひ調理してみてください。
出典:写真AC