じゃがいもは病気にかかりやすい野菜
じゃがいもは育て方が簡単で初心者でもチャレンジしやすいことから、家庭菜園に大人気の野菜です。しかし、意外に病気にかかりやすく、症状の判断に迷うこともあるでしょう。万が一、家庭菜園のじゃがいもが病気になってしまったら、その原因を見極めて、正しく対処するのが育て方のポイントともいえます。
じゃがいもの特徴
じゃがいもはナス科の植物です。育て方は種イモを植え付けるのが一般的で、1株につき10個以上収穫できることもあります。広い畑がなくても、プランターや培養土が入った袋を使えば栽培可能で、ベランダや狭い庭でも家庭菜園が楽しめますよ。
じゃがいもに発生する病気一覧【葉や茎に発症する場合】
病気①べと病
べと病はかびが原因で起こる病気です。葉や茎の表面が黄色または茶色に変色して、次第に糸状のカビが広がっていきます。じゃがいものほかにも、タマネギやキュウリ、トマトなどあらゆる野菜に発症しうる病気です。べと病は繁殖力が強く、放っておくと軟腐病を引き起こすため注意が必要です。
対策方法
べと病は、症状が少ないうちは、患部を取り除いて殺菌剤を散布します。それでも改善しない場合は、株を取り除いてください。べと病には特効薬がないため、初期症状のうちに抑えて病気が広がらないように気をつけましょう。
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内容量 | 30mL |
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効果的な病気 | べと病、炭疽病、斑点病など |
使えるおもな植物 | じゃがいも、トマト、キャベツ、バラ、りんごなど |
予防方法
べと病は土の水はけをよくすること、風通しをよくすることが予防につながります。マルチングをして、泥がはねるのを防ぐのも重要です。肥料は必ず適量を守りましょう。病気に強い品種を選ぶのもおすすめです。
病気②軟腐病
軟腐病はかびが原因の病気で、株元が黒ずむのが特徴的です。病気が進行すると悪臭を放ち、腐っていきます。キャベツなどのアブラナ科の野菜によく見られる病気ですが、じゃがいもやナスなども発症しやすいため用心してくださいね。
対策方法
軟腐病にかかってしまったら、症状が少ない場合は、患部を取り除いて薬剤を散布するのが効果的です。病気が進行している場合は株を抜き取って処分してください。その土壌を使いまわすことはやめて、殺菌消毒や土を入れ替えましょう。
予防方法
軟腐病は、梅雨や秋雨の長雨が続くときに発症しやすいです。また、水はけや通気性が悪くないか、栽培環境を見直すことも必要でしょう。
病気③青枯病
青枯病は青々とした見た目のまましおれていき、2~3日後には枯れます。青枯病は根や茎にできた小さな傷から細菌が侵入することが原因の病気です。この細菌は高温多湿下において、より活動的になる特徴があるため、青枯病が疑われるときは水やりは控えてください。
対策方法
青枯病には特効薬がありません。万が一発症してしまったら、ただちに病気になっている株を抜き取りましょう。抜き取った株は焼却処分し、土は殺菌消毒をしてください。作業で使った道具も消毒しましょう。しっかり太陽に当てることでも同様の効果がありますよ。
予防方法
青枯病の予防には、土の水はけをよくすることと、地熱を下げることが大切です。黒いマルチングでは熱がこもりジメジメしやすくなるため、わらを敷いて調節しましょう。また、じゃがいもの葉や茎に傷ができていないかこまめにチェックすることも重要ですね。
病気④モザイク病
モザイク病は、アブラムシなどの害虫被害が原因のウイルス性の病気です。葉に黒い斑点がつくのが特徴ですが、葉が変色したり成長が止まったりもします。モザイク病は、植物の種類に関係なく、病気にかかった植物を触った手からも拡散してしまう厄介者です。
対策方法
モザイク病にかかったら、株ごと抜き取ります。抜き取った株は焼却処分をして、病気が広がらないように対処しましょう。モザイク病には特効薬がありませんが、害虫対策用の農薬をまいて虫を退治することは効果的ですよ。
予防方法
モザイク病を防ぐには、植え付け時に防虫ネットやマルチングをしておきましょう。寒冷紗や不織布を被せることも、防虫効果が期待できます。モザイク病を発症した土は使いまわさない、連作しないことも大切な予防策ですね。
病気⑤灰色かび病
灰色かび病は、かびが原因で発症します。葉や茎が茶色く枯れたようになり、次第に植物全体がかびで覆われるのが特徴的です。涼しい時期に雨が続くと発症しやすいため、春先や秋~冬にかけて植え付けるときには注意しましょう。
対策方法
灰色かび病は殺菌剤が効果的です。被害が小さいうちは、患部を刃物で取り除くのもよいでしょう。病気が抑えられない場合は、栽培はあきらめるしかありません。灰色かび病は胞子によって広がるため、処理時には胞子が飛ばないように気をつけて、必ず袋に入れてから処分してください。
予防方法
灰色かび病は、枯れ葉や花を放置することでも発症します。定期的に取り除くとともに、水はけや風通しが悪くないかも確認しましょう。肥料は適量を守り、植え付け時にはほどよい株間を確保してください。
葉茎に発生する可能性があるそのほかの病気
病名 | おもな症状と予防法 |
葉巻病 | ウイルス性の病気で、コナジラミがおもな原因。葉が黄色く変色して縮み、成長が止まる。 害虫対策を行い、感染してしまった株は取り除く。 |
炭疽病 | かびが原因の病気。葉に黒または茶色の斑点ができて穴があく。 泥はねを防止して、高温多湿を避ける。 |
黒あざ病 | 糸状菌というかびが原因の病気。葉や茎がやけに小さくなり、赤く変色する。白い粉がでてきて、やがて腐る。 病気の種イモを使わない、土壌など栽培環境を見直すことが重要。 |
続いては、じゃがいもの「実」に発生する病気を紹介します!
出典:写真AC