インカのめざめとは
インカのめざめ(インカの目覚め)は、2002年に生まれたばかりの新しいじゃがいもの種類です。濃い黄色と強い甘みが特徴で、高級じゃがいもの代表として扱われています。通常のジャガイモと同じように料理に使われる他、デザートの材料としてとして使われることもあります。主な産地は北海道ですが、全国各地にも徐々に広まっています。
学名 | Solanum tuberosum L. |
和名 | ジャガイモ |
分類 | ナス科ナス属 |
原産地 | アンデス山脈 |
認定番号 | ばれいしょ農林44号 |
品種名 | インカのめざめ |
認定年月 | 2002年12月 |
アンデス原産北海道生まれの品種
アンデス山脈のあるペルーで、昔からお祝いの日に食べられていたおいしいジャガイモがありました。それを、日本でも栽培できるように品種改良したのが、インカのめざめです。名前の由来になったのは、13世紀~15世紀にかけてペルーに広がっていたインカ帝国です。原産地であるアンデスを例えること、そして新しい品種であることを示すためにこの名前が付けられました。
インカのめざめの特徴
インカのめざめは、他の種類のジャガイモに比べると、いくつかの大きな違いがあります。一見すると見た目はあまり変わらないように見えますが、実は皮をむくと中がとても黄色い、という特徴があります。また、インカのめざめはあまり大きくならない品種で、卵と同じくらいの大きさです。そのため機械では収穫が難しく、生産量はあまり多くありません。
さつまいものような甘さが特徴的
インカのめざめの最大の特徴は、とても甘い、ということです。味はサツマイモや栗に似ており、通常のジャガイモとは別格です。また、繊維がなめらかでしっとりとした食感も、サツマイモとそっくりです。加えてとても煮崩れしにくく、油で揚げても鮮やかな黄色い色が保たれるため、フライドポテトやじゃがバターにしても甘さを楽しむことができます。
糖度はなんとイチゴ並みの6~8度
インカのめざめの甘さは、高い糖度にも現れています。通常のジャガイモが4~5度であるのに対し、インカのめざめはなんと6~8度。これは、イチゴやフルーツトマトとほぼ同じです。その秘密は、収穫後にあります。収穫後に2~4℃という低温で貯蔵すると、デンプンが砂糖の主成分であるショ糖に変わる、という特殊な性質をもっているのです。
病気に弱いが早く育つ
インカのめざめの最大の欠点は、病気や虫にとても弱いということです。特に、アブラムシが媒介するモザイク病に弱く、頻繁にかかってしまいます。その一方で、極早生品種のため育ちが早く、栽培に必要な期間は約80日と他の種類に比べると短めです。ただし、収穫が遅れると土の中で芽が生えてしまうこともあるので、早めに収穫する必要があります。
旬がとても短い
インカのめざめの旬は秋です。特に、暑さも和らぐ10月頃が旬の盛りといえます。しかし、収穫後の長期間貯蔵が困難なため、旬の時期以外で手に入れることはとても難しいです。一番確実に手に入れるための方法は、お取り寄せです。旬の時期が来る前に通販でお取り寄せを注文しておけば、おいしいインカのめざめをたくさん買うことができます。
次のページでは、インカのめざめのおいしい食べ方をご紹介します。
出典:写真AC