アーティチョークとは
アーティチョークの基本情報
植物分類 | キク科チョウセンアザミ属 |
学名 | Cynara scolymus |
原産地 | 地中海沿岸 |
アーティチョークは、ヨーロッパやアメリカでは日常的に食用される西洋野菜の一種です。ソテーやフライ、パスタソース、肉料理の添えものなど、さまざまな使い方をされる野菜です。
アーティチョークの使い方
使い方①食べ物
アーティチョークの使い方は食材がもっとも多いでしょう。フライやソテーにしたり、サラダやパスタの具材にしたりして食べる方法が一般的です。生のアーティチョークを見かけることが少ない日本でも、瓶詰のものなら販売されています。
使い方②ハーブティー
アーティチョークはハーブティーに使われることもあります。ベトナムではアーティチョークを乾燥させ、軽く煮出したものは二日酔いに効果があると有名です。
使い方③花材
アーティチョークのつぼみは大きく見ごたえがあり、花が開いていく様も美しいため花材としても人気があります。ドライフラワーやスワッグに加工したり、花器に活けたりとさまざまな飾られ方をしています。
アーティチョークの特徴
アーティチョークは日本でも少しずつ浸透してきているものの、まだまだ馴染みの少ない野菜ですね。草丈や食べる部位、食感など特徴があります。
特徴①草丈は2mにもなる
アーティチョークはアザミの仲間だけあって、道端に咲いている野草「アザミ」とそっくりのつぼみや花をつけますが、特徴はその大きさにあるでしょう。ロゼット状に広がった大きな葉から一本の茎が上へ向かって伸び、草丈は大きいものであれば2mほどにも成長します。食べ物として扱われるつぼみの直径も大きく15cmほどになりますが、植物全体に占める可食部の割合は低いといえるでしょう。
特徴②可食部はつぼみ
草丈2mほどにもなるアーティチョークですが、食べ物になるのはつぼみの部分とその下につくわずかな茎だけです。新鮮なものであれば茎も食べられますが、収穫から時間が経つと苦みやエグみが強くなってしまいます。メインに食べ物として扱われるのは、ガクのやわらかな部分とつぼみの部分だけといえます。
特徴③旬は夏~秋
アーティチョークの旬は初夏~秋です。日常的に食べるヨーロッパなどでは、収穫の季節になると食べ頃をむかえたアーティチョークが、ゴロゴロといっせいに市場に並びだします。
収穫時期は開花直前まで
アーティチョークのつぼみが10~15cmほどに成長したら食べ頃となり、収穫時期の訪れです。収穫のタイミングで食感が変わるとされており、好みの食感を選ぶ楽しみがあります。
特徴④トゲはほとんどない
アーティチョークはトゲが多いとされるアザミの仲間でありながら、ほとんどトゲはありません。ガクの先端部分や茎にわずかにトゲがある程度ですが、取り扱う際は少し注意をしましょう。アーティチョークとそっくりな野菜「カルドン」には、葉にもトゲがあることが知られています。
特徴⑤ほくほくした食感とソラマメのような香り
アーティチョークは加熱調理すると、ホクホクとした食感になります。日本にある食べ物では百合根や芋のような食感に例えられ、香りは茹でたてのソラマメのようと評されます。味はうまみのほかに、ほのかな苦みとエグみがあります。瓶詰のアーティチョークとは違った香りや味わいがあるので、生のアーティチョークが手に入ったときはぜひ味わいたいものですね。
ボタニ子
アーティチョークの特徴をみていると食べてみたくなりますね。どんな食べ方をしたらいいのでしょう?
ボタ爺
アーティチョークの基本的な食べ方は大きく2つ。ガクを剥いてから調理する方法、丸ごと加熱調理してからガクを剥く方法じゃ。
アーティチョークの食べ方①先にガクを剥く方法
アーティチョークのガクを先に剥いてから加熱調理すると、食べる際に手や皿が汚れにくく、食べやすくなります。また、新鮮なものであれば生食もできるため、サラダなどに使う場合は最初にガクを剥いて調理する方法がよいでしょう。
手順1:ガクのトゲを落とす
食用のアーティチョークにはほとんどトゲはありませんが、もしガクの先端についていた場合は最初に落としていきます。キッチンバサミや包丁などで切り落としていくとよいでしょう。
手順2:ガクを剥く
タケノコの皮を剥いていくと、やらわかな可食部が出てくるように、アーティチョークもガクを剥いていくとやわらかな可食部(アーティチョークハート)がでてきます。アーティチョークハートが出てくるまでガクを剥いていきましょう。
手順3:花芯にあるフワフワしたものをかきだす
アーティチョークのガクをすべて剥き終えると、あらわれるアンティーチョークハートの上にフワフワとした白い綿毛のようなものがみえます。これは食べられないので、スプーンでくりぬくようにして取り除きましょう。
手順4:好みの大きさに切り分ける
可食部のみまで処理したアーティチョークを好みの大きさにカットし、ソテーやフライなど必要に応じた調理をおこないましょう。この処理の仕方だとスライスにしたり、大きめにカットしたりと好きな大きさにカットできます。加熱時間による食感のコントロールもしやすいですね。ガクを剥いたアーティチョークの可食部は変色しやすいので、レモン汁や酢水につけておきましょう。
アーティチョークの食べ方②加熱調理してからガクを剥く方法
アーティチョークをまるごと加熱調理する方法は、簡単なのがメリットです。ガクを剥きながら食べるので手は汚れやすくなりますが、この食べ方ならガクの根本部分についている果肉のようなものまで食べられます。1枚ずつガクを剥して食べながら、アンティーチョークハートに迫る楽しい食べ方ともいえるでしょう。
手順1:茎を落とす
先に加熱調理をする方法では、茎は最初に切り落とします。つぼみの根元近くのガクもキャベツやレタスの一番外の葉をはがすようにして取りましょう。
手順2:レモンと塩をいれたお湯で茹でる
茎を落としたアーティチョークを、塩とレモン(またはお酢)の入ったお湯で茹でます。アーティチョーク全体がお湯に浸る水量と鍋を使いましょう。塩は1Lあたり大さじ1/2~1杯ほど、レモン汁は大さじ1杯です。加熱時間は15~20分を目安にしましょう。
加熱調理の方法はグリルや電子レンジもOK
アーティチョークを丸ごと加熱調理する場合、茹でる以外にも蒸す(蒸し器で15~20分)、グリルで焼く(アルミホイルで包んだアーティチョークを180℃で1時間加熱)、電子レンジ調理(ラップに包んで5分加熱)ができます。アーティチョークは加熱時間で食感が変わるので、お好みの時間に調整しましょう。
ボタニ子
アーティチョークは自宅で栽培もできます。育て方に興味のある方はこちらの記事をご覧くださいね。
西洋野菜アーティチョークを食べてみよう
アーティチョークはまだ日本に馴染みの少ない西洋野菜ですが、そのおいしさから少しずつ浸透してきている野菜です。食べ方や調理方法はほかの野菜と異なる点が多いですが、手順はタケノコに似ているともいえそうですね。いつもは食べない食材が食卓に並ぶとそれだけで特別な1日に感じられるでしょう。ほかにはない食感や味、匂いを楽しんでみませんか。
食べごろのつぼみがついたアーティチョーク畑の様子。背丈の高さがうかがえます。
出典:photoAC