ロマネスコとは?
新種の野菜?カリフラワーやブロッコリーに似た野菜の概要
尖ったブロッコリーみたいな、カリフラワーに似た野菜
「ロマネスコ」は日本ではあまり馴染みがない野菜ですが、実は新種ではなく、イタリアのローマ近郊で16世紀頃から栽培されていたといわれます。ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせてできたという説や、ロマネスコからブロッコリーとカリフラワーができたという説があり、はっきりしません。分類上はカリフラワーの仲間とされています。
らせんを描く特徴的なフラクタル形態
ロマネスコをよく見ると、らせん状に花蕾(からい、花の蕾)が集まってできています。さらに、ひとつひとつの塊をよく見ると、その塊の中でも花蕾がらせんを描いて集まっています。これは「フラクタル(自己相似)形態」と呼ばれ、この姿から、ロマネスコは別名を「サンゴ礁」と呼ばれています。他にも、「うずまき」や「やりがい君」などの別名で呼ばれます。
ボタニ子
別名の「うずまき」は”渦巻”に似た姿から名づけられたのね。「やりがい君」は、地域によってはロマネスコの名前よりもポピュラーなようだけど、”ヤリガイ”(貝)に外見が似ているからかしら?
ロマネスコ基本情報
- 学名:Brassica oleracea var. botrytis
- 科・属名:アブラナ科・アブラナ属
- 英名:Romanesco broccoli、Cauliflower romanesco
- 原産地:ヨーロッパ
- 収穫期:10~12月
- 別名:サンゴ礁、黄緑珊瑚(キミドリサンゴ)、うずまき、カリッコリー、カリブロ、やりがい君
- 起源:ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせてできたなど諸説あり。分類上はカリフラワーの仲間とされる。
- 旬:11月~4月頃
ロマネスコの栄養価
美肌効果や免疫力アップも期待できる?
尖ったブロッコリーみたいな、カリフラワーに似た「ロマネスコ」。ブロッコリー、カリフラワーと比べると、ロマネスコが最も低カロリーで、ビタミン類を多く含み、特にビタミンCが豊富です。含有量はブロッコリーとカリフラワーより若干少なめですが、それでも野菜の中でトップクラスの栄養価で、美肌効果や免疫力アップが期待できます。
ロマネスコにはビタミン類以外にも栄養が!
ロマネスコはカリウムを多く含み、むくみや高血圧の予防にも効き目があります。鉄分や食物繊維も豊富で、スルフォラファンという、発がん物質に対し解毒作用を持つ成分を含み、花粉症の緩和などにも効果があると考えられています。
ロマネスコの味と食感
尖ったブロッコリーみたいな、カリフラワーに似た「ロマネスコ」。その味は?
ロマネスコにはブロッコリーに似たほのかな甘みがあり、ブロッコリーよりも苦みが少ないのが特徴です。カリフラワーに似たコリコリとした歯ごたえがあります。さっと茹でて簡単にオリーブオイルやドレッシングなどをかけて食べるだけでも美味しく、サラダやパスタなどにもおすすめです。
ロマネスコの切り方と保存方法
ロマネスコを小房にわけるには?
ロマネスコもブロッコリーと同じように小房に分けます。カリフラワーの仲間といわれるだけあって、びっしりと花蕾がついているので、切るときは細めのナイフが使いやすいでしょう。先端は手でちぎって分けられます。茎も栄養価が高いので、捨てずにとっておきましょう。
ロマネスコの上手な茹で方
沸騰したお湯に塩(ひとつまみ程度)と小房に分けたロマネスコを入れ、2~4分茹で(茹で時間はお好みで)、ざるにあけて水気を切ります。水に浸すと水っぽくなるので、水には浸さないのがポイントです。
「蒸す」のもOK!
また、スチーマーを使って「蒸す」のもおすすめです。水溶性ビタミン群をできるだけ損なわずに調理できます。
ロマネスコの保存方法
ロマネスコはあまり日持ちしません。下茹でを終えたロマネスコはしっかりと水気を切っておきましょう。冷蔵庫であれば3~4日ほど保存できます。すぐに使わない場合は、ジップロックなどに入れて冷凍庫で保存します。
ボタニ子
次のページでは、ロマネスコの食べ方を解説するよ!
