多古米とは
多古米(たこまい)は「幻の米」と呼ばれるほど、希少なブランド米です。過去には天皇陛下献上米に選ばれたり、米品評会で食味日本一に輝いたりするほどのおいしい米と評されています。
ブランド米「多古米」の産地は千葉
多古米の生産地は千葉県香取郡多古町です。多古町は「多湖町」ともよばれており、名前のとおり、湖の多い地でした。湖に蓄積された有機物がおいしい米の秘密でしょう。多古町の田んぼは自然にあふれており、イナゴやホタル、ドジョウが生息し、カモやシラサギが訪れます。米作りに欠かせないきれいな水があることがうかがえますね。
多古米とコシヒカリの違い
多古米は千葉県香取郡多古町で育てられたコシヒカリのこといいます。「あきたこまち」や「ゆめぴりか」といったように品種が固定されているのではなく、多古町の豊かな土壌で育てられた米のことを「多古米」と呼びます。高級米で有名な「魚沼産コシヒカリ」の多古町版と考えるとわかりやすいでしょう。
ボタニ子
ボタ爺
そうじゃの。そもそも、コシヒカリは日本の農家や種苗家の努力が作り上げた品種なんじゃ。気になる人はこの記事を読んでみよう。
多古米の特徴
特徴①豊かな風味
多古米の大きな特徴は、そのおいしさです。甘みが強く、冷めてもおいしい味わいから「おかずのいらない米」とまでいわれています。コシヒカリのもつおいしさを、最大限引き出した米といえるでしょう。
シャリには多古米
多古米は寿司職人たちからも支持を集めています。強い粘り気や酢との相性のよさのおかげで、ネタのおいしさを何倍にも引き出してくれるといわれています。
特徴②希少なブランド米
多古米の特徴にその希少さがあげられます。日本の米生産量は7,986,000トン(平成27年)、そのうち千葉県で生産された米は307,200トンです。この2%が多古米に相当するといわれているので、6000トン程度が多古米の生産量となりますね。日本の米のうち、わずか0.08%です。いかに希少な米であるか想像しやすいでしょう。
市場に出回らない幻の米だった
多古米は味のよさと生産量の少なさから、近隣住民同士で分けあう「縁故米」として消費され、昔は市場にほとんど出回りませんでした。近年は多古米を千葉県多古町の特産とし、町をあげての販売促進活動やさらなる食味向上などにも力をいれています。
多古米の購入方法
購入方法①道の駅「あじさい館」
多古町にある道の駅「あじさい館」では、多古米品種である「味彩米(あじさいまい)」を購入できます。味彩米は、多古町の米研究グループ「有機米部会」によって育てられた多古米品種のことです。化学合成農薬と化学肥料の使用量を通常の半分におさえ、栽培方法にこだわって作られた点が特徴でしょう。
購入方法②ネット通販
多古米はそのおいしさと希少性のため知る人ぞ知る幻の米でしたが、多古町をあげての販売促進やテレビでの紹介のおかげで知名度が広がりつつあります。町としても販売経路を広げようとしているため、今ではネット通販でも購入可能です。数々の多古町米農家が作る多古米が販売されているので、お気に入りの生産農家を見つける楽しみがあるでしょう。
購入方法③ふるさと納税制度
多古米をただ購入するだけではなく、多古町を一緒に応援したいというかたにはふるさと納税制度の利用がおすすめです。多古町にふるさと納税をすると、その返礼品として多古米を受け取れます。玄米、精米と選ぶことも可能で、多古米を使った甘酒もありますよ。
気になる多古米の値段は?
希少でおいしいブランド米となると、気になるのが多古米の値段でしょう。5kg白米で2500~3000円が主流の価格帯となっています。(※価格は2019年のものです)
多古米グランプリ
産地を多古町とするコシヒカリが多古米となるため、そのおいしさは農家の栽培技術に左右されますね。そんな多古町農家が栽培技術を競い合い、向上していくため、多古米のおいしさを決めるグランプリも開催されています。これまで多古米グランプリは計8回開催されており(2019年時点)、決勝戦は道の駅あじさい館で行われました。
グランプリ多古米は道の駅で食べられる
第8回多古米グランプリでみごと優勝した生産農家の多古米は、道の駅あじさい館で食べられます。あじさい館にあるレストランでは、優勝した多古米のおいしさが存分に味わえる「多古米おにぎりセット」が販売されていますよ(2019年時点)。
コシヒカリのおいしさを引き出した多古米
近年、コシヒカリ以外の米品種が多く作出されていますが、それでもなお「米といえばコシヒカリ」というほど、日本人はコシヒカリの食味を好むといわれています。多古米はそんなコシヒカリのよさを引き出したブランド米といえるでしょう。多古町の豊かな自然と高い栽培技術によって確立された多古米のおいしさを一度味わってみてはいかがですか。
多古米というブランド米は「多古町」という産地がなければ作れないものということなんですね。