家庭菜園で人気の高い野菜苗のひとつが、ミニトマトです。リコピンやβカロテンなど栄養も豊富で、サラダやお弁当作りなど毎日の食卓に欠かせない食材のひとつでもありますね。
ミニトマトは大きさが1〜4cmほどで、果実の重さは5〜30g程度です。色は赤・オレンジ・黄色・緑・紫・黒などもあります。形も丸だけでなく楕円形やいちごのような形もあり、種類が年々増えています。
園芸部類 | 野菜、実物野菜 |
形態 | 一年草扱い(非耐寒性多年草) |
樹高 | 1〜2m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通〜やや弱い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ミニトマトの花は黄色の星型で、1房に10〜30もの花をまとまってつけるのが特徴です。近年の研究でトマトの遺伝子の解析が進み、原種のトマトはミニトマトだったことが明らかになっています。
トマトの学名はラテン語のソラナム・リコペルシコンで、学名のリコペルシコン は狼と桃を意味する言葉です。トマトの語源はメキシコで「トマテ」や「トマトゥル」と呼ばれている、食用ほおずきに由来しています。見た目がよく似ているために、トマトと呼ばれるようになりました。
ミニトマト・千果は家庭菜園向きの育てやすい品種です。花数が多く粒ぞろいのよいのが特徴です。千果はイエローやオレンジもあり、種からも苗からも栽培できます。
トマトベリーは直径3〜4cmのいちごのような形が特徴のミニトマトです。トキタ種苗が作出した品種で、世界的な見本市で第3位になるなど、海外からの人気も高く注目されています。
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黒に近い紫色がパープルローズの特徴です。アントシアニンが多く含まれており、熟すと赤みがかった色合いになります。日当たりよく管理して、きれいな色あいに育てましょう。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 9号ポリポット(直径9cm) |
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植え付け時期 | 5〜6月 |
花が咲く時期 | 6〜9月 |
実がなる時期 | 7〜10月 |
収穫時期 | 7〜10月頃 |
ミニトマトの栽培期間は種まきでは3〜4月から、苗からでは4〜5月からです。花が咲くのは5月ごろから、実が収穫できるのは6月ごろからになります。ミニトマトは上手に管理を続けると、11月ごろまで収穫が可能です。
ミニトマトは、プランター栽培、鉢植え、露地栽培、ハウス栽培が可能です。用土を使わない水耕栽培でも育ちます。ミニトマトのプランターは花用の小型のものではなく、根がしっかりと広がる野菜用のプランターが最適です。鉢植えは1鉢1苗が基本で、たっぷり土が入る11号鉢(直径33cm、容量約10.0L)以上の鉢を選びましょう。
ミニトマトの生育適温は、昼間が25〜30℃・夜間が10〜15℃です。もともとアンデス地方の標高の高い地域で育つため、日本の高温多湿な夏が苦手です。受け皿を使わずプランターや鉢の下にブロックやスペーサーを置き、通気性よく管理しましょう。
ミニトマトの置き場所は明るい東や南向きで、雨の当たらない屋根下(軒下)が最適です。風通しがよく日当たりのよい場所が適していますが、午前中だけ日が当たる半日陰でもよく育ちます。屋根のないところでは支柱の上部にビニールを張って、雨除けして実割れを防ぎましょう。
ミニトマトはナス科の植物なので、トマト・ナス・ジャガイモは連作障害が起きます。連作障害にはかぼちゃなどを台木にした、接木苗が有効です。新しい用土で植え付けるプランターや鉢植えには、連作障害は起きないのでタネから育てた自根苗(実生苗)も選べます。
ミニトマトの用土は野菜の培養土が最適です。配合する場合は、赤玉土中粒6:腐葉土2:堆肥1:くん炭1に有機石灰を50g加えます。有機石灰はカルシウムを補給して、pHを弱酸性〜中性に整えます。ミニトマトは水はけのよい土を好むため、市販の培養土が重たく感じる場合は、赤玉土の中粒を2割ほど加えるのが管理しやすくおすすめです。
ミニトマトを露地栽培する場合の畝(うね)の高さは、15〜20㎝が最適です。水はけの悪いところでは、畝を高めに作るのがポイントです。露地栽培の土作りは1m2当たり、堆肥2kgと有機石灰100gを混ぜ込むとよいでしょう。ミニトマトは根の成長が旺盛なので、しっかりと耕して根の張りをよくします。
ミニトマトの元肥(もとひ・もとごえ)は、油粕肥料の小粒など固形の有機質肥料がおすすめです。元肥が多すぎると茎ばかり伸びてしまって花芽がつかなくなってしまうので、1株あたりの適量を守りましょう。
ミニトマトを露地栽培で定植する(苗を植え付ける)場合は、株間を50〜60㎝にします。ミニトマトは花芽を一定の方向にだけ作る性質があるので、つぼみの向きを日当たりのよい方に揃えて植え付けるのがポイントです。プランターや鉢植えでもこの性質を使用すると、管理が楽になりますよ。
