タラの芽とは
「山菜の王様」タラの芽
たらの芽とは、タラノキの葉が開く前の若芽の部分をいいます。春の訪れを感じさせてくれる山菜ですよね。ただ、最近では自生のタラノキが乱獲のため激減しているようです。そのため、2月~3月にスーパー等で売られているたらの芽はハウスで栽培されたものがほとんどです。
野生のタラの芽の旬は3月~4月
野生のタラの芽は3月~4月が旬の時期です。筆者の住む山間部では6月頃まで採れることがあります。里山や林道、道路脇など、木を伐採して日光が当たりやすくなっている場所に多く生えています。
タラノキって?
タラノキの基本情報
- 科・属 ウコギ科 タラノキ属
- 英名 Japanese Angelica-tree
- 学名 Aralia elata
- 原産地 日本
- 花 8月頃白い花が咲く
「おだら」と呼ばれるタラノキ
自生しているタラノキは、主に「おだら」と呼ばれトゲが生えているものです。北海道から九州まで広く分布している日本原産の樹木で、ウコギ科タラノキ属の落葉小高木です。枝はまっすぐ杖のように2~4m伸び、枝や幹にはバラと同じように細かいトゲがびっしり生えいるため、別名「鬼の金棒」とも呼ばれます。大変丈夫で育てやすい木なので、ぴったりの名前ですね。
栽培種は主に「めだら」
栽培種のタラノキには、ほとんどとげがなく「めだら」と呼ばれます。どちらも枝の先端にはまるで羽のような5~10cmぐらいの葉をたくさんつけ、秋になると紅葉します。冬の寒さには大変強いですが、夏にやや弱いので明るい半日蔭で管理する必要があります。この種は、8月頃白い花を咲かせます。
タラの芽の栽培スケジュール
タラの芽の栽培の簡単な流れを表にしました。品種や栽培する気候によって期間が変化するので目安として考えて下さい。
3月~4月 | 種根の植え付け |
4月〜5月 | 剪定 |
8月 | 開花 |
翌年4月 | 収穫 |
タラの芽の育て方(種根の植え付け)
タラノキの増やし方
タラノキは、①大きくなった苗を株分けする、もしくは、②根挿しをすることで発根し、増やすことができます。株分けは、引っこ抜いて株を切り分けることですが、根挿しは、大きく育ったタラノキの根を切り分けて、ごぼうみたいな根だけを短く切って、横向きに寝せて植え付けることをいいます。
タラノキは主に「根挿し」で増える
タラノキは主に、「根挿し(種根挿し)」から育てることができます。(*種根(しゅこん)とは苗として使えるの根(画像参照)のことを指します。)なお、タラノキは、成長すると二股になることがあり、そのような時、株を分けます。(株分けをします。)
植え付けのタイミング
市販の根を購入するか、自然のタラノキの根を用意し、時期としては3月下旬から4月上旬頃に植え付けをするといいでしょう。初めての方は地植えよりも育苗ポットで栽培したほうが安心です。その際、根の発芽温度である20度を維持するようにしましょう。
根挿しのやり方
- 根を5cmに切り分けます。
- 育苗ポットに2/3まで土を入れます。
- 水平に置いた根に2〜3cm土を被せます。
- たっぷりと水やりをして日陰に置きます。
- 土が乾かないように水やりを続けます。
- 一か月ほどで発芽したら、日当たりのよいところに移しましょう。
- 枝葉が2~3本になったら、一回り大きな鉢か地に植え替えましょう。
剪定は必要?
春に種根を植え付けると、秋には樹高1m程度にまで伸びます。植え付け1年目は1〜2個、2年目以降は3〜4個のタラの芽を残して、あとは全部収穫しましょう。残ったタラの芽は来年用です。苗木を植えてから1〜2年間は収穫が剪定の代わりとなります。
タラの芽の育て方(管理のポイント)
日当たり
日当たりのよい場所で育てましょう。
水やり
水はけのよい土に植え、乾いたらたっぷりと水を与え、過湿状態にならないように注意しましょう。
肥料
1年目は肥料を必要としません。2年目以降の収穫が始まった頃から月に1度追肥をしましょう。
土
保水性、排水性がある野菜栽培用の土が最適です。畑栽培の場合は、堆肥や元肥を入れる2週間前に石灰を入れ中和しましょう。その後、堆肥と元肥を少なめに入れ、土になじませましょう。
出典:写真AC