コシアブラとは
コシアブラは「山菜の女王」ともよばれるほど人気の植物です。独特の苦みがあり、春に食べられる新芽は天ぷらなどにして食べられます。栽培のコツをつかむと、自宅でも栽培できますよ。まずは基本情報から解説します。
基本情報
科名・属名 | ウコギ科ウコギ属 |
別名 | ゴンゼツノキ、アブラギ |
分類 | 落葉高木 |
原産地 | 日本 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
樹高 | 15~20m |
開花期 | 8~9月 |
日本原産で全国に自生している
コシアブラは日本原産だと考えられています。現在は、沖縄県をのぞいた全国に自生しており、比較的見つけやすい植物です。春の新芽は山菜としても人気ですが、高木であることからタラの芽などよりも採取しにくい山菜として知られています。また、自生しているいるのは標高500m以上の場所のため、新芽が出るのがほかの山菜よりすこし遅れます。
特徴
掌状の5枚葉をつける高木
コシアブラは、樹高7m~10m、なかには20mにおよぶこともある高木です。葉は、掌状にひろがった5枚の小葉が葉柄からのびています。花期の8~9月になると黄緑色のちいさな花がたくさんつき、その後、扁平な球形の果実がみのります。秋には落葉して冬は枝だけが残り、春に新芽がでてきます。
名前の由来は諸説あり
「コシアブラ(漉し油)」という和名の由来は諸説あります。一説には木からとった樹脂(油)を漉して塗料にしていたところからきたといわれており、奈良時代のころの文献にはすでに工芸用塗料として登場していますが、現在はつかわれていません。また他にも、越後が特産という意味から「越油」、中国の「越の国(浙江省)」から伝わってきたという説などもあります。
新芽は「山菜の女王」の名をもつほどの味わい
コシアブラの春先にでる新芽は山菜としても知られ、「山菜の女王」ともよばれています。まだあまり大きくなっていない芽を採取し、ハカマをとりのぞいた部分を食用にします。独特な香りと苦みがあり、天ぷらやおひたし、和え物、塩漬けなどに調理されます。温暖な地域では4月上旬、寒冷な地域ではゴールデンウィークごろに、山間部の日当たりのよい場所などでよく見られます。
出典:写真AC