ミニトマトをプランターや鉢に植え付ける場合は、1株あたり10Lの土を目安にします。大型の野菜用プランターでは用土が40L以上入るものもありますが、株間を30〜40cmとって植え付けるには2株がおすすめです。ミニトマトと一緒にアフリカンマリーゴールドやネギ類・ハーブなどのコンパニオンプランツを植えて、ポタジェとして活用してみましょう。
ミニトマトの支柱立ては、植え付けの時には60〜90cmの短めの支柱を、つぼみが出ていない方に立てます。誘引ひもで八の字に指1本程度のゆとりを持たせて、リボン結びにしましょう。この時に結ぶ位置は節の下で、茎ではなく支柱側で結ぶのがポイントですね。
ミニトマトの仕立て方は野菜用のまっすぐな支柱や、トマト用の螺旋支柱を使ったが1本仕立てが一般的です。ミニトマトは鉢植えをタワー支柱や、オベリスク・リング支柱に誘引する2本仕立てもおすすめです。2本仕立てはつぼみと反対側の脇芽を、1本だけ育てていきます。コンパクトで収穫量も多くなる方法です。
ミニトマトの水やりは根付くまではたっぷりと、その後はやや控えめにするのがポイントです。泥はねは病気や実割れの原因にもなるので、土を湿らせるように株元に回しかけます。水やりのタイミングは午前中のなるべく早い時間帯に済ませましょう。
ミニトマトの成長とともに誘引作業を行います。誘引のタイミングは植え付けてから1週間〜10日おきが目安です。節の下で八の字に結ぶのがポイント、成長に応じて株元の誘引ひもも結び直しましょう。
ミニトマトの摘芯は支柱の長さを超えるまでに成長したら、先端を剪定します。脇芽は葉の付け根近くから出てきた小さな芽のことです。栄養を取られてしまうので、つまんで取り除きます。誘引作業の時に葉の付け根をチェックをしましょう。
ミニトマトの追肥は1段目(1番下)の房に実がつき始めたころから、与え始めます。追肥のタイミングは1月〜1月半ごとの追肥が目安です。肥料が多すぎると花芽の出が悪くなるので必要以上に与えず、真夏は活力液や薄めた液体肥料に切り替えるのもいいですね。
ミニトマトの葉が下の方から黄色くなるのは、生理現象です。ミニトマトの実がついた節よりも下の葉は、黄色くなったら剪定して取り除きます。株全体に黄色くなってくるのは、肥料が多すぎる可能性があります。気温や日当たりに問題がなければ、追肥を控えて様子をみましょう。
ミニトマトの花が咲かないのは、植え付け後の日照不足や元肥が多すぎることが原因です。日当たりのよい場所で水やりを控えめにして、追肥を遅らせます。1本仕立ての場合はあえて脇芽を残して、花芽の形成を待ちましょう。
ミニトマトの実がならないのは、受粉できなかったことが原因です。ベランダなどで風も弱く虫もこないような場所では、綿棒や筆で人工授粉するか、トマトトーンを使うのがおすすめです。また気温が35℃以上になると成長が鈍って、受粉しなくなります。真夏は株を休めて秋の開花を待ちましょう。
ミニトマトの尻腐れ病はカルシウム不足とチッ素肥料過多が原因です。土作りでは有機石灰を、肥料には有機質肥料を適量使うことで避けられます。有機石灰は追肥として与えるのも効果的です。
ミニトマトの立ち枯れ病の原因は、土の中にあるカビやウイルスが原因です。菌やウイルス性の病気は成長に影響が出るだけでなく、他の植物にも移るので見つけ次第処分します。殺虫殺菌剤を散布して、予防と対策をしましょう。
その他の病気 | |
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うどんこ病 | 葉に白く粉を吹いたような状態になり、やがて茶色く枯れます。 |
斑点病 | 葉の表面に黒や茶色の斑点ができ、葉が枯れ落ちます。 |
アブラムシは繁殖スピードが早く、あっという間に新芽に寄生する害虫です。ウイルス病を媒介するため、早目に殺虫剤で駆除しましょう。
葉の表面に白く線描きしたような跡を残すため、エカキムシとも呼ばれる害虫です。葉を摘み取ってから、浸透移行性の殺虫剤を散布しましょう。
その他の害虫 | |
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ハダニ | 葉に白い斑点がでて、色が悪くなり葉を枯らします。 |
センチュウ | 根に寄生して養分吸収が阻害され、生育不良になります。 |
ヨトウムシ | 夜間にイモムシ状の幼虫が葉を食害します。 |
筋まきはプランターや発泡スチロールなどに種まき用の土を入れて、深さ1cmの溝に1〜2cmの間隔でタネを蒔いていく方法です。
点まきは直径5〜6cm深さ1cmに土をくぼませて、タネを3〜4粒ずつ蒔いていく方法です。他には種まき専用のセルトレーに、1粒ずつ蒔く方法もあります。
ミニトマトの発芽適温は昼間が20〜30℃、夜間は15℃です。発芽までは日陰に置いて、土を乾かさないように湿度を保って管理します。発芽したら半日陰に移動して、ギザギザした本葉が1〜2枚出てきたら、よい芽を残して間引きしましょう。
ミニトマトの本葉が2〜3枚になったら、3号ポリポット(直径9cm)に移植します。日当たりのよい場所で管理して、本葉が5〜6枚になったら定植しましょう。
出典:写真AC