イタドリをおいしく食べるには?
あくを抜いて食べる
イタドリの茎はあくが強いため、料理前に下処理をするとおいしく食べられます。イタドリの穂先はあくが少なく、そのまま食べても問題ありません。下準備をして、イタドリを余すことなくおいしく食べましょう。
あく抜きの準備
イタドリは収穫したらすぐに皮をむいて、ほどよい大きさ(10cm程度)に切ります。茎の断面から皮を引っ張るようにむくときれいにむけますよ。大きいものならピーラーを使うのもよいですね。穂先にはアクはないため取り分けておきます。料理前にあく抜きするのは茎の部分のみ、と覚えておきましょう。
あく抜きの方法
- 70~75℃程度のお湯で10~30秒ほどゆがく
- すぐに冷水にとり色止めする
イタドリを生で食べたら酸っぱいけれど大丈夫?
イタドリを口にふくむと酸味が感じられます。この酸っぱさは、シュウ酸という成分のためです。シュウ酸は肝臓の働きを助け、利尿作用がありますが、大量に摂取すると下痢をおこすこともあるため注意が必要です。
ボタニ子
すっぱいから「すかんぽ」と呼ばれるわけよね。
イタドリのおいしい食べ方
食べ方①塩漬け
塩漬けはイタドリを長期保存する料理方法です。ボールにイタドリをいれ、塩をふって重しをのせ、水がでたら捨てます。次に最初の塩より多めの塩をふって半日おき、再度水を捨てましょう。最後にイタドリが十分かくれる程度の塩で塩漬けにして、保存袋に小分けにして冷凍します。水を何度もかえながら1日かけて塩抜きをしてから使います。
食べ方②天ぷら
天ぷらは代表的な食べ方です。新芽が手に入ったときの、おすすめレシピです。穂先は水洗いして、キッチンペーパーで水気をふきとります。小麦粉、卵、冷水で天ぷらの衣をつくり、穂先を混ぜます。170℃程度の油でカラッと揚げてできあがりです。やわらかい葉も天ぷらで食べましょう。
食べ方③ごま油炒め
イタドリの油炒めも人気のある食べ方のひとつです。あく抜きしたイタドリは水気をふきとって薄切りにしまいす。フライパンを火にかけ温まったらごま油を加え、イタドリを炒めましょう。火が通ったら、砂糖、醤油、酒、みりんをあわせて火を止めます。鰹節やすりごまをふりかけてできあがりです。手軽にできる簡単レシピで、おつまみにも最適です。
食べ方④ジャム
イタドリの皮をむき、適当な大きさに切ったイタドリを熱湯でゆでてから、1時間ほど水にさらします。水気をとってフードプロセッサーでペースト状にしましょう。鍋にペースト状のイタドリ、イタドリの半量の砂糖、レモン汁を加えて弱火で煮込みます。好みのかたさになったら消毒したガラス瓶に詰めて冷まします。甘酸っぱくて、クセになるかもしれません。
食べ方⑤みそ汁
イタドリはみそ汁の具としても使えます。下ゆでしたイタドリと好みの具を一緒に入れるだけの簡単レシピです。シンプルながら栄養豊富で、イタドリのおいしさを楽しめるレシピですよ。
イタドリによる影響
山菜として親しまれているイタドリは、厄介な雑草しての側面も持ちます。「世界の侵略的外来種ワースト100」にも指定され、その被害は海外にも及んでいます。自宅で食用に栽培しているとき、育て方をあやまると環境に大きな悪影響を与えかねません。駆除にも多額の費用がかかるため、イタドリは育て方に注意が必要です。
日本での被害状況
日本でもイタドリの問題はありますが、海外ほど深刻なものではありません。日本にはイタドリの天敵となる虫、イタドリマダラキジラミがいるからです。イタドリマダラキジラミは、イタドリだけをエサとするシラミです。このシラミのおかげで日本ではイタドリの異常発生が抑えられています。
イタドリマダラキジラミは生物農薬
生物農薬とは、昆虫や微生物を生きた状態で農薬として使用することです。イタドリマダラキジラミは、イタドリ対策の生物農薬としてイギリスに輸出されました。しかし、日本でもイタドリマダラキジラミではイタドリを駆除しきれていないのが現状です。
駆除が難しい理由
イタドリは地下茎で繁殖するため、地上部分を刈り取っても繁殖を止められません。除草剤でも完全にイタドリを駆除することは難しく、土をほりおこして根を取り去ったうえ、さらに除草剤を散布するという対策が必要です。しかし、残った小さな根からも発芽してしまいます。生命力・繁殖力に、駆除が追い付かないということです。
イタドリをおいしく食べてみよう
「すかんぽ」「かっぽん」など数々の別名をもつイタドリは、春を知らせる山菜です。雑草として扱われることもありますが、シンプルレシピでおいしく食べられるのは魅力でしょう。育て方を誤って異常繁殖させなければ、食用としても自宅で栽培できます。春になったら、イタドリをおいしく料理して食べてみましょう。
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出典:写真AC