じゃがいもの旬といえば？メジャー品種の収穫時期・産地を紹介！

じゃがいもは日本全国で一年中販売されている野菜です。「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」「炒める」など、どのような調理法でも美味しく作れてレシピが多いため、家庭でも重宝されています。一方、あまりにも身近で、季節を問わず購入できることから、産地や収穫時期、旬の時期などがわかりにくい野菜でもあります。

季節のなかで、じゃがいもが特に多く出回るのは春と秋です。じゃがいもには産地次第で、植え付けと収穫時期が異なる特徴があります。寒冷地では春に植え付けて夏～秋に収穫、暖地では冬に植え付けて春～夏に収穫です。さらにじゃがいもは収穫後、しばらく貯蔵してから出荷します。したがって、北海道産じゃがいもの旬の時期は秋～冬、鹿児島県や長崎県は夏～秋となるのです。

じゃがいもは一般的には収穫後、しばらく保存してから出荷します。一方、新じゃがいもは春に収穫し、保存せずに出荷したものです。新じゃがいもの産地は、鹿児島県や長崎県がほとんどを占めます。新じゃがいもの旬の時期は、季節でいえば春先にあたる2月下旬～5月です。ちなみに九州では、新じゃがいもよりも出回るのが早い早春じゃがいもがあります。

男爵いもはじゃがいもの代表的品種の一つです。名前は明治時代の北海道で、じゃがいもを地元の農家に広めた川田龍吉男爵に由来しています。芽のくぼみが深くゴツゴツした形状と、加熱後のホクホク食感が大きな特徴です。料理はホクホク食感を活かしたコロッケ、ポテトサラダ、じゃがバターがよいでしょう。旬の時期は9月～12月ですが、特に10月に出回っています。

メークインは、大正時代に北海道に輸入されたじゃがいもです。昭和30年代に関西地方を中心に人気が高まり、男爵いもと肩を並べる人気品種となりました。名前はヨーロッパの伝統行事「五月祭」にちなみます。つるりとした表皮と、きめが細かく、しっとりした肉質が特徴です。煮崩れしにくいためカレーやシチュー、炒め物に向いています。

インカのめざめは、北海道の農業試験場で生まれた比較的新しい品種です。平均重量が50g前後と小ぶりで、舌触りがよく甘味が強い果肉は濃い黄色をしています。実が小さいため、大型機械を使う大規模栽培には適さないことから、生産量が少ない希少品種です。煮崩れしにくいうえに変色も少ない肉質で、煮物料理や炒め物、揚げ物に向いています。

キタアカリは、男爵いもに病気に強い「ツニカ」という品種をかけあわせて作出されました。男爵いもに似た外見と、甘く黄色い果肉が特徴です。この特徴から「栗じゃが」「黄金男爵」とも呼ばれています。ホクホク食感と煮崩れしやすい肉質から、粉ふきいも、ポテトサラダ、フライドポテト向きの品種です。

アンデス赤は「アンデスレッド」ともいい、赤い皮と黄色い果肉が大きな特徴です。暖地をおもな生産地とするじゃがいもで、春と秋に出回ります。芽が出やすいため長期保存が難しいですが、二期作のおかげで収量が多い品種です。甘くホクホクした食感と、煮崩れしやすい肉質から、コロッケやマッシュポテト、皮付きポテトフライにすると美味しく食べられます。

春夏秋冬、季節に関係なく手に入るじゃがいもは、産地や旬の時期を知ることで、より美味しく食べられます。じゃがいもは用途が広く、レシピが多いことでも知られていますが、品種の性質にあった料理にするのも、美味しく食べる重要ポイントです。じゃがいもの品種や旬の時期をしっかり把握して、美味しいじゃがいも料理を堪能しましょう。