わさびの栽培概要!自家栽培で難しいと噂のわさびを育てるポイントとは?

わさびの栽培概要!自家栽培で難しいと噂のわさびを育てるポイントとは?

日本の食卓には欠かせないわさび。わさびには、本わさび、根わさび、葉わさびなどさまざまな種類がり、自家栽培する場合も、畑さわびや沢わさびと方法が異なります。難しいと思われがちなわさびの自家栽培、ポイントを押さえて自宅で育ててみましょう。

記事の目次

  1. 1.わさびを自宅で自家栽培するのは難しいの?
  2. 2.わさびは山葵
  3. 3.わさびの種類を知ろう
  4. 4.わさびの特徴とは?
  5. 5.わさびの栽培方法
  6. 6.沢わさびの栽培
  7. 7.畑わさびの栽培
  8. 8.わさび栽培のポイントとは
  9. 9.自家栽培したわさびをおいしくいただく方法
  10. 10.自宅で作ったわさびでヘルシーにいこう

わさびを自宅で自家栽培するのは難しいの?

Photo by nikunoki

わさびを自家栽培するのは難しいといわれています。畑などで家庭菜園をする場合、水やりや気温の管理にとても手がかかるからです。ただし、自宅のプランターなどでわさびを栽培するのはさほど難しいわけではありません。わさびの根茎を作るのは難しいかもしれませんが、葉わさびや茎わさびを楽しむことは大いに可能です。栽培環境に注意して、育て方をしっかりと学んで、さっそくはじめてみましょう。

わさびは山葵

わさびを漢字で書くと山葵となります。わさびの葉と葵の葉は似ているため、「山葵」としたのではないかと考えられます。ただし、山葵の語源はかなりあいまいで、「山葵」の漢字が見られるのは平安時代の『本草和名』という書物ですが、同時代の別の本に山葵ではない字を当てているとあります。つまり、よくわかっていないというのが本当のところのようです。

わさびの葉

とはいえ、山葵という字が使われることで、高貴な印象を受けます。葵といえば紋章のモチーフに使われ、日本の固有種であることなどから、山葵と使うと高潔な植物のように感じます。わさびの葉の形を心臓のようだという表現もあるように、わさびは健康や治療に関連していることを暗示します。

わさびの花

事実、わさびには殺菌や食欲増進などの効能が知られています。このように、わさびには山葵たる所以があり、そんな山葵を自家栽培してみたくなります。難しいといわれる山葵ですが、自宅でぜひ育ててみましょう。

わさびの種類を知ろう

わさびは日本固有の種で、学名はWasabia japonicaといいます。また、わさびには、育て方のちがいによって、大きくふたつに分けることができ、畑で育てるわさびを畑わさび、陸わさび、丘わさびなどと呼ぶのに対して、清流で育てるわさびを水わさび、沢わさびなどと呼びます。

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この畑わさびと沢わさびは、本わさびと呼ばれ、根わさびと区別します。根わさびは、西洋わさびと呼ばれるわさびです。本わさびは、日本で作られたわさびであり、根わさびに比べて味わいがいいことから、この本わさびを高級品として扱うこともあります。

育て方が難しいとされている沢わさび

わさびと聞くと、山中の沢で育ったわさびを想像しますが、このわさびが沢わさびです。沢わさびは、渓流などを利用して作られた「わさび田」で栽培され、この栽培方法で作られたわさびは根を食します。刺身に添えられたすりわさびなどは、この方法で栽培されたものです。

沢わさび

沢わさびは、ふんだんな清流を利用して栽培されるため、きれいな水が必要とされます。このため、栽培する場所が限定され、栽培が難しいとされています。

畑で栽培される畑わさび

畑わさびは、畑で栽培するわさびのことで、葉や茎を食します。店頭で販売されているねりわさびなどの原材料として使われています。流水がなくても育てられ、夏が涼しく湿気の多い場所であれば栽培することができます。

畑わさび

畑わさびが大きく成長するには時間がかかります。苗を植えてから収穫できるようになるまでは、土の状況などにもよりますが、2~3年はかかります。

根わさびはおもにねりわさびとして

根わさびは、おもにヨーロッパの北部で栽培されている西洋わさびのことでで、日本では北海道などで栽培されています。根茎はなく、白い根を食しますが、和食には合わなかったため、日本ではあまり普及せず、ねりわさびの原料などに使われています。

根わさび

ただ、市販されているねりわさびの商品に「本わさび入り」と表記されている場合、本わさびが使われたねりわさびです。この本わさび入りのねりわさびは、根わさびで作られたねりわさびよりも高級品として扱われます。ねりわさびを購入する際、本わさび入りとそうではない根わさびのねりわさびなのかを確認してみましょう。

本わさびと根わさびのちがいって?

