コシヒカリとは？絶大な知名度を誇る理由と米品種としての特徴を紹介！

日本にはたくさんの米の品種がありますが、そのなかでも有名なのがコシヒカリです。日本一の作付面積と生産量を誇り、町の飲食店でも「〇〇産コシヒカリ使用」の看板を見かけられるでしょう。魚沼産コシヒカリなどは、ブランド米として有名です。そんなコシヒカリにはどのような歴史があるのでしょうか。この記事ではコシヒカリの誕生、名前の由来、どのようにして有名になったかを紹介します。

コシヒカリは農林1号と農林22号という品種の子として生まれました。農林1号は味と収穫量がよかったのですが、いもち病という病気に弱い品種でした。一方、農林22号は品質がよく、いもち病に強いという特徴をもっていたのです。昭和19年に新潟県の試験場で掛け合わせが行われ、その後、福井県の試験場で育てられました。その後、昭和28年に新潟県に戻り、昭和31年にコシヒカリとしてデビューしたのです。

コシヒカリという名前は、「越の国に光り輝く米になってほしい」という願いに由来します。「越の国」は福井県や新潟県といった北陸地方のことです。近年は北陸地方にとどまらず、日本全国で栽培されるようになりました。名前の由来どおり、越の国、さらに全国で光り輝く米になったのです。

コシヒカリは、誕生当初は栽培の難しさから広まりませんでした。しかし、研究が重ねられて栽培難易度が下がるに加え、世の中がおいしい米を求める風潮に変わってきて、一気に全国に広がりました。新潟県が関東地方で行った販売宣伝活動も、コシヒカリの全国的な広がりを後押ししたのです。このように、戦後の歴史のなかで、コシヒカリは徐々に全国に浸透していきました。

歴史の次は、コシヒカリの特徴について紹介します。今や日本の米の作付面積の1/3を占め、人気、味、生産量で日本一に輝く米は、どのような特徴をもっているのでしょうか。炊き上がりの見た目や味、おいしい食べ方、主な産地について紹介します。また、コシヒカリが全国に広がる要因にもなった、栽培面での特徴についてもチェックしましょう。

コシヒカリ最大の特徴は炊き上がりの美しさで、純白でツヤツヤとした光沢を放ちます。でんぷんの主成分であるアミロースとアミロペクチンのバランスが絶妙なため、口に入れるとほどよい粘りと強い旨味を感じられます。それは、コシヒカリに慣れた方が他の米を食べると物足りなく感じるほどです。特に炊き立てのコシヒカリは、米の風味を存分に楽しめます。

コシヒカリは、米本来の風味やおいしさを味わえます。漬物やおひたしなどのご飯のお供と一緒に食べるのがおすすめです。また、炊き立ても抜群においしいですが、冷めてももちもち感が続くため、おにぎりにしてもおいしく味わえます。ハンバーグやとんかつなどの味の濃い料理との相性もよく、特に和食との相性はバッチリです。これだけいろいろな食べ方で味わえるため、広く食べられているのも納得できるでしょう。

コシヒカリは全国で栽培されていますが、生産がさかんな産地は新潟県をはじめとする北陸地方です。新潟県魚沼産コシヒカリなどは特に有名ですが、この背景には北陸地方特有の環境が影響しています。北陸地方は土地が肥沃で水がきれい、さらには昼夜の寒暖差が大きいという、おいしい米が育つ条件がそろっています。そのため、北陸地方のコシヒカリは特においしく、毎年食味ランクの上位に名を連ねています。

コシヒカリは、気温が上がっても見た目が悪くならない、穂発芽への抵抗性が非常に強いといった特徴をもちます。穂発芽とは、収穫前の穂から芽が出る現象で、収穫量の減少や品質の低下に繋がります。研究を重ねてこれらの特徴を得たため、コシヒカリは全国に広がったのです。