ふきのとうって知ってる?
春のあたたかい日に散歩をしていて、川の土手や、公園の隅、あぜみちなどに、ひょっこりと顔を出したかわいい植物を見たことはないでしょうか。「ふきのとう」です。黄緑色で、春を待ってましたとばかりに土の中から出てきます。
ふきのとうは雪解けとともに見られる
ふきのとうは、雪国では雪が解けて暖かくなってきた頃に見られます。小学校のある国語の教科書では雪の下からふきのとうが、よいしょ、よいしょと出てくるお話があります。まさにそのように、ふきのとうはかわいらしい頭を出すのです。時期は、つくしが出てくる頃と同じくらいになります。
雪が降らない地域のふきのとう
雪が降らない地域では、1~3月頃に見ることができます。各地域によって気温が異なるので一概には言えませんが、あたたかくなってきた頃が目安になります。また、同じ地域であったとしても、気温が上がらないような山地では遅く、比較的日当たりがよい場所では早くに見ることができます。
「ふき」とは関係があるの?
ふきのとうの一番の疑問は、「ふき」との関係ではないでしょうか。ふきとは、1本の茎に1枚の大きな葉をもつ植物です。葉をとって、茎は食べることができます。同じ「ふき」がつきますが、見た目は全然違いますね。この2つは関係があるのでしょうか?
実は同じ植物!
実は「ふきのとう」と「ふき」は同じ植物です!ふきは、ふきのとうが花になったころに大きくなる、ふきのとうの葉です。この頃のふきのとうは、春のような小さくかわいらしい姿ではなく、しっかりとした花に成長しています。
「ふきのとう」と「ふき」は見られる時期が違う
ふきのとうとふきは、見られる時期が少し違います。ふきのとうは雪解けの頃に見られますが、ふきが見られるのはその1、2か月ほどあとです。見られる時期と見た目の違いから、ふきのとうとふきは、まるで違う植物のように感じられるのですね。
ふきのとうの特徴
- 春になり、暖かくなると見られる
- 「ふきのとう」と「ふき」は同じ植物!
ふきのとうにも種類があるの?
ふきのとうにも種類があります。しかし、黄緑色のやわらかい葉につつまれた、赤ちゃんのようなふきのとうを見ても、あまり違いはわかりません。今回は、ふきの特徴の違いで簡単に2種類を説明します。
①やわらかい「水ふき」
水ふきは、全体が黄緑色で葉が大きいふきです。折ってみると、中はドーナツのように穴が開いています。この、穴があいていることが水ふきの大きな特徴です。
②野山で見られる「山ふき」
山ふきの茎には穴が空いていません。水ふきと比べると山ふきの方が細いです。「野ぶき」とも呼びます。土手や山林で見られるのは、山ふきです。ふきは、水ふき、山ふき以外にも、秋田ふきなど、実はろいろな種類があります。
ふきのとうは花になる!
先にも述べたように、ふきのとうは成長すると花になります。どんどん茎が伸びていき、いわゆる「とうが立った」状態になるのです。そして、かなり高い位置まで伸びて花が咲きます。
「とうが立つ」とは
「とうが立つ」とは、茎がどんどん伸びていくことを言います。大根なども成長すると、とうが立ち花が咲くことがあります。この「とう」というのは、花をつけるための茎のことを差します。漢字で書くと「薹」で、ふきのとうは「蕗の薹」と書きます。
「蕗の薹」という意味
もうお気付きでしょうか。漢字にすると「蕗の薹」。つまり、「ふきという植物の、花がつく茎」という意味なのです!ひらがなで書くとわかりづらいですが、「蕗の薹」にはこんな意味が隠されているなんて、おもしろいですね。
大きくなったふきのとうの花を見つけよう
ふきの葉が茂る頃になると、ふきのとうはまるで別の植物のように、茎を伸ばして花を咲かせています。もしも、ふきの葉が多い場所で、そこから、ひょっこりと伸びてる花を見つけたら、それが大きくなったふきのとうです。
綿毛になって飛んでいく
大きくなった花は、咲き終わるとたねをつけます。たねには、たんぽぽのように白いふわふわした綿毛がついています。もう「ふきのとう」とは想像がつきませんね。風にのって、たねは飛んでいきます。
ふきのとうの成長
- ふきのとうの茎はどんどん伸びる
- 高い位置で花が咲く
- たねは綿毛とともに飛んでいく
出典:写真AC