ロマネスコの食べ方やレシピをご紹介!
ロマネスコのおすすめレシピ①サラダ
シンプルに茹でるのも美味しい食べ方ですが、ロマネスコとお好みの野菜を組み合わせれば、華やかなサラダができます。
ロマネスコのおすすめレシピ②パスタ
ブロッコリーやカリフラワーと同様、パスタとの相性も抜群です。
ロマネスコのおすすめレシピ③天ぷら
ロマネスコは天ぷらにしても美味しいです。揚げ時間を長めにすれば、下茹で不要です。
ロマネスコのおすすめレシピ④スープ
カリフラワーの仲間なだけに、ロマネスコはスープにしても美味しいです。
ロマネスコのおすすめレシピ⑤ロマネスコのクリスマスツリー
ロマネスコを使えば、見た目にも可愛く、美味しいクリスマスツリーができます。
ロマネスコを育ててみる!
スーパーに売っていない?それなら、育ててみる!?
ロマネスコは福岡県と宮城県を中心に日本全国で栽培されていますが、生産量が少なめで、スーパーなどで入手しにくい野菜のひとつです。直売所などで、旬の11~4月頃に販売されています。手に入らないのであれば種から育ててみてはいかがでしょうか?ロマネスコの種はホームセンターやネットショップなどで販売しています。
ロマネスコを種から育てるコツ①種類選びと種まき
ロマネスコ、入手しやすい品種は?
ロマネスコには多くの種類がありますが、入手しやすい品種として、「スパイラル」、「ネオ・スパイラル」、「ダ・ヴィンチ」、「ミケランジェロ」の4つがあります。品種ごとに特性が異なり、収穫までの日数も変わってきます。まずは、お好みの品種の種を入手しましょう。
種まきの時期は?
種まきの時期は7月下旬~8月下旬が一般的ですが、品種や地域によって変わります。発芽には20~25℃必要ですので、地域に合わせて時期を選んで種をまきましょう。種まきには、ポリポットを使うと便利です。ポリポット一つにつき2~3粒ずつまいて、薄く土をかぶせます。
ロマネスコを種から育てるコツ②土づくり
ロマネスコは酸性の土を嫌います。地植えの場合は、植え付ける2週間前までに苦土石灰をまき、元肥を混ぜ込んで、土づくりを行います。プランターで育てる場合は、深くて大きめのプランターを用意し、野菜用の培養土を使用するとよいでしょう。
ロマネスコを種から育てるコツ③植え付け(定植)
本葉が5~6枚になったら植え付けます。大きな苗に育てたい場合は株間を40~50cmあけて植えます。プランターの場合も最低30cmほど株間をとって植え付けましょう。植え付けたら、たっぷりと水をあげます。
ロマネスコを種から育てるコツ④水と肥料の与え方
ロマネスコは土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。乾燥を防ぐために、株元をわらなどで覆うのもよいでしょう。ロマネスコは肥料を好む野菜です。植え付け2週間前に元肥を混ぜ込んでおきますが、植え付け後にも20~25日の間をあけて追肥を施します。
ロマネスコを種から育てるコツ⑤日々の観察で害虫から守る
ロマネスコの場合は、ヨトウムシやコナガ、アオムシ、アブラムシの被害を受けやすいので、日々のチェックをこまめに行い、害虫から守りましょう。
まとめ
ブロッコリーとカリフラワーの掛け合わせと思われがちな「ロマネスコ」。別名「サンゴ礁」と呼ばれる美しい姿は、つい見入ってしまうほどです。茹でて塩やオリーブオイルをかけただけのシンプルな食べ方でも十分に美味しく、素材のもつうまみを存分に味わえます。ロマネスコを見かけたら、ぜひ一度手にとってみてくださいね。
ブロッコリーとカリフラワーの掛け合わせともいわれるが……