スイバ(酸葉)とは
スイバは(酸葉)は、北半球に広く自生している多年草です。日本では北海道から九州まで広く自生していて、道沿いや荒れ地でも元気に成長します。花は赤くて小さく、春から夏にかけていろいろなところで鑑賞できます。
基本情報
概要
- 科名:タデ科
- 属名:ギシギシ属
- 学名:Rumex acetosa
- 英名:Sorrel
- 和名:酸い葉
- 花言葉:愛情・忍耐
スイバは「スカンポ(酸模)」という呼ばれ方や、地方によっては「ギシギシ」と呼ばれることがあり、日本全域でよく知られている植物です。スイバは約50㎝~約80cmまで成長し、空に向かってまっすぐ伸びます。
名前の由来
スイバは茎や葉にシュウ酸があり、食べると酸味があります。その特徴から由来され、スイバ(酸葉)やスカンポ(酸模)という名前がつきました。学名の「Rumex(ルメックス)」は、「槍(やり)」という意味のラテン語です。葉の形状が、槍のようにとがっていることが語源になっています。
雌株と雄株
スイバは、雌株と雄株が異なる植物で、花が咲いたら雌株と雄株を見分けることができます。雌株の花は鮮やかな赤色をしていて、大きめの花びらが3枚つきます。雄株の花も赤色ですが黄色に近い色をしていて、雌株よりも小さめの花びらが6枚つきます。
薬としての役割
スイバの若い葉を使ったお茶を飲むことで利尿作用があったり、冷ましたお茶でうがいをして殺菌したり、昔から薬として使われてきました。スイバのお茶は、よく洗った葉を煮出すだけで簡単に作れます。
スイバの美味しい食べ方
スイバは、若い葉や茎だとそのままちぎって食べられます。そのまま食べると、スイバの特徴である酸味をダイレクトに味わえますが、調理することによって、より美味しく食べることもできます。どのような食べ方があるのか、みていきましょう。
美味しい食べ方①おひたし
まずはお好みの量のスイバを茹でます。茹ですぎると食感がなくなってしまったり、変色してしまったりするので注意しましょう。茹で上がったら水を切って食べやすい大きさに切ります。かつお節をのせて醤油をかけたら完成です。手軽にできるのでぜひ作ってみてくださいね。
美味しい食べ方②お味噌汁
いつも作っているお味噌汁に、よく洗ったスイバの若葉を加えると、少し違ったテイストのお味噌汁が出来上がります。スイバを入れすぎると、酸っぱさが際立ってしまうので、少しずつ量を調整して味を確認しながら入れましょう。
美味しい食べ方③添え物
天ぷらやトンカツなどの揚げ物や、煮物の上に添えてみましょう。スイバの鮮やかな緑色は、料理の見栄えがよくなったり、スイバの酸味が胃をすっきりさせてくれたりします。料理に添える前に、忘れずに塩でよく洗いましょう。
美味しい食べ方④ドレッシング
綺麗に洗ったスイバを、細かく切ります。それをオリーブオイルと合わせ、塩を加えてよく混ぜ合わせたら完成です。このドレッシングは魚料理によく合い、スイバの特徴である酸味は、特に白身魚によく合います。
美味しい食べ方⑤ジャム
スイバのジャムは、パンやヨーグルトにのせて食べることをおすすめします。作り方はとても簡単で、よく洗ったスイバを細かく切り、砂糖と一緒にゆっくり煮詰めればジャムの完成です。酸味のあるジャムなので、肉料理や魚料理などいろいろな料理に合わせて食べることができます。
スイバを食べるときの注意点
スイバには「シュウ酸」という成分が多く含まれています。シュウ酸は、摂取しすぎてしまうと腹痛を起こすなど身体によくない影響を与える成分です。調理するときには、量を調整しましょう。
サトイモ科の植物やタデ科のダイオウの葉、ギシギシ、スイバ、またホウレンソウなどは、十分に湯通しをしないと胃腸障害を起こし、腎臓にシュウ酸カルシウムが沈着して腎機能を障害します。
ボタニ子
次のページでは、スイバの仲間とよく似ている植物をご紹介しています。
西洋ではハーブとして家庭料理によく使われています。整腸作用や解熱作用があるとされ、ハーブティにして飲むことも多いです。