黒米とは
黒米の特徴
黒米の読み方は「くろまい」や「くろごめ」です。稲の原種のことを指し、古代米とも呼ばれます。果皮や種皮にポリフェノールの一種であるアントシアニン系の紫黒色素を多く含んでおり、濃い紫~黒色をしているのが特徴です。生命力にあふれ荒れ地や痩せた土地でもよく育ち、干ばつや冷害にも強いのが魅力です。
黒米が買える場所
黒米は、デパートやスーパー、米屋、通販などで購入できます。デパートやスーパーでの取り扱いは比較的少ないため、無農薬や産地直送などこだわりを持って選びたい人には通販がおすすめです。
黒米を食べるメリット
メリット①視力改善
黒米に含まれる抗酸化物質「ポリフェノール」は、ものの見え方やピントを調整したり、視覚情報の伝達を手助けしたりする働きを持っています。視力改善や眼精疲労の軽減、がん病予防の効果も期待でき、長時間のパソコン仕事や細かい作業で目を酷使する人におすすめです。
メリット②エイジングケア
黒米は、老化の原因となる活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」を持っています。体内の活性酸素を除去することで、体内細胞の動きが活性化され、体の中からエイジングケアが可能です。活性酸素は年齢とともに増える傾向にあります。体や肌の衰えを感じるようになったら、積極的に黒米を食べることをおすすめします。
メリット③美肌・美髪効果
黒米には、肌への悪影響を及ぼす「チシロナーゼ」や「コラゲナーゼ」などの酵素の活性化を抑制する働きがあり、美肌への効果が高く期待できます。肌だけでなく髪の毛のツヤをよくする働きもあるため、美髪効果への期待も高いです。
メリット④血糖値が上がりにくい
黒米は血糖値の上昇率「GI値」が50と低めです。血糖値が急に上がると、体内でインスリンという成分がたくさん分泌されます。インスリンの急激な増加は、「太りやすくなる」「血管を傷める」「疾患にかかりやすくなる」など、体へ悪影響を及ぼします。GI値の低い黒米は、糖尿病や生活習慣病予防に効果が期待できる食べ物です。
メリット⑤胃の健康促進
黒米は、胃腸の動きを促す働きを持っているため、滋養強壮や食欲増進、便秘解消などの効果が期待されています。消化がよいという特徴も持っており、胃の弱い人やお年寄りでも安心して食べられるのが魅力です。
黒米の炊き方【準備~洗米】
白米との配合割合
黒米は玄米の一種であり、黒米だけでは固く風味も独特なため、白米と混ぜて炊くのが一般的です。お好みの炊き上がりの色味や食感で割合を調整しましょう。配合割合は、下記の表を参考にしてください。
白米と黒米の配合の目安
炊き上がりの色 | 食感 | 白米 | 黒米 |
---|---|---|---|
黒~黒紫 | かなり固め | 1合 | 0.5~1合 |
紫 | やや固め | 1合 | 大さじ2 |
淡い紫 | 普通+プチプチ感 | 1合 | 大さじ1 |
ピンク | 普通+ややプチプチ感 | 1合 | 小さじ1~小さじ2 |
水の量
白米1合を炊くのに必要な水の量は約200mLです。黒米を炊く際は、黒米の量の分だけ加水する必要があります。基本的には、黒米大さじ1に対して水大さじ2を加水しましょう。ただし、黒米が増えると仕上がりが固くなるため、水の量を適宜増やす必要があります。通常必要な水分量の1.3割増しを目安に加水してください。
加水量の目安
白米 | 黒米 | 水の量 |
---|---|---|
0.5合 | 0.5合 | 200mL+60mL |
1合 | 大さじ2 | 200mL+大さじ4 |
1合 | 大さじ1 | 200mL+大さじ2 |
1合 | 小さじ1 | 200mL+小さじ2 |
洗米の仕方と注意点
黒米は洗うと色素が抜けてしまいます。一緒に炊く白米を洗米した後、黒米は洗わずに追加しましょう。黒米の量が多く洗米しないと心配な場合は、長時間水に浸けずにさっと軽く洗う程度にとどめてください。米の農薬は表皮に多く残留するため、気になる人は無農薬の黒米をおすすめします。
黒米の炊き方【浸水~炊飯】
浸水時間
白米とあわせる黒米の量が少ない場合は、浸水時間は通常通りでかまいません。あわせる黒米の量が多い場合は、黒米のみ2時間以上浸水させましょう。より柔らかく炊き上げたい場合は、黒米のみ一晩浸水させてください。いずれの場合も、白米の浸水時間は通常通りです。
炊き方①炊飯器
材料(2合分)
- 白米:2合
- 黒米:大さじ1
- 水:400mL+大さじ2
炊き方
- 白米を洗い炊飯器に入れる
- 1に黒米を入れ、軽く混ぜる
- 水を入れ1時間ほど浸水させる
- 炊飯ボタンを押す
- 炊き上がったら軽くほぐし、10分ほど蒸らす
黒米は炊飯器の「玄米炊きモード」でも炊けますか?