畑わさびと沢わさびに分類される本わさび。この両者は栽培方法がちがうものの、品種としては同じものです。しかし、本わさびと根わさびは、同じアブラナ科の植物ではあるものの、異なる属性の植物です。本わさびはワサビ属ですが、根わさびはセイヨウワサビ属で、本わさびの原産は日本ですが、根わさびの原産はヨーロッパです。

本わさび

Photo by keyaki

わさびの特徴とは?

わさびはアブラナ科に属する常緑性の多年草です。おもに根を香辛料として利用しますが、花や葉も花わさびや葉わさびとして利用するため、わさびを育てると無駄なく利用することができます。

Photo byMylene2401

わさびの葉は、葉わさびと呼ばれ、根からは茎を10cnほど伸ばし、根茎を取りまくように伸びていきます。葉わさびは、軸となっている根茎の先から新しい葉を開きながら成長し、古い葉を落としていきます。葉わさびは、開いた若い葉を収穫し、わさび漬けなどで使われます。

わさびの花の開花時期は?

また、わさびの花は小さく白い花で、花の咲くのは3~5月ごろ。花を咲かせる前の状態で収穫したものを花わさびと呼びます。花わさびにも特有の辛みがあって、おひたしやあえ物、揚げ物など、さまざまな形で食されます。

日本での主な産地は?

おもな産地は静岡県、長野県、東京の奥多摩、島根などで、とくに匹見わさび(島根県益田市)、安曇野わさび(長野県安曇野市)、有東木わさび(静岡市)を指して日本三大わさびと称することがあります。

わさびの栽培方法

沢わさびと畑わさびのおおまかな栽培スケジュールは下表の通りです。なお、本わさびは沢わさびと畑わさびのどちらもに分類されます。根わさび(西洋わさび)に関しては本記事では割愛します。

栽培スケジュール概要

  沢わさび 畑わさび
3月 種まき 種まき
肥料 肥料
9~10月 苗の植えつけ 苗の植えつけ
10月 種まき 種まき
肥料 肥料
2年後 収穫 収穫

自家栽培は難しいといわれるわさびを自宅で栽培すると決めたら、まずは必要なものを準備して、失敗を恐れずにはじめることをおすすめします。沢わさびは無理だと思われがちですが、水槽やペットボトルなどを使えば不可能ではありません。また、栽培キットなども販売されているため、とくに沢わさびを育ててみたい方はおすすめです。

沢わさびの栽培

沢わさびは、種まきができないため、プランターで種まきをして、苗が育ったら移植します。このため、種から沢わさびを育てようと考えてらっしゃる方は、畑わさびの種まきからの育て方を参考にしましょう。

沢わさびの準備

自宅で沢わさびを作ってみようという場合、水槽やペットボトルなどを準備します。水槽には酸素供給機などが付いているものもあるため、沢わさびをはじめる方におすすめです。わさびの根を川砂に埋めるため、川砂も必要です。

沢わさびの苗の植えつけ

自家栽培で沢わさびを育てる場合、水槽やペットボトルに苗を植えつけていきます。川砂を敷いて、根茎が隠れるまでの土を置き、そこに苗を植えていきます。土の表面から2~3cmくらいの高さまで水を入れます。

畑わさびの栽培

自宅で畑わさびを栽培する場合、畑で育てるには水やりや気温の管理がむずかしいため、プランター栽培からはじめるとよいでしょう。プランター栽培の場合、暑いときは涼しい場所へ、寒いときは温かい場所へ移動させられるので、自家栽培するのもかんたんです。

畑わさびの準備

自宅で畑わさびを育てる場合、土づくりが大切です。わさびは水はけのよい土を好むため、市販の赤玉土に川砂を混ぜたものを使うとよいでしょう。野菜用の培養土などを使う場合も、川砂を混ぜると水はけのよい土となります。寝茎が埋まる程度に植えていきますが、株どうしは20~30cmほど離しましょう。

Photo bysnarlingbunny

畑わさびを種からはじめる育て方

わさびを種からはじめる育て方で大切なのは種まきの時期。3月か10月ごろが適しています。わさびの種はとても小さいので、ピンセットなどを使うとよいでしょう。風通しのよいところで管理して、表面が乾いてきたら水やりをします。だいたい10日ごろで芽が出てきます。4~5か月ほどこのまま育てていくと、移植できるようになります。

畑わさびを苗からはじめる育て方

9~10月ごろにワサビの苗を植えていきます。わさびの育て方で重要なのは、水やりと温度の管理です。わさびは乾燥に弱いため、自家栽培する場合、土の表面が乾燥しないように水を十分に与え、気温は8~30度をキープするようにします。

わさび栽培のポイントとは

わさびの育て方で難しいといわれているのは水やりと温度管理です。でも、ポイントを押さえて育てていけば、失敗することはありません。定期的に手入れをして、自宅でわさびが収穫できるまでがんばって育ててみましょう。

水やりの方法

沢わさびの場合、本来であれば流水で育てていきますが、自家栽培では難しいため、水が濁らないようにまめに水を入れ替える必要があります。夏場に水が蒸発しないようにしっかりと管理しましょう。水がなくなったので足していくと、徐々に弱っていきます。

Photo by fujikinoko

畑わさびは、土の表面が乾燥する前に水をたっぷりと与えていきます。水切れを起こすと枯れてしまいますので注意しましょう。とくに、畑わさびをプランターで育てる場合、水やりは重要です。乾燥には弱いので、自宅での育て方では水やりに留意することが大切です。

肥料の方法

沢わさびも畑わさびも、肥料は年に2回、春と秋に施します。夏は暑さで生育が衰えるため、肥料は与えません。畑わさびは土に直接混ぜます。沢わさびは窒素分の少ない肥料を目の細かいネットなどを使って施します。

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手入れの方法

一年をとおして、ワサビは生育環境に注意しなければなりません。これが、育て方が難しいといわれる所以です。まずは適正気温を守りましょう。寒すぎたり暑すぎたりしてしまうと、すぐに弱ってしまいます。とくに夏場は手入れが重要。涼しい環境に移動し、寒冷紗などで遮光するなどの工夫も大切です。

病害虫について

わさびは、梅雨の終わりごろから夏にかけて、軟腐病という病気に注意しなければなりません。この病気は、高温多湿の環境下で発生する病気で、地際や根の部分が腐ってしまいます。発症したら治療することができないため、株ごと引き抜いて処理する必要があります。

春になると、モンシロチョウの幼虫である青虫の食害を受けやすくなります。処理の方法は、根気よく株から取り除くこと。気をつけないと、ワサビの葉が穴だらけになってしまいます。

収穫の方法

ワサビを実際に収穫できるようになるには2年ぐらいかかります。葉わさびを収穫する場合、花を咲かせない方が風味がありますので、種を収穫する以外は、花を摘み取ってしまいましょう。根茎を収穫する場合、直径が3~5cmほどになったら根を手で取っていきます。畑わさびの場合、根茎があまり大きくならないため、収穫は難しいかもしれません。

自家栽培したわさびをおいしくいただく方法

自宅で作ったわさびを収穫したら、ぜひおいしくいただきたいものです。最後に、よりおいしくなるように調理するポイントをご紹介します。ぜひいろいろな方法を試してみましょう。

根茎のおろし方のポイントは?

わさびは、ピリッとした辛味を楽しむ食材です。この辛味は、酸素と触れなければ出てこないため、根茎をすりおろすには細かく摩砕できるサメの皮などで作られたおろし器がおすすめです。また、わさびの風味は、すりおろして時間が経つと失ってしまうため、すったらすぐに使うようにしましょう。

わさびのおろし方は、茎をていねいにむしり取り、根の黒い部分を切り落とし、茎の方から輪を描くようにおろしていくようにします。また、取り除いた茎を細かく切って、醤油やマヨネーズなどに混ぜると、わさび風味の調味料に早変わりです。

葉わさびにはさまざまなレシピがある

葉わさびや花わさびは、食べやすい大きさに切って軽く茹でて、醤油、みりんなどで味つけをするだけで、ピリッとしたおかずになります。また、ほかの野菜などといっしょに葉わさびをあえて、ごはんに載せて食べると夏の暑いときのエネルギー源にもなります。葉わさびの天ぷらは、塩でも天つゆでもおいしくいただけます。このように、葉わさびのレシピはいくつもありますので、自宅で作ったわさびはすぐに使ってみましょう。

自宅で作ったわさびでヘルシーにいこう

日本の毎日の食卓に欠かせないわさび。山葵と書き、葵の葉に似た美しい葉や、白くて小さな花からもツンと鼻に感じる強い香りを放ち、調理していただくと、体力が落ちているときのエネルギー源になるなど、体にいい効能がたくさんあるすばらしい食材にもなります。

そんな栄養価の高いわさびには、土を使った育て方と水を使った育て方があり、水やりや気温の管理が難しいのですが、家庭のスペースを利用して楽しく栽培することも可能です。さっそくわさびの自家栽培、はじめてみませんか。手がかかる分、育てあげたときの喜びはひとしおです。

mmetexier
ライター

mmetexier

日増しにゴージャスになっていくバラの陰に、クロウタドリが巣を造りました。ヒナが5羽ほどいました。かわいいです。

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