「みず」ってどんな山菜?生息地や見分け方から食べ方・味までご紹介!

「みず」ってどんな山菜?生息地や見分け方から食べ方・味までご紹介!

みずは主に東北地方で食べられてきた山菜です。クセのない味と食べられる期間が長いことから、地元では「山菜の王様」と呼ばれていました。今回は山菜みずの特徴や栄養・薬用効果、取り方や食べ方など、山菜みずについての情報をまとめてみました。

記事の目次

  1. 1.「みず」とはどんな山菜?
  2. 2.山菜みずの名前の由来
  3. 3.水菜との違いは?
  4. 4.山菜みずの特徴
  5. 5.赤みずと青みずの見分け方
  6. 6.山菜みずの生息地
  7. 7.山菜みずの旬の時期
  8. 8.山菜みずの取り方
  9. 9.山菜みずの食べ方
  10. 10.まとめ

「みず」とはどんな山菜?

山菜の王様

みずは山間部の水気の多い岩場や沢沿いなど、湿り気の多い場所に群生している山菜です。採れる地域が多く、日本では沖縄を除くほぼ全国で採れます。なお、沖縄で採れないのは、暑さに弱いからです。生息地が大体決まっていて採取しやすいこと、食べられる期間が長いこと、山菜特有のアクやクセが少なくて食べやすいことなどから「山菜の王様」と呼ばれています。

みずの旬の時期は春から初夏だけど、食べられる期間が秋まであるんだ。

昔は食べられる期間の長さから「山で遭難しても、みずが採れる場所を知っていれば大丈夫」とまで言われていました。

山菜みずの名前の由来

名前の由来は、水気の多い場所を生息地としているからです。「みず菜(ミズナ)」と呼ばれることもあります。二種類あり「赤みず」「青みず」と区別されています。もちろん、どちらも美味しく食べられますよ。

別名が多い山菜

「みず」という名前は方言なので、正式名称で呼ばれることもあります。赤みずの正式名称は「ウワバミソウ」、青みずの正式名称は「ヤマトキホコリ」です。このように、別名が多いのも山菜みずの特徴と言えるでしょう。

水菜との違いは?

フリー写真素材ぱくたそ

写真:水菜

みずと水菜は名前が似ているため、間違われることがあります。みずは別名で「みず菜」と呼ばれることもありますから、余計間違われやすいですね。しかし、この2つは植物としては全く違います。赤みず(ウワバミソウ)と青みず(ヤマトキホコリ)がイラクサ科の植物であるのに対して、水菜はアブラナ科の植物です。また、みずが山菜であるのに対して、水菜は伝統的な京野菜として、古くから栽培された歴史を持っています。

1686年に著された地誌「雍州府誌」には水菜の記載があります。この頃すでに京都では、東寺・九条付近などの一部地域で水菜が栽培されていました。

水菜の名前の由来

水菜という名前は、流水を畔間に引き入れて栽培する方法で育てられていたことに由来しています。ちなみに別名の京菜の由来は、古くから京都で栽培されてきた京野菜だからです。

水菜の旬の時期

Photo by tadtad

旬の時期・季節も違います。みずは春から初夏ですが、水菜の旬の季節は晩秋から冬です。生食も可能ですが鍋料理や煮物料理の食材として、冬の季節に盛んに食べられています。また、水菜には地域によって栽培している品種が違うという特徴があります。近畿地方では葉柄が細くて株立ちしない品種が、東海地方では葉柄ががっしりと太く、株立ちした状態で収穫される品種が栽培されています。

水菜は別名がとても多い野菜なんだ。主な別名としては、京菜(キョウナ)、柊菜(ヒイラギナ)、千筋菜(センスジナ)、糸菜(イトナ)などがあるよ。

特に京菜の名前は有名です。植物や野菜の図鑑によっては、京菜を水菜の別名ではなく、標準和名として紹介している物もあります。

山菜みずの特徴

水気の多い地域を生息地としているだけあって、茎の水分が多くて柔らかく、それでいてシャキッとしているのが特徴です。山菜というと、アクが多くて苦味やエグみが強く、下処理が大変というイメージがありますが、みずはアクが少ないので下処理の手間がかかりません。しかも苦味やエグみも少ないので、野菜感覚で食べられるという、とても食べやすい山菜です。

山菜みずの栄養効果

みずは栄養豊富な山菜です。特にビタミンB1、B2、Cやミネラルを多く含みます。このため美容面では美肌効果が、健康面では風邪の予防や抗酸化作用に高い効果があると言われています。

みずは2種類ある

前にも触れましたが、みずには赤みずと青みずの二種類があります。

赤みずと青みずの見分け方

赤みずと青みずの見分け方は簡単です。赤みずと青みずは近縁種なので見た目は似ていますが、少し違いがあります。名前が示しているように、赤みずは根元が赤く、青みずは根元まで青いです。この他にも、両種にはいくつかの違いがあります。詳しくは下記をご覧くださいね。

見分け方のポイント①:粘り気・ヌメリ

赤みずは茎に独特の粘り気とヌメリがあります。この粘り気とシャキっとした食感、クセのない味が赤みずの美味しさの理由です。一方、青みずには粘り気やヌメリはありません。そのかわり細くて柔らかい茎のさくさくとした食感と、クセのない自然な甘味が、山菜独特の苦味が苦手な若い人に人気です。

見分け方のポイント②:ムカゴ

赤みずは秋になると、葉の付け根にムカゴという小豆色のコブのような肉芽ができます。ムカゴも食用OKです。茎とはまた違う味わいを楽しめますよ。一方、青みずにはムカゴはできません。

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見分け方のポイント③:繁殖力

赤みずは繁殖力が強く、水辺や湿地帯などの好みの地域に「みず畑」と呼ばれるほど群生します。地下茎で増えることと、ムカゴからも芽や根が出て増えることが、この大群生を可能にしているのでしょう。一方の青みずは、赤みずと比べると繁殖力は弱いです。生息地としては赤みずと同じ水気の多い湿地帯を好みますが、自生している場所は少なく、数もあまり採れません。

ちなみに「山菜のみず」というと、赤みず(ウワバミソウ)のことを指すのが一般的です。

青みずは自生する場所と収穫量の少なさから、赤みずと比べると知名度が低い傾向があります。

見分け方のポイント番外:赤みず(ウワバミソウ)が持つ意外な効果

赤みず(ウワバミソウ)の茎や根をすり潰すと粘液ができます。粘液に特別な薬効成分はありませんが、皮膚を守り、回復を早める効果があります。虫刺されや小さい切り傷、擦り傷などに、この粘液をつけると傷が早く塞がる効果があると言われています。

すでに説明したように、赤みずの粘液に薬効成分はありません。効果の過信は禁物ですよ。

赤みず(ウワバミソウ)と青みず(ヤマトキホコリ)の基本データ

ウワバミソウ(赤みず)の基本データ

学名 Elatostema umbellatum
科名 イラクサ科
属名 ウワバミゾウ属
別名 みず、赤みず、蟒蛇草/大蛇草(ウワバミソウ)、滝菜(タキナ)
生息地 水辺、湿地帯などのように日陰で水気の多い地域

ウワバミソウの名前は、群生する地域がウワバミ(蟒蛇・大蛇)が住み着いていそうな、ジメジメした湿地帯が多いことに由来しています。

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ヤマトキホコリ(青みず)の基本データ

学名 Elatostema laetevirens Makino.
科名 イラクサ科
属名 ウワバミソウ属
別名 青みず(アオミズ)、青みず菜(アオミズナ)、山時ほこり
生息地 山間の陰湿地。赤みずよりも数は少ない。

ヤマトキホコリは「山に生えるトキホコリ」という意味だよ。さらに言うと「トキホコリ」のトキは「時々」、ホコリは「はびこる」という意味なんだ。

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山菜みずの生息地

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