黒米を炊飯器で炊く際、黒米の量が少なければ、通常の炊飯モードで十分おいしく炊き上がります。黒米の量が多い場合、炊飯器の「玄米炊きモード」を利用すると失敗なく上手に炊き上がるためおすすめです。
炊き方②圧力鍋
材料(2合分)
- 白米:2合
- 黒米:大さじ1
- 水:360mL+大さじ2
炊き方
- 白米を洗い、ざるにあげて水気を取る
- 圧力鍋に1と黒米を入れ、軽く混ぜる
- 水を入れ、30分~1時間浸水させる
- 圧力鍋のフタを閉め、強火にかける
- 圧がかかったら、弱火で3分加圧する
- 圧が抜けたらフタを開け、底から返すように混ぜる
黒米を圧力鍋で炊く際の注意点
黒米を圧力鍋で上手に炊くコツは水分量にあります。水分量を狂わさないためにも、洗米後の水気はしっかりと切りましょう。炊飯器で炊くときとは異なり、「米1合に対して水180mL」がおすすめです。また、圧力鍋で黒米を炊く場合は蒸らすとベチャベチャになる恐れがあるため、蒸らし作業は必要ありません。
黒米に含まれる栄養素と効能
栄養素①ポリフェノール
黒米には、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」と呼ばれる成分が非常に多く含まれています。体内の有害物質を無害なものに変える働きを持つため、動脈硬化や生活習慣病予防、肝機能強化などの効果が期待できます。目の働きに欠かせないタンパク質の動きを活性化させる働きも持ち、目の機能アップへの期待も高いです。
栄養素②ビタミンB1
黒米の糠の部分には、ビタミンB1が多く含まれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きを持っているため、疲労回復や代謝アップの効果が期待できます。また、脳が働く際に必要なエネルギーの生成をサポートする役割も果たすことから、神経機能を正常に保つ効果への期待も高いです。
栄養素③食物繊維
黒米は食物繊維が豊富で、含有量は白米の6倍以上にもなります。食物繊維は大腸を刺激し排便を促す役割を持っているため、便秘解消の効果が期待されています。低カロリーで肥満予防の役割もするため、糖尿病、高血圧、動脈硬化などのさまざまな生活習慣病の予防や、ダイエット効果への期待も高いです。
栄養素④ミネラル
黒米は、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分が豊富です。それ自体が体の構成成分になることから、骨や歯の形成や強化、細胞の働きや神経伝達の活性化などの効果が期待されています。身体や臓器の組織の動きを円滑にする役割も持つため、代謝アップや健康維持などの効果も期待できます。
栄養素⑤ナイアシン
ナイアシンとは、水溶性ビタミンの1つです。三大栄養素である「脂質」「糖質」「タンパク質」をエネルギーに変え、代謝を助ける働きを持っているため、皮ふや粘膜の健康維持、循環器系、消化器系神経系の動きを促進する効果が期待されています。アルコール分解を手助けする働きもするため、二日酔いにも効果が期待できます。
黒米を食べよう!
黒米は、体に嬉しい栄養素が豊富に含まれた健康食品です。普段食べている白米に少しプラスするだけで効果的に摂取できるため、手軽な健康法として人気があります。健康的なだけでなく見た目もきれいな紫色なので、おもてなし料理としてもおすすめです。これを機に、ぜひ一度黒米を食べてみてくださいね。
出典:写真AC