ネマガリダケとはどのような山菜?
ネマガリダケ(根曲がり竹)は、チシマザサ(千島笹)の若芽のことを指します。根元から茎が曲がっているため「ネマガリダケ」と呼ばれていますが、産地によって異なった呼び方がされる山菜です。一般的なタケノコ(筍)とは違う風味とやさしい味わいがあります。そこで今回は、ネマガリダケの山菜としての特徴と収穫時期、おすすめの食べ方とレシピもあわせて見ていきましょう。
ネマガリダケは、ハチクと見た目がよく似ていますね。一般的なタケノコやハチクと何が違うのでしょうか?違いについても解説します。
基本情報
学名 | Sasa kurilensis |
科名・属名 | イネ科タケ亜科・ササ属 |
分布 | 北海道、東北地方から山陰地方の日本海側 |
高さ | 1.5~3m |
旬の時期 | 5~6月 |
正式名称は?
ネマガリダケは、正式名称を「千島笹」という大型の笹の一種です。東北地方から信越地方の雪が多く降る地域では、若芽が地上に出たとき積雪の重みで茎が根元から反り返るように曲がってしまうため「ネマガリダケ」と呼ばれています。他にも、山陰地方では「ヒメタケ(姫竹・姫筍)」、山形県の月山付近では「ガッサンダケ(月山竹)」と呼ばれ、古くから馴染みのある山菜として親しまれています。
「ネマガリダケ」とは通称名です。漢字で「根曲がり竹」と書きますが、竹ではなく笹です。
ネマガリダケの特徴
ネマガリダケは、チシマザサの若芽のことを指します。直径1~1.5cmほどで長さは20cm程度と細長く、油性マジックペンと同じくらいの太さです。根本は赤紫色、皮は黒緑色をしており、皮をむいて食べる部分は黄緑色をしています。とても細く小さいため、皮をむくとアスパラガスに似ています。切って断面を見ると、中身は白く肉厚で中の節と節の空間が狭いです。
タケノコの味に似ている
チシマザサは笹といっても竹に近い品種であり、味もタケノコに近いことから、ネマガリダケは「タケノコの一種」として扱われています。コリコリした食感で歯ざわりがよいのが特徴です。あく(灰汁)が少なく香りもよく、やさしい自然の味が感じられます。生のまま食べてもエグミを感じません。タケノコの味に似ていますが、さらに繊維が柔らかく食べやすいです。
ちなみに、ネマガリダケは熊の大好物だそうです。野生動物にもおいしいことがわかるんですね。
次のページで「ネマガリダケとタケノコの違い」を見てみましょう。
出典:写真AC