田んぼの上手な代掻き方法とは?目的やトラクター操作のポイントを解説!

田んぼの上手な代掻き方法とは?目的やトラクター操作のポイントを解説!

田植え時期が近くなると、田んぼに水を張ってトラクターが作業をする姿が見られます。この作業は代掻きといって、この工程が後の米作りに影響するとても大事な作業です。この記事では代掻き作業を深く解説し、上手な仕方についてや仕方のポイントを紹介します。

記事の目次

  1. 1.代掻きとは
  2. 2.代掻きの目的
  3. 3.代掻きの仕方①作業時の入れる水の量
  4. 4.代掻きの仕方②トラクターの設定
  5. 5.代掻きの仕方③田んぼでの動き方
  6. 6.代掻きの仕方④畦周りのコツ
  7. 7.代掻きの仕方⑤高低差の付け方
  8. 8.代掻きの仕方⑥その他のポイント
  9. 9.代掻き作業の最新技術がすごい
  10. 10.まとめ

代掻きの仕方④畦周りのコツ

荒代の動き方

出典:筆者作成

荒代を行うコースは、畦際の田面を平らにするため、畦際1列隣のコースを最後にします。田んぼの幅はトラクター幅のピッタリではないので、内側から順番に走行すると、一番外側の列幅はトラクターより短くなります。そのため、内側のタイヤが一度走った柔らかい田面に沈むこんでしまうのです。反対側は固い畦があり、ロータリーが充分掘り起こせないため、水平性も保てなくなってしまいます。

畔周回はハローを回しながらスタート

畦際の作業

出典:筆者作成

畦際を平らにするためにも、先に畦際1列隣のコースより代掻きをするようにしましょう。また畦の四隅の上手なやり方として、ハローの板が乗り上げるまでぴったり寄せる、ということも意識します。トラクターを止めたまま畦際でハローを回し、ゆっくり前に進むと、段差を作らずきれいに仕上がります。

代掻きの仕方⑤高低差の付け方

トラクター

出典:photoAC

田んぼには傾斜がある場合があります。高低差が大きい田んぼは、荒代後3日以内に高低を直してください。高低差を直すやり方は、ロータリ部分の背面板(オフセット板)で、土を引っ張る方法です。ハローを回転させずオフセット板を立て、高い位置から低い位置に走ると、土が簡単に動きます。このときに凹凸をつくらないよう、スピードと高さを最後まで一定に保つのがポイントです。

植代も同時に行えば手間を省略できる

高低差のつけ方

出典:筆者作成

高低差を直すときのコースでは、図のように列で土を引いたあとに、同じ列を代かきしながら戻るようにします。その後に次の列の土を引きますが、この時前に土を引いた列の跡に1/3~半分くらい重ねると、たくさんの土を動かすことができます。高低差が小さい田では重ねる幅を少なめにし、大きい田では幅の半分くらい重ねて動かすようにしましょう。この作業によって植代も同時に完了させることができます。

代掻きの仕方⑥その他のポイント

前を向いて運転する

前を向いて走る
Photo byPhotoMIX-Company

その他の上手な代掻きのやり方として、前を向いて運転する、ということがあります。ついつい確認のため後ろを向きながら走ってしまいますが、後ろを振り返るとまっすぐ走行できなくなります。また、運転しながら右に振りかえると、ハローの右側にしか目がいかなくなるため、バランスの良い調整ができなくなります。

旋回時の注意事項

カーブ
フリー写真素材ぱくたそ

旋回をするときは、ハローを上げてから旋回するようにしましょう。カーブではかなりの遠心力がかかるため、自然と作業機も傾いてしまい、土もかたよってしまいます。特に幅の広いドライブハローを装着しているときは、Uターンはもちろん、コーナーを曲がるときもハローを持ち上げてから旋回するようにします。

代掻き作業の最新技術がすごい

GPS搭載で誰でも簡単

最新技術を用いた代掻きでは、GPS機能を用いることによって、誰でも上手に作業できるようになりました。搭載されたモニターに、GPSからの信号が送られることによって、走った跡が表示されるため、塗りつぶすように操作すれば、無駄のないコースで代掻きができます。

農業初心者でも安心のサポート付き

また、水田の形を認識して自動的にコースを計算したり、夜間でも正確な代かきができるようガイダンスしてくれたりなど、誰でも効率的に代掻きができるようサポートしてくれます。これから本格的に米作りを始めようかという人でも、こうした機器に頼れば簡単に代掻きを行うことができますね。

まとめ

桜代掻き

出典:photoAC

代掻きでは平らな田面をつくり、雑草などのゴミをすき込むことが大事なポイントです。ここで上手なやり方ができていれば、無駄に除草剤を散布する必要もなくなり、収穫時期に生育が揃うため品質も高くなります。そのためには畦周りに目印を設置したり、適切な水量になるように気を付け、同じコースを何度も走らない正しい代掻きが重要です。

dodon
ライター

dodon

農業普及指導員経験者。得意分野は農畜連携と牧草生産。草と農業者とのたたかいは有史以来おこなわれております。

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