飲む点滴といわれる甘酒
甘酒は「飲む点滴」ともいわれ、健康やダイエットによいと話題です。甘酒は米麹や酒粕から作られる甘味飲料の一種で、その高い健康効果から注目されている飲み物です。米麹甘酒と酒粕甘酒はどちらも甘酒ですが、原材料が異なるため含まれる成分や特徴にも違いがあります。
米麹甘酒の特徴
米麹甘酒の特徴①ノンアルコール
米麹甘酒は、アルコール分を含みません。原材料の米麹を発酵させて作るためノンアルコールで、妊娠中の方や子どもでも飲めます。江戸時代に夏の風物詩として飲まれていたのが米麹甘酒で、当時は暑い時期の貴重な栄養源として親しまれていました。
米麹甘酒の特徴②低カロリー
酒粕甘酒には砂糖が入っていますが、米麹甘酒は砂糖を使わないため、その分カロリーが低くなります。砂糖不使用の酒粕甘酒もありますが酒粕を溶かすたけでは甘味がなく、はちみつや甘味料が使われてカロリーが高くなる傾向があります。その点、米麹甘酒はお米の自然な甘さだけのため、カロリーが控えめです。
酒粕甘酒の特徴
酒粕甘酒の特徴①たんぱく質が多い
酒粕を原料とする酒粕甘酒は、含まれているたんぱく質の量が米麹甘酒よりも多いのが特徴です。酒粕とは日本酒を製造するときに出る搾りかすで、この酒粕には米麹にはない「レジスタントプロテイン」というたんぱく質が含まれています。
酒粕甘酒の特徴②食物繊維が多い
酒粕には、水に溶けにくい不溶性食物繊維が含まれています。米麹にも食物繊維は含まれていますが、その量は酒粕甘酒のほうがやや多めです。食物繊維が豊富であるため、ダイエットにも効果的といわれています。
甘酒の効能・効果
甘酒は栄養価が高く、飲めば健康や美容によい影響があるといわれています。甘酒を飲むことで期待できる効果や甘酒の効能について知ると、日常に甘酒を積極的に取り入れたくなるかもしれません。
効能・効果①肌を健やかに保つ
甘酒には、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群とはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸の8種類のビタミンの総称です。そのなかの「ビオチン」には皮膚や粘膜の健康を保つはたらきがあるため、甘酒を飲むと肌の調子が整う可能性が高まります。
効能・効果②腸内環境を整える
甘酒に含まれる食物繊維には、便通を助ける作用があります。スムーズな便通で腸内がスッキリするでしょう。また、甘酒には善玉菌を増やすオリゴ糖も含まれています。善玉菌が増えると、腸内環境がさらに整います。便通をスムーズにするという理由から、甘酒はダイエットの補助食として人気があります。
効能・効果③疲れにくい体づくり
医療で用いられる栄養補給の点滴にはブドウ糖が入っており、同様に甘酒にもブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は分子構造がシンプルであるため、栄養が吸収されやすいという特徴があります。栄養が吸収されやすいということは、エネルギーに変換しやすいということです。ブドウ糖はすぐにエネルギーに変換できる性質をもつため、甘酒を摂取すると身体の疲れの軽減が期待できます。
効能・効果④睡眠の質を高める
ビタミンB群の一種であるパントテン酸には、ストレスをやわらげる働きがあります。そのほか、甘酒にはGABAというリラックス作用をもたらす成分も含まれているため、睡眠の質の向上が期待できます。甘酒は身体的な疲れを癒やすだけでなく、精神的なストレスもやわらげるのに効果的なため、健康効果が高いといえるでしょう。
効能・効果⑤夏バテの予防
現代では寒い時期に飲むイメージがある甘酒ですが、江戸時代では、甘酒は夏の風物詩として広く親しまれていました。甘酒にはミネラルと水分がバランスよく入っており、暑い時期の栄養補給に使われていたようです。甘酒を飲むと、汗と一緒に体外に排出されるビタミンやミネラルを補えるため、夏バテや熱中症の予防にな役立ちます。
出典:写真AC