野菜くずで育てられる「再生野菜」とは?栽培におすすめの野菜もご紹介!

野菜くずで育てられる「再生野菜」とは?栽培におすすめの野菜もご紹介!

「SDGs」が広く知られ始めている近年、再生野菜(リボベジ)が注目を集めています。再生野菜は、野菜くずがあれば家庭で簡単にチャレンジできる野菜の栽培方法です。この記事では、リボべジにおすすめの野菜を紹介します。料理後の野菜くずで再生野菜に挑戦しましょう。

記事の目次

  1. 1.再生野菜(リボベジ)とは
  2. 2.野菜くずで育てる再生野菜の魅力
  3. 3.再生野菜におすすめの野菜7選
  4. 4.再生野菜を取り扱うときの注意点
  5. 5.再生野菜にチャレンジしてみよう!

再生野菜(リボベジ)とは

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再生野菜とは、料理で残る野菜くずを使い、野菜の葉や茎などを育てる(再生させる)ことをいいます。「リボーン・ベジタブル」を略した「リボベジ」とも呼ばれます。エコで節約にも効果的と人気を集める野菜の栽培方法です。

ボタニ子

ボタニ子

近年は「SDGs(エスディージーズ)」の観点からも注目を集めている野菜の栽培方法です!

野菜くずで育てる再生野菜の魅力

魅力①誰でも簡単に育てられる

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再生野菜は、野菜くずを水につけるだけで誰でも簡単に育てられます。特別なテクニックなどは必要ありません。短期間で収穫できる野菜も多く、初心者でも失敗しにくいのが魅力です。

魅力②野菜くずと家にあるもので栽培できる

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再生野菜の栽培は、野菜くずと家にあるものだけでチャレンジできます。土や苗などを用意する労力やコストはかかりません。栽培容器は、皿・コップ・空き瓶などで十分です。購入時に入っていた容器をそのまま使ってもよいでしょう。

魅力③エコで地球に優しい

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近年、問題になっているフードロスとは、まだ食べられるはずの食品を廃棄してしまうことです。再生野菜の材料は、ゴミとして捨てられがちな野菜くずで、栽培によってフードロスを減らせます。エコで地球に優しいのも大きな魅力です。

魅力④家計を節約できる

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育てた再生野菜を料理に使えば、家計を節約できます。たとえば、豆苗はリボベジをすれば、1回の購入で2~3回食べられます。再生野菜の節約効果は、意外に大きいかもしれません。

魅力⑤子どもの食育・自由研究にもおすすめ

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再生野菜は、子どもの食育・自由研究にもおすすめです。野菜嫌いな子どもでも、自分で栽培・収穫した野菜なら食べられるかもしれません。また、夏休みや冬休み中の自由研究として、豆苗やネギなどの短期間で簡単に育てられる野菜を栽培し、観察日記をつけてみるのもよいでしょう。

再生野菜におすすめの野菜7選

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すべての野菜が再生栽培できるわけではありません。再生野菜におすすめの野菜と簡単な育て方をご覚えて実践しましょう。同じ方法で栽培できる野菜も多いため、いろいろな野菜を育ててみてくださいね。

ボタニ子

ボタニ子

以下でご紹介する②・③のにんじんの葉・大根の葉、⑤~⑦のネギ・ほうれん草・小松菜は、同じ栽培方法です。

おすすめの野菜①豆苗

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豆苗は、育てやすく栽培に失敗しにくい再生野菜で、再生回数は1~2回程度です。栽培開始から約1週間という短期で収穫でき、しっかりとした量を収穫できることから、節約の観点からもおすすめです。

豆苗の育て方

出典:筆者撮影

  1. 料理で残った根元部分を水につける
  2. 水を毎日交換しながら育てる。夏場は朝と夜の2回交換する

豆苗は、脇芽を残すようにカットするのがポイント!そうすることで、葉や茎の再生量が増えます。

ボタニ子

ボタニ子

購入時に入っていた袋の下半分をカットすれば、容器代わりに使えますよ。

豆苗とよく似た野菜(かいわれ・スプラウト類)

出典:筆者撮影

豆苗とよく似た野菜に、かいわれ・スプラウト類(ブロッコリースプラウトなど)がありますが、これらをリボベジで育てても収穫量はあまり期待できません。豆苗とは違い、かいわれ・スプラウト類の茎や葉は、一度切ると再生されないからです。収穫できるのは、数少ない未発芽の種から伸びた分だけです。

ボタニ子

ボタニ子

かいわれ・スプラウト類は、リボベジよりも種からの水栽培がおすすめです。種からでも、短期間で簡単に育てられますよ。

おすすめの野菜②にんじんの葉

出典:筆者撮影

にんじんのリボベジでは、葉を育てます。オレンジ色の根の部分は再生できません。早ければ、栽培開始から2~3日で芽が生え始めるでしょう。にんじんの葉は、カロテン・カルシウム・鉄分などの栄養が豊富で、野菜スープに入れると美味しく食べられます。

にんじんの葉の育て方

出典:筆者撮影

  1. カットするとき、少し長めにヘタを残す
  2. 容器に薄く水を張り、ヘタを入れて水栽培する

水は、にんじんの切り口全体がぎりぎりつかる量にするのがポイント!多すぎると、腐りやすくなります。

おすすめの野菜③大根の葉

出典:筆者撮影

にんじん同様、大根のリボベジで育つのも、緑色の葉の部分です。白い根の部分は再生できません。大根の葉は、ビタミンC・カルシウム・鉄分などの栄養が豊富で、味噌汁の具におすすめですよ。育て方は、にんじんの葉と同じです。

元々葉がある場合、葉の根本を少し長めに残しておくのがポイント!水栽培すると、ヘタの中心部から葉が伸びてきます。

おすすめの野菜④アボカド

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アボカドのリボベジは、収穫目的ではなく観葉植物として楽しみましょう(家庭で実がなるのは、かなり稀です)。栽培に人気ですが、意外に難易度が高く、上手く発芽できないこともあります。発芽まで1~2カ月間かかりますよ。

ボタニ子

ボタニ子

多少、傷のついた種でも問題ありませんよ。転がりやすいアボカドの種は、下記の方法で育てます。

アボカドの育て方

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  1. 種をよく洗う
  2. 尖った方を上にし、種につまようじを数本さす
  3. 種の下1/3を水につけ、水栽培する

ポイントは、①腐敗や発芽抑制の原因となる実をよく洗い流す、②乾くと発芽できなくなるので、種はすぐ植えるの2点です!

おすすめの野菜⑤ネギ

出典:筆者撮影

ネギのリボベジには、料理で残った根本部分を使いましょう。水栽培すると、断面の中心部からぐんぐんと伸び、栽培開始から1~2週間で収穫できます。ネギも、豆苗同様、短期で収穫でき、しっかりとした量を収穫できることから、節約の観点からもおすすめの再生野菜です。

ボタニ子

ボタニ子

ネギは倒れやすいので、口径の狭い容器で育てるか、下記の方法で育てます。

ネギの育て方

スポンジを用意し、容器の口径と同じくらいの大きさに切る。
出典:筆者撮影

1の真ん中に十字の切り込みを入れ、ネギをさす。
出典:筆者撮影

水を入れた容器に2を入れ、水栽培する。
出典:筆者撮影

おすすめの野菜⑥ほうれん草

出典:筆者撮影

ほうれん草のリボベジも、根本部分の野菜くずを使います。水栽培すると、中心部から葉が伸びます。ほうれん草も倒れやすいため、ネギ同様、口径の狭い容器で育てるか、スポンジで固定して育てましょう。「ネギの育て方」を参考に育ててください。

おすすめの野菜⑦小松菜

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ほうれん草とよく似た小松菜は、ほうれん草よりもアクが少なく、野菜嫌いな方にもおすすめです。育て方は、ほうれん草同様、「ネギの育て方」を参考にしましょう。

ボタニ子

ボタニ子

アントシアニンを含む紫色の小松菜もあります。

ボタ爺

ボタ爺

どの野菜も、水栽培である程度まで育ったら、土に植え替えられるぞ!

再生野菜を取り扱うときの注意点

Photo bykaboompics

再生野菜では衛生面に注意する必要があります。育てるときも、食べるときも、清潔を保持しなければなりません。通常の野菜を扱うときよりも衛生管理に気をつけて、栽培・調理しましょう。

育てる際の注意点

①野菜くずを浸す水は小まめに交換する

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野菜くずを浸す水は小まめに交換し、清潔を保ちましょう。冬でも1日に1回は交換したほうがよいでしょう。夏はさらに頻繁に水交換し、腐敗を防ぎます。

②水を多く入れすぎない

出典:筆者撮影

野菜くずを浸す水は、多く入れすぎないよう注意しましょう。適量は、野菜くずの底面全体が水に浸るぐらいです。野菜くずを水に深くつけすぎると腐敗の原因になります。

③定期的に容器と野菜くずを洗う

出典:筆者撮影

定期的に容器と野菜くず(特に底面)を水洗いしましょう。水交換の度に毎回やる必要はありませんが、ぬめりがつき始めたら、すぐに洗い流すことは不可欠です。

ボタニ子

ボタニ子

とくに豆苗の根の底部分、わりとぬめっているんですよ…容器もしっかりぬめりを落としましょう!

④野菜くずが腐敗したら捨てる

Photo byAlexas_Fotos

もし野菜くずが腐ったり、カビが生えたりした場合には、すぐに栽培を中止してください。もし腐った野菜くずからすでに再生野菜が育っていたとしても、不衛生のため食べずに捨てましょう。

ボタニ子

ボタニ子

気をつけていても夏場はとくに傷みやすいから、もったいなくても捨てるのが安全です!

食べる際の注意点

再生野菜は必ず加熱する

Photo by256417

家庭では、なかなか厳密な衛生管理は難しいため、生のままで食べないように加熱調理しましょう。熱を通したほうが、安心して食べられますよ。

ボタニ子

ボタニ子

節約した再生野菜を食べたのに、病院代がかかった…なんてオチにならないように気をつけましょう!

再生野菜にチャレンジしてみよう!

出典:筆者撮影

再生野菜は、野菜くずと水さえあれば、初心者でも簡単に育てられます。少し育てておくと、冷蔵庫に食材が足りなくなったときなどにも重宝するでしょう。育てるだけで家計の節約にもなり、加えてたとえ栽培に失敗してもコストがかかっていないため、気軽に再チャレンジしやすいです。ぜひ、野菜くずから大きく育ててみてくださいね。

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豆苗(とうみょう)は、食べた後に再生栽培できる節約野菜として人気を集めています。この記事では、実際に豆苗の再生栽培に挑戦して、再収穫を楽しむコツや収穫量を増やすポイントなどについて紹介します。豆苗の再生栽培にチャレンジして、再収穫を目指しましょう。
しましま
ライター

しましま

植物を好きになったきっかけは、15年くらい前にたまたま駅でもらった花の種を植えてみたことです。それ以来、観葉植物の栽培とアロマテラピー(AEAJアロマテラピー検定1級)が趣味です。ここ数年はベランダで家庭菜園も楽しんでいます